ブランディングに必要なこと_その③|ブランドアイデンティティの構築について
前回はブランディングに必要な「ターゲットの設定について」についてお話しました。今回は最終編の「ブランドアイデンティティの構築について」をお話したいと思います。ブランドアイデンティティとは、ブランドが持つ独自性や特徴、価値観、世界観などの組み合わせであり、他のブランドと区別するために生まれました。ブランドアイデンティティは、消費者に対してブランドの認知や理解を促し、ブランドとのつながりや共感を生む役割を果たします。それってブランディングに必要なこと_その①で話したブランドコンセプトと同じではないの?と思われる方もいるかも知れません。結果からいうと違います。ブランドコンセプトが「ブランドの戦略的な指針や基本的なアイデア」だとすると、ブランドアイデンティティは「ブランドの独自性や特徴を五感的に表現したもの」です。
目次
1.ブランドアイデンティティに必要な3つのこと
2.デザインを活かしてブランドを効果的に魅せる
3.今回のまとめ
1.ブランドアイデンティティに必要な3つのこと
ブランドアイデンティティとは、ブランドが持つ独自性や特徴、価値観、世界観などの組み合わせであり、他のブランドと区別するために生まれました。ブランドアイデンティティは、消費者に対してブランドの認知や理解を促し、ブランドとのつながりや共感を生む役割を果たします。その中で最もわかりやすいのがブランドロゴマークです。昔々まだブランディングの認知が浸透する前、ロゴマークだけがひとり歩きしてしまい、ロゴマーク作ればブランドの効果が飛躍するなどと勘違いされていた時代がありました。ロゴマークを作ったからといってブランドの効果が得られるなんてことはなく、ブランドアイデンティティを確立するためには下記のようなことを意識しなければなりません。
1.ブランドパーソナリティ
ブランドの個性やキャラクターを表し、消費者とのつながりを築くための要素です。ブランドの特徴や属性を通じて、消費者に対してブランドの魅力や価値を伝え、共感や信頼を醸成します。ブランドパーソナリティは、ブランドイメージの構築や顧客忠誠度の向上に重要な役割を果たします。
2.ブランドの価値観
ブランドが重視する原則や信念を指します。価値観は、ブランドの行動や意思決定の基盤となり、ブランドのアイデンティティやイメージを形成します。ブランドの価値観は、持続可能性、品質、革新性、社会的責任、多様性と包括性など、さまざまな要素を含むことがあります。これらの価値観は、消費者との共感や信頼を築く上で重要であり、ブランドの長期的な成功にも寄与します。
3.ブランドストーリー
こちらはブランドコンセプトでも書いたように、ブランドの起源、経緯、成長過程などのストーリーは、ブランドアイデンティティの形成に重要な役割を果たします。消費者にブランドに興味を持たせ、ブランドの背景やブランドの提供する価値を理解させることが重要となります。またブランドストーリーに一貫性を持たせることで、長期的にブレのないブランド戦略を立て、様々なタッチポイントでブランドらしさを演出することができます。
2.デザインを活かしてブランドを効果的に魅せる
ブランドアイデンティティを構築するうえで、消費者の最初のタッチポイントとなるのがデザインです。人が受ける情報の割合でも視覚が8割以上を占めているので、視覚的要素はブランドの印象を決める要となります。ブランドアイデンティティをデザインする中で、下記の要素を意識することでデザインクオリティの確立に繋がります。
ロゴマーク
ブランドアイデンティティを象徴するのがロゴマークです。ロゴマークは、ネーミングや、エレメント、色彩、フォントなどの要素を組み合わせてデザインされます。
カラーパレット
ブランドが使用する色の組み合わせは、ブランドの雰囲気や感情を伝える役割を果たします。カラーパレットは、ブランドアイデンティティを強調するために慎重に選ばれます。タイポグラフィ:ブランドのタイポグラフィは、ブランドの個性や雰囲気を反映します。適切に選ばれたタイポグラフィは、ブランドのメッセージを視覚的に強調します。
デザインスタイル
ブランドのデザインスタイルは、ブランドの一貫性や統一感を確保するために重要です。これには、イメージやグラフィックスタイル、パターン、アイコンなどが含まれます。
以上の視覚的要素を構築することで、ブランドの一貫性と視認性が高まり、消費者の最初のタッチポイントで効果的なブランドの印象を植えつけることに成功します。
3.今回のまとめ
ブランディングに必要なことを3回に分けてお話しましたが、販促とブランドは似て非なるものです。よく長い時間をかけてブランドを育てると言われていますが、何も戦略のないまま放置し続けるのはもちろん、販促の感覚で短期間で結果を求め、ブランドアイデンティティをコロコロ変えてしまうのはブランドにとって致命的となります。ブランディングをこれから始める会社、すでにブランドをお持ちの会社は、自社ブランドに関して今一度見直しをおすすめします。