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知らぬは恥!校正の知識を身につけて販促の質を高めよう

販促に携わる人なら、発信・発行する前に必ず「確認」をしますよね。この確認作業=校正、流れ作業になっていませんか? しっかり校正しないと、顧客や取引先からの信頼を失う事態になることも。もしあなたの会社を宣伝するポスターが駅に張り出されたら、そのポスターは見た人たちに会社の「印象」を与えます。そこに文字の間違いがあったらどうでしょう…? 想像するだけで悪寒がしそうです。その上インターネットが普及し拡散速度が増す現代、そのミスが瞬く間に有名に。あなた自身が校正の知識を身につけて、販促を質を高めてみませんか?

1.なぜ校正が必要?
2.間違いに気付けますか?
3.修正指示は誰が見ても伝わるように
4.媒体にかかわらず校正は必須

1.なぜ校正が必要?

販促においては、「情報を消費者へ正しく伝えるため」に校正が不可欠です。文字と情報の誤りを正すための工程です。文字の誤りは誤解につながりますし、不適切な表現は受け手を不快にします。金額や日付の間違いは人を混乱させ、すぐには収拾がつきません。これらを未然に防ぐために校正が必要なのです。現代においては印刷物にとどまらず、ホームページやブログのウェブページ、SNSでも校正は必要な過程です。特にSNSでは変換ミスによる間違いをよく見かけます。個人ならまだしも、企業の公式として発信する文章に間違いがあっては恥ずかしいですよね。原稿執筆者や制作者は長時間作業に向き合っているため、ミスには気が付きにくいもの。「校正者」が客観的に文字を読むことで誤りの指摘や改善点の提案が可能になります。※本来校正は、校正紙(入稿前のデザインされた紙面)と元原稿が一致しているかを突き合わせる作業を指しますが、ここでは校正紙上の誤りを指摘し正す作業を意味します。

2.間違いに気付けますか?

文章を書くときの大半はパソコンが利用されているが故に、人がペンを持たなくても漢字が画面上で書けてしまう、という現代。ですが今も昔も変わらず、日本語や漢字の知識が必要です。間違いに気づけるよう、普段から文章を読むことを習慣づけましょう。例えば以下の言葉たち、どこが間違いか気づけますか?

①3蜜を避けて生活しましょう。電車など人込みでは必ずマスクを付けましょう。
②この時期に異例の雨不足だったために、野菜の価格を値上げする必要がある。
③20年前に主席で卒業した彼女は、努力の末、ノーベル科学賞を授賞した。

さあ、答え合わせです。

①3蜜⇒密を避けて生活しましょう。電車など人込み⇒人混みでは必ずマスクを付け⇒着けましょう。
・「蜜」と「密」は読みが同じで漢字もそっくり。誤変換に注意しましょう。
・かつては「人込み」の表記が一般的でしたが、現在は混雑を意味する「人混み」が推奨されています。同じ意味で表記が複数ある場合は、どれが推奨されているか確認しましょう。
・マスクを「つける」は、着用を意味する「着ける」が正しいです。

②この時期⇒時季に異例の雨不足だったために、野菜の価格を値上げする⇒価格を上げる・値上げする必要がある。
・「時期」は期間を表します。文脈から梅雨の雨不足であることが読み取れるので、ここでは季節を表す「時季」が適切。
・「価格を値上げする」は「価格」と「値」の意味が重複しています。「価格を上げる」または「値上げする」が正しい日本語です。

③20年前に主席⇒首席で卒業した彼女は、努力の末、ノーベル科学賞⇒化学賞を授賞⇒受賞した。
・「主席」は、国家主席のように地位を表します。1位を表すのは「首席」。誤変換に注意です。
・「ノーベル科学賞」は存在しません。詳しくない分野でも事実確認しましょう。
・「授賞」は、賞を与えるほうの行為。この彼女は賞をもらったほうなので「受賞」です。

あなたはいくつ見つけられましたか? 間違いを見つけるためには、いかに日本語を知っているかが大切です。上記では誤字をメインに出題しましたが、脱字・衍字(えんじ・余分な字のこと)・文と写真が整合確認・用語の統一なども校正しなければなりません。
質の高い文にするために心強い1冊が、共同通信社の「記者ハンドブック」。同音類義語の使い分け、ひらがな表記と漢字表記の使い分け、登録商標の言い換え、差別語・不快用語など、現代の文章に適切な表記ルールが書かれています。参考にしてみてください。

3.修正指示は誰が見ても伝わるように

修正指示は校正紙に直接書き込む方法がベストです。口頭やメール文での修正指示も可能ですが、解釈の違いがないよう、必ず形に残すようにしましょう。校正は画面での確認よりも、紙に出力したほうが間違いを見つけやすいといわれています。手間と感じるかもしれませんが、この方法がいちばん修正漏れがありません。修正指示は必ず「赤字」で。修正内容を余白に分かりやすく誰もが見つけられる大きさで書き、線で修正箇所とつないでください。スキャンして共有する場合はカラー設定にしましょう。

 

修正指示を書き込んだ校正紙は、次の校正が届くまで手元に保管してください。校正が届いたら修正指示が反映されているかを見比べられるので、修正漏れが発見しやすくなります。主な確認項目を以下にまとめました。

校正のチェックリスト
●誤字脱字の指摘
●用語の統一
●文全体の整合性
●不適切な表現
●事実関係
●デザイン的なミス
●年号・日付・曜日
●ノンブル(ページ番号)
●住所・電話番号
●固有名詞(商品名・企業名など)
●人名
●外国語のスペル
●写真・イラスト

おすすめのサイトをご紹介します。校正に関するコラムが読みやすくわかりやすく書かれています。
【ひとつ上いく広告校正】https://ueiku.dank.jp/

4.媒体にかかわらず校正は必須

印刷物は一度流通したら訂正が難しいですが、ウェブは簡単に修正や削除が可能です。とはいえ、ウェブも一度発信されたら誰が見ているか分かりませんし、スクリーンショットで保存され拡散されたら信頼を損ないかねません。執筆や校正を外注したとしても、最終責任はリリースする企業にあります。媒体にかかわらず、情報を正しく伝えられるものを発信しましょう。