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販促担当・広報担当が知っておきたい“編集者“の心得

パンフレットや冊子をはじめとする紙媒体にWEB媒体、現代ではSNSも媒体化し、企業がPRできる手段はこの20年でとても幅広くなりました。お客さんに向けて企業自体や商材をPRするのに欠かせないこれらの媒体を通して発信する販促物・広報物を制作するのには、必ず“編集“の作業を経てターゲットへと届けられます。企業の広報担当の方はデザイン制作会社に発注することが多いと思いますが、普段どのようなことに気をつけて制作物を作り上げていますか? あなたが制作を発注する立場であれば、全体を取りまとめる編集者となって完成度の高いものを発信したいものです。編集作業を手探りで進めている人や質を高めたい人に向けて、“編集者“の心得をご紹介します。

1.発信する目的は?
2.販促物・広報物を“人格化“させる
3.ターゲットのために作る
4.コンテンツが命

1.発信する目的は?

ただ作るように指示されたからという思いで作っていては、質の高い販促物・広報物を完成させることはできません。どんなものでも制作する目的を念頭に置くことが大切です。原稿や素材の作成をライターやフォトグラファーなどの外部パートナーに依頼する場合も、発信元である企業の担当者が目的を伝えることで外部パートナーは意図を読み取り、着地点を持って取り組むことができます。目的の設定は、お客さんにしてほしい行動で考えると見出しやすくなります。制作会社の私たちが今まで制作してきた中で、以下の目的が多く見られます。

販促物・広報物を発信する主な目的
・知ってもらう…企業や商材・取り組みを知ってもらうために発信します。
・買ってもらう…商品を買ってもらうこと、サービスを利用してもらうために発信します。
・リピートしてもらう…継続して商材を選んでもらうために発信します。

2.販促物・広報物を“人格化“させる

「何を伝えたいのかわからない」と感じさせてしまってはせっかく制作しても本末転倒です。読み手に筋の通った印象を与えるには、“人格化“させることを意識してみましょう。つまりはコンセプトのことなのですが、制作する広報物を“ひとりの人“として捉えて制作すると、点と点が線になるように伝える力が強くなり、一貫性をもたせられます。ひとつの販促物・広報物の中で「このページではこう言っているのに、あのページではああ言っている」と相反する内容の記述があると、読み手にとってはブレを感じてしまい、混乱や離脱を招きかねません。上記の目的に企業らしさ・ブランドらしさを掛け算すると、筋の通った軸の強いコンセプト=人格化ができますので、ぜひこれを心得て制作に取り組んではいかがでしょう。

3.ターゲットのために作る

すべてのビジネスはお客さんのために動いています。販促物・広報物も同じで、役割としては企業とお客さんの中間で双方を繋ぐために存在します。その企業を選べばどのような恩恵があるのか? お金を払ってその商材を利用すれば気持ちが豊かになるのか? といったお客さんの視点で考えることが大切です。【企業・商材ができること】×【お客さんへの恩恵】の掛け算で伝えたいことを文章や写真、デザインで分かりやすく表現しましょう。
主観性に偏りすぎるとプロダクトアウトの思考になってしまい、お客さんのメリットやベネフィットがあるはずなのに伝わらないという妙な摩擦を生んでしまいます。客観的に考える、すなわちお客さんの主観で考えてみるのです。
参考:商品の強みが広告の弱みに!? マーケットイン思考で売れる広告に https://s-modern.com/column/5126/

4.コンテンツが命

素敵なデザインで興味を引けたとしても、コンテンツ(情報の中身)が弱いとせっかくの好感を失いかねません(逆も然りですが)。冊子やウェブサイトなら複数のページで構成しますが、そのひとつひとつが情報を求めている人にとって有益であり、ベネフィットに繋がることを目標に制作しましょう。広報活動は継続してじわじわと定着していくものです。企業イメージやブランドイメージのピースになるコンテンツがネタ切れにならないように心がけてみましょう。コンテンツを作る際は以下を切り口に考えると、たとえ同じ主旨の原稿であってもバリエーションを持たせられます。

コンテンツのバリエーションをもたせるには
・ターゲットを絞る
・堅いor柔らかい
・新しいor懐かしい
・自分目線or第三者目線

 

コンテンツができたら可能であれば1日寝かし、翌日に読み返すと客観的な良し悪しの判断ができます。0から執筆しているとどうしても自分だけがいいと思うものになりがちなので、この寝かせる=俯瞰する作業は取り入れてみてください。編集者の仕事は、全体をまとめつつ細部にも気を巡らせるという高度な仕事ですが業務を通して勉強できることがたくさんあります。ぜひ楽しんで取り組みましょう!

 

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