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デザイン思考 – やわらかく考える③

前回、思考が固くなる原因についてお話しましたが、「そんなことをいわれても、今更どうすれば…」「自分はこの考えで生きてきたからしょうがない」「柔軟に考えるって難しいことなのかも」なんて思った方。そう思ってしまうのはまだ早いです!カナダの精神科医 エリック・バーンさんの名言でこんな言葉があります。「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」。いざ文字にすると少し気恥ずかしい…ですが、まさにそのとおりだなと思います。年齢や環境を理由に自分の成長にブレーキをかけてしまうのはもったいないですよね。自分の快適ゾーンを超え、未知の領域や異なる分野に向かって踏み出すことで、デザイナーとしての成長や柔軟性が促されます。少しでも、「もっとアイデアの幅を広げたい」「さまざまな視点での意見を理解し、デザインに昇華できるようになりたい」「クライアント、デザイナーの双方から見て納得感のあるデザインができるようになりたい」と思う方はぜひ、今回紹介する内容を参考にしてみてください。

1. 挑戦と成長:新たな領域への踏み出し
2. コラボレーション:異なる視点との出会い
3. マインドフルネス:現在に集中することの力
4.今回のまとめ

1.挑戦と成長:新たな領域への踏み出し

デザインの世界は常に進化しています。自分の得意分野やデザインスタイルにとらわれず、新しい領域への探求心を持つことが大切です。例えば、他の分野やジャンル、アートフォーム、デジタル技術など、デザインに関連する領域に挑戦することで、柔軟な思考を養うことができます。新たな領域への挑戦にはリスクも伴いますが、失敗や困難から学ぶことは未来への糧となります。失敗を恐れず、挑戦の過程で得られる洞察や成長を受け入れましょう。また、自分の快適な領域にとどまらず、コンフォートゾーン(ストレスのない居心地の良い環境や精神状態のこと)を超えることで、新たな視点やアイデアが生まれます。自分が挑戦したいと思う領域を見つけたら、その領域に向けて積極的に行動してみるのも良いですね◎新たな領域へ踏み出すことは、自己成長やクリエイティビティ(創造性)の向上につながります。チャレンジの意欲を持ち、新しい舞台に挑戦することで、自身のデザインの可能性を広げることができるでしょう。

2.コラボレーション:異なる視点との出会い

デザインの世界において、一人だけで完璧な結果を生み出すことは難しいものです。他のデザイナーや専門家とのコラボレーションは、新たなアイデアやクリエイティブな解決策を生み出す助けとなります。異なる視点やスキルを持つ人々との協力によって、自分のデザインに新たな視点やアプローチを取り入れたり、対話や意見交換を通じて、自身のデザインに対する新たなインスピレーションや洞察を得ることができるでしょう。また、他の分野の専門家との交流は、新たな視点やアイデアの“提供”にもつながります。例えば、テクノロジーの専門家、アーティスト、ライター、マーケティングの専門家など、さまざまなバックグラウンドを持つ人との出会いは、クリエイティブな相乗効果を生み出すことができます。コラボレーションによって異なる視点との出会いを実現するためには、オープンなコミュニケーションと共同作業を意識すること、そして、お互いのアイデアや意見を尊重し合い、協力しながら目標に向かって進むことが重要です。異なる視点との出会いを通じて、デザインに新たな深みと豊かさをもたらしましょう。

3.マインドフルネス:現在に集中することの力

制作をする中で、様々な要因からどうしても視野が狭くなりがちな状況ってありますよね。そんなときは「マインドフルネス」の実践をおすすめします。マインドフルネスとは、現在の瞬間に完全に集中し、心を静め、固定概念や先入観から解放される心の柔軟性を育む方法です。マインドフルネスを取り入れることで、以下のような効果が得られます。是非、日常のデザインプロセスに取り入れてみてください。

ストレスや不安の軽減

デザインのプロセスはしばしばプレッシャーや締め切りによるストレスが伴いますが、マインドフルネスによって心を静めることで、クリエイティビティを阻害するストレスを軽減できます。

洞察力とインスピレーションの向上

周囲の環境やデザインに対する微細な変化やニュアンスに気づくことができます。これによって、より深い洞察やインスピレーションを得ることができ、デザインにおいて独自性や魅力を生み出すことができます。

集中力と創造力の向上

内部のノイズや干渉を軽減し、思考やアイデアの流れに没頭することができます。これによって、より創造的な発想やデザインの流れが生まれ、高品質な成果を生み出すことができます。

個人の成長

自己観察や内省を通じて、自身のデザインプロセスや思考パターンに気づくことができます。そこから学びを得て改善し、より成熟したデザイナーとしてのスキルを磨くことができます。

4.今回のまとめ

「デザイン思考 – やわらかく考える③」はいかがでしたか?デザインと向き合う日々は目まぐるしく、自身の思考について振り返って考えている余裕がない、という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、柔軟に考えることで、必要な作業や最良な解決策を冷静に判断することができ、業務の効率化につながります。従来の考えや新たな考えのどちらにも囚われすぎず、互いの良さを見出してデザインに昇華していきたいですね。より良いデザインの提案をするために、そして、デザイナーとしての成長を止めないために、目の前の「今」を見てベストだと思える形に気づいていきましょう。

 

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