投稿日:|更新日:

飲食業界必見!|デザインで「美味しい」は作れる。その②

前回、写真やコピー、デザインで「美味しい」は作れることを伝えました。今回は店舗のメニューや看板、店舗の空間やなど、お店づくりに関する「美味しい」を紹介したいと思います。店主のこだわりを伝えるのも一つの方法ですが、求めていないものを一方的に伝えられても、お客様は納得してくれません。まずお客様の求めている「美味しい」のポイントを知ることで、どんな店づくりをしていけばいいか悩むことなく、本来の料理のみ向き合えます。それでは具体的にお話していきたいと思います。

 

目次
1.美味しい「看板」を作ろう。
2.美味しい「空間」を考えよう。
3.美味しい「メニュー」を作ろう。
4.今回のまとめ

 

 

1.美味しい「看板」を作ろう。

街を歩いていると、ありとあらゆる看板が目に飛び込んできます。私たちはその中から自分が求めている対象を瞬間的に把握し見ています。勿論グーグルや食べログなどの評価を事前に調べて目的の店舗へ行く場合もありますが、そこだけをターゲットにしていても商売は成り立ちませんので、やはり店舗の第一印象を決めるのは看板です。まずその店が何を取り扱っている店なのかを最低限伝えなければなりません。次にどんな店の雰囲気か、価格帯はどのくらいなのか、など文字や装いで伝えます。一般的に人が看板1箇所に滞留するのは約0.3秒(日本語では最大15文字程度)と言われています。なので限られた情報を最小限にまとめて、認識してもらわなければ、その看板は意味を成さないことになってしまいます。ここでは看板(店舗に付随したもの)にまつわるポイントを説明します。

 

① 短時間で認識できる
上記で書いた通り人が看板1箇所に滞留する時間は約0.3秒(日本語では最大15文字程度)なので、その一瞬で興味を引かなければなりません。例えば屋号の上にスパゲティなど文字でいれているものや、イラストや写真でメインの料理を伝えたりする方法があります。また特徴的なロゴで目を引き、周辺の情報を読ませるやり方もありますが、やり方を間違えるとうまく伝わらない場合がありますので注意が必要です。

 

② 場所に合わせたサイズや高さに設置
店の大きさや設置場所によって看板のサイズや高さが決まりますし、その店が街道沿いなのか、歩行者のみの場所なのかによっても変わります。例えば、店舗ビルの2階以上だと、通行人に素通りされてしまう可能性があります。その際は突き出し看板などの看板が効果的で、道に垂直に突き出された看板は約30m先からここにお店がありますよと知らせてくれます。

 

③ 昼と夜の見え方を考える
昼のみ営業の場合はあまり考えなくても良いのですが、ランチ、ディナーを考えているお店は注意しなければなりません。明るい状態での看板の見え方で考えがちなのですが、夜になった際に、周りの明るさによってどの程度見えるのかを想定しないといけません。看板自体が電飾のものであればそれなりに目立ちますが、電飾看板でない場合、スポットライトなどで明るさを補填する必要があります。

 

④ 色の持つ効果を利用する
暖色系(赤、橙色)は飲食系に多く使われており、パワーや美味しさを連想させます。寒色系(青色、水色)は飽きにくく、信用と信頼性のイメージが強いため、銀行や金融機関のイメージですが、濃紺色(ネイビー)は、厳格・冷静・堅実性などのイメージがあり、上品な酒屋や小料理屋などにも使われています。また、色の組み合わせによっても印象が変わったりハレーションを起こしたりするので、使い方には気をつけましょう。

 

⑤ シズルで惹きつける
言葉でいくら言っても伝わらないならビジュアルで伝える方法があります。写真などで美味しそうに見せて惹きつける作戦です。ここで注意しないといけないのは、頼んだメニューが写真と違ったと言われてしまうことです。なので商品のクオリティにばらつきがあるものはおすすめできません。

 

 

2.美味しい「空間」を考えよう。

食事の感覚的満足度を100%とした場合、料理自体の割合が5%、食器・テーブルウェアが25%、残りの70%が食空間の環境と言われています。前回も書いた通り、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)で美味しさが決まるのであれば、空間をうまく作る事で全体を底上げできます。例えば、全く同じ料理を提供したとして、ガヤガヤしている食堂で食べるのと落ち着いた雰囲気で食べるのとでは味も変わってくると思います。環境に伴った料理を提供することで、お客様の満足度が上がり、また行きたいとおもうのではないでしょうか?ここでは空間にまつわるポイントを説明します。

 

① 快適な席と配置
お客様が快適に感じ、食事を楽しむための席の配置を考えることが大切です。適切なテーブルの高さ、適切な席の間隔などを確保しましょう。また、席の感覚は、適度なバランスを取ることが重要です。店舗や業態によっても異なるので、活気や賑わいを見せたいのであれば、多少窮屈に感じるくらいが良いかもしれません。

 

② 音響効果
店内に流れている音響も美味しい影響を与えます。音楽の選曲や店内の音量は、食事中のや味わいに影響を及ぼすことがあります。会話の邪魔にならないようなサウンドや、異国に来たかのような錯覚も音響によって左右されるでしょう。

 

③ 香りの効果
空間内の香りも食事に影響を与えます。周囲の香りが食べ物の香りと調和すると、食事がより楽しいものとなります。例えば、蓋を開けた瞬間にいい香りがするだけで美味しいと確定し、味にも影響されてしまいます。

 

④ 照明効果
照明は、食事を美味しく感じるために重要です。明るさによって気持ちは左右され、居心地の良い空間になったりします。柔らかい、暖かい照明が一般的に好まれ、リラックスした雰囲気を醸し出します。また、食材や料理の色が鮮やかに見えるように照明を調整することも大切です。

 

⑤ 潔さと整頓
食事を提供する空間は清潔で整頓されていることが不可欠です。清潔な環境は食材や料理の品質を高め、客に安心感を与えます。テーブル、席、食器などが清潔であることを確保しましょう。

 

 

 

3.美味しい「メニュー」を作ろう。

長く店舗を続ける為にはリピーターは必須です。多くのお客様にリピーターになってもらう為、飽きさせない「人気メニュー」が必要となります。人気メニューは、リピーターを増やすために必要であり、人気があるからこそ、お客さんは「あそこの〇〇をまた食べたい」と何度も足を運んでくれるようになるのです。人気メニューと対をなして必要なのが「新作メニュー」です。ある程度通ってくれたお客様が試したくなる新作メニューは、その都度新作を考えるのは大変なので、年間を通して月の新作を計画していくことをおすすめします。そういった施策は行きたくなるきっかけとなり、愛着にもつながるので定番メニューしか置いていないお店は一度チャレンジしてみてください。ここではメニューにまつわるポイントを説明します。

① コンセプトにあったメニュー
お店の雰囲気やブランドイメージにあったメニューは必須となります。曖昧なコンセプトで流行りに乗っかったメニューづくりばかりしても何の店か分からなくなってしまいます。程よい店のこだわりと、お客様がほしいニーズをかけ合わせたメニューで、そこにストーリーを持たせることで商品に深みが出てきます。

 

② 期間限定や〇〇食限定
お客様の立場として考えた場合、ランチ限定と書かれていると勝手にお得に感じ、〇〇食限定と表示されていると、勝手に希少価値を感じて頼んでしまいます。旬なものなど取り扱う場合、常連のお客様にも満足していただき、飽きずに通ってもらえます。そこまでメニューを増やせないお店もあると思いますが、全く新しい食材でなくても、定番のメニューに何かをプラスした、メニューを限定として出すなどの簡単な工夫から始めてみてはいかがでしょうか?

 

③ 話題性や見た目も重要
見栄えの良いメニューは写真を取ってSNSにアップしたり、人に紹介したくなります。広告料を払わずに勝手に紹介してくれるのなら、それに越したことありません。料理の盛り付けやお皿の工夫をすることでお客様を喜ばせる仕掛けをしましょう。また食材のこだわりなど、なにか一つに特化したメニューも特長になります。主役になりにくいものを主役にすることで〇〇といえばこのお店という印象をつけれるでしょう。

 

 

3.今回のまとめ

結果、今回もデザインで「美味しい」は作れました。デザインは視覚のものだけではありません。コンセプトからメニュー開発、店舗、看板デザインまで、すべてデザインで「美味しい」を共有することで、お客様に満足してもらえるお店になります。料理以外を好みや感覚で進めるのではなく、つなぎ合わせることで「美味しい」お店になるのではないでしょうか?

 

 

関連記事

飲食業界必見!|デザインで「美味しい」は作れる。その①