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ブランディングに必要なこと_その②│ターゲットの設定について

前回はブランディングの重要なポイント「ブランドコンセプト」についてお話しました。今回は続編の「ターゲットの設定」についてお話したいと思います。商品開発や販売促進、プロモーションでもターゲットの設定は度々出てきますが、ブランディングに関してのターゲットの設定は瞬間的なものでなく、長い時間をかけて育てていくものなので、よりユーザーファーストでなければなりません。開発側の都合の良いターゲットに設定しても結果は得られないので注意が必要です。

 

目次
1.ブランディングにおけるターゲットの重要性
2.ターゲットの設定の方法
3.今回のまとめ

 

1.ブランディングにおけるターゲットの重要性

ブランディングにおけるターゲットの重要性は非常に高く、ブランド戦略を成功させるためには欠かせません。なぜなら、ブランドを最終的に育てていくのは消費者であり、長期に渡りブランドが存続できるのは商品やサービスを利用してくれる消費者がいるからです。ターゲットに応じて、ブランドのメッセージや価値観、スタイルなどを調整することで、ターゲットにとってより魅力的なブランドアイデンティティを確立することができます。また、競合他社との差別化を図ることも可能となります。同じ商品やサービスでも、ターゲットに合わせたアプローチをすることで、独自のポジショニングを築くことができます。結果的にターゲットに合わせたブランディング施策を行うことで、ブランディング効果を最大限に発揮することに繋がります。

 

 

 

2.ターゲットの設定の方法

ターゲットの設定でよくありがちなのが、消費者に関する情報がなにも揃ってない段階で、ターゲットを決定してしまい、何の脈絡もない状態で一方的なターゲットに決めつけてしまうことです。そのような博打な方法でターゲットを設定してもなにも成果は得られません。博打にならない為には、しっかりと情報を揃えてターゲットの設定を正しく導くことが大切です。ターゲットの設定は以下の方法で行うことができます。

 

消費者の属性を分析する
ターゲットの設定するためには、まずは消費者の属性を分析することが重要です。年齢、性別、職業、所得、趣味、ライフスタイルなどの情報を集めて、消費者の趣味嗜好や行動パターンを理解します。以下のような方法があるので紹介します。

アンケート調査:オンラインや郵送、電話、対面などの方法で行うことができます。

データベース分析:企業が持っている顧客データベースや購買データ、SNS上のデータなど、こちらは専門家の知識が必要となります。

FGI(フォーカスグループインタビュー):顧客に直接インタビューを行い、消費者の属性情報を収集することができます。FGIは、少人数でグループを作り、意見交換をする方法です。

顧客接点分析:消費者が商品やサービスを利用する際の接点(店舗、Webサイト、コールセンター、SNSなど)を分析することで、消費者の属性情報を把握することができます。

 

 

ニーズや課題を洗い出す
消費者の属性を分析した後は、その消費者が抱えるニーズや課題を洗い出します。商品やサービスを提供することで、消費者がどのような問題を解決できるのかを考えます。以下のような方法があるので紹介します。

インタビュー:消費者に対して、直接インタビューを行い、ニーズや課題を収集することができます。インタビューの方法としては、対面式や電話、オンラインインタビューなどがあります。上記のアンケート調査やFGIでの調査も有効的です。

ユーザビリティテスト:商品やサービスを実際に使用してもらい、使い勝手や不便な点、改善すべき点を収集することができます。

SNSなどの分析:SNS上の口コミや評判を分析することで、消費者のニーズや課題を把握することができます。

競合他社の分析:競合他社の商品やサービスを分析することで、市場のニーズや課題を把握することができます。

 

 

優先順位を設定する
消費者のニーズや課題を洗い出した後は、そのニーズや課題の優先順位を設定します。どのニーズや課題が最も重要で、どの消費者が最も優先的に対象になるかを考えます。ここで注意したいのは、都合の良い内容を掘り起こして制作側の求めるターゲットを優先してしまうことです。せっかく集まった情報なので、消費者側の立場に立って、客観的に優先順位を設定し、情報を整理する時間と考えるのが良いと思います。

 

 

セグメンテーションを行う
消費者の属性やニーズ、優先順位を元に、類似する属性やニーズ、優先順位を持つ消費者をグループ化します。このグループ化を「セグメンテーション」と呼びます。セグメンテーションによって、より具体的なターゲットの設定することができます。以下のような方法があるので紹介します。

地理的セグメンテーション:地域ごとに消費者を分類する手法です。例えば、都市部と地方部、北海道と沖縄など、地理的な特徴に基づいて消費者を分類します。

人口統計学的セグメンテーション:年齢、性別、職業、所得など、人口統計学的な要素に基づいて消費者を分類する手法です。この手法は、消費者の属性情報を基にした広告や販促施策を展開する際に有用です。

心理的セグメンテーション:消費者のライフスタイル、価値観、購買行動などに基づいて消費者を分類する手法です。例えば、セルフイメージを重視する消費者や、価格に敏感な消費者などが該当します。

行動的セグメンテーション:消費者の購買行動に基づいて消費者を分類する手法です。例えば、頻繁に購入する消費者や、特定の季節に商品を購入する消費者などが該当します。

顧客価値セグメンテーション:消費者の購買金額や回数、口コミなどから、顧客の価値を測定し、消費者を分類する手法です。この手法は、企業が顧客ごとに異なるマーケティング施策を行うことができるようにするために有用です。

 

ターゲットの特徴を分析する
ターゲットに関する材料がすべて揃った段階で、ようやくターゲットの特徴を分析ができます。想定していたターゲットと実際調査したターゲットの答え合わせをすることで、ターゲット像が絞れてきます。

 

 

以上の手順を踏むことで、ターゲットの設定することができます。ブランディング戦略をする上で、ターゲットを理解することは、商品やサービスの提供方法や販売戦略の際に、とても重要な鍵となります。ただし、時代とともにターゲットは常に変化するため、定期的な見直しが必要となります。

 

 

 

3.今回のまとめ

今回ターゲットの設定についてお話しましたが、ブランディングは作り手側の思いだけでは成り立たないということを今回お伝えしたかったのです。私は相互関係が成り立つことで永続的なブランディングにつながると考えています。次回は「ブランドアイデンティティの表現」についてお話したいと思います。

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