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差別用語・不快用語、無意識に使っていませんか

「多様性」という言葉が浸透し、SDGsで人権や平等に関わる目標が掲げられ、令和に入ってから日本でもようやく個の気持ちを尊重することが共通認識になってきました。普段何気なく使っている言葉で誰かが傷ついていたり、不快に感じていないか意識していますか? 一昔前は日常で使われていた言葉でも、時代が進み現在では差別用語・不快用語とされている言葉がたくさんあります。放送禁止用語があるように、販促ツールを制作する上でも差別用語・不快用語に注意を向ける必要があります。思わぬ失敗を招かないよう「差別用語・不快用語」についてのお話です。

1.差別用語・不快用語とは
2.[一例]差別用語・不快用語・避けるべき表現
3.言葉選びのベクトルを現代に合わせる

1.差別用語・不快用語とは

Wikipediaでは、
差別用語とは、「他者の人格を個人的にも集団的にも傷つけ、蔑み、社会的に排除し、侮蔑・抹殺する暴力性のある言葉。使用したことにより、名誉毀損罪など、法的に損害賠償責任が発生する可能性が高い言葉」であり、公の場で使うべきでない言葉の総称である。
具体的には、特定の属性(国籍、人種、少数民族、被差別階級、性別、宗教、同性愛者、障害者、特定疾患の罹患者、職業など)のある人々に対する否定的差別を意図して使用される俗語や表現を指し、侮蔑するための蔑称を含む。
差別語と公的に認定されていなくても、差別的に使用される表現は「差別語」または「避けられるべき言葉」とみなされることがあり、言葉によっては議論の結果「差別語」とされないこともある。また過度な侮蔑は差別的とされる。
一般的に差別用語を用いて、侮蔑行為や差別的な行為を行い、他者を傷付けた場合、訴訟問題に発展し、発言者が損害賠償責任を負う。
とあります。

つまり、国籍・人種・性別・地位・境遇・地域・心身の状態・身体的な特徴などについて否定的な言葉のこと。発言者に差別意識がなくても、言われた人にとっては侮辱であり精神的苦痛となります。場合によっては訴訟問題に発展することもあります。

2.[一例]差別用語・不快用語・避けるべき表現

日常的に使われる言葉を集めました。公でこのような言葉の発言は改めましょう。

【心身の障害、病気】
・めくら→目が不自由な人(状態)
・おし→言葉が不自由な人(状態)
・つんぼ→耳が不自由な人(状態)
・どもり→発音が不自由な人(状態)
・気違い→精神障害がある人
・色盲・色覚異常・色弱→色覚障害
・知恵遅れ→知的障害
・精神病院→精神科(病院)、神経科(病院)
・植物人間→植物状態(の患者)
・アル中→アルコール依存症

【職業】
・土方、土工→建設作業員
・百姓、農夫→農民、農家の人
・床屋→理髪店・理容師(職業を「〇〇屋」と表現するは避ける。愛称的な「八百屋さん」「魚屋さん」はOK)
・バーテン→バーテンダー
・町医者→開業医
・坊主→僧、僧侶、坊さん
・産婆→助産師

【人種、民族、地域】
・外人→外国人
・後進国→発展途上国
・帰化→国籍取得

【性差別】
女性を特別視する表現や、男性側に対語のない女性表現は原則使いません。
・女史→〇〇(名前)さん
・連れ子→〇〇さんのお子さん
・婦警→女性警官
・未亡人→夫を亡くした女性

[不適切表現]
・男勝り
・処女作
・才色兼備
・女々しい

【子ども】
・子供→子ども
・父兄→保護者
・片親→ひとり親、父子家庭、母子家庭

参照:共同通信社「記者ハンドブック 第13版」

3.言葉選びのベクトルを現代に合わせる

■ 1968年に放送された『巨人の星』の作中で星飛雄馬が父親のことを「日本一の日雇い人夫です」と堂々と言ったシーンが有名ですが、「人夫」が差別用語と判断され当作品の復刻版では修正されたそうです。差別意識がなかった原作の意図を尊重するか、現代の差別用語として修正すべきか判断に迷う一件ですが、一昔前は問題視されなかった言葉であっても時代とともに変わっていくことが読み取れます。
ニュースや新聞での表現に注意を向けてみてください。過去とは異なる言葉の選定をしているはずです。認識不足が故に、公の場で差別用語・不快用語使ってしまうと信用を損ないかねません。そのような言葉を無意識に使わないよう、共同通信社が発行する「記者ハンドブック」を参考にしてみてください。

差別用語・不快用語と判断するには議論が必要なケースがありますが、販促ツールで際どい文章表現は避けるべきでしょう。人種や性別、境遇が人それぞれ違うのは当たり前のこと。自分が受け手の立場だったらどう思うか、立ち止まって考えることも必要ではないでしょうか。常に配慮のある言葉選びを意識して、質の高い販促ツールを目指してください。

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