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ブランディングに必要なこと_その①|ブランドコンセプトについて

ブランディングとは、商品やサービスを特定の消費者に価値があると認識させ、市場の中で独自のポジションを確立するマーケティング戦略です。ブランドを確立することで、消費者から商品価値とともに共感や信頼などを得られるので、他社商品と差別化された顧客を獲得できます。一見ブランディングと聞くと、高級ブランドや大手企業をイメージし、一部の商品にしか当てはまらないと思う人いると思います。しかし、ブランディングが一部の商品だけの特別なことというは大きな間違いです。

ブランディングは、どの商品においても重要な戦略であり、昔から行われてきました。ブランドの起源は産業革命期の19世紀、工業製品が大量生産され、同様の製品が競合する状況が生まれました。そのため、商品を識別するために、製造業者は自社の製品に固有の名称やロゴをつけるようになりました。その後、ブランドは商品の品質や信頼性を表すシンボルとして認知されるようになり、消費者にとっては商品を選ぶ際の重要な判断基準の一つとなりました。その後、時代とともにブランドは変化し、現在のような細分化された形に変わってきたのです。

自社開発をしていて、良い商品やサービスを提供しているのに、消費者から選ばれないことに悩んでいる企業の方は沢山いると思います。その原因として、ブランドの持つ本当の魅力や価値が、消費者にうまく伝わっていないことが原因と考えられます。ただ商品やサービスを提供しているだけでは、消費者には商品やサービスの表面的な部分(価格や機能)しか伝わっていないのです。逆にきちんとブランディングを意識して、ブランドに根差したマーケティング戦略やプロモーションを行えば、商品やサービスがより消費者に支持され、ヒットする可能性が増えるということになります。

今回だけでなく、ブランディングに必要なことを数回に分けてお話していきます。今回はブランディングの最も重要なブランドコンセプトについてお話します。

 

目次
1.ブランドコンセプトについて
2.ブランドコンセプトの考え方
3.今回のまとめ

 

1.ブランドコンセプトについて

ブランドコンセプトとは、商品やサービスを提供する企業が顧客に伝えたいメッセージやイメージを具現化したもので、ブランドアイデンティティやブランド価値観、ブランドの特徴などを消費者にわかりやすく理解してもらうためのものです。ブランドコンセプトを理解してもう事によって、顧客は商品やサービスに共感を覚えます。この「共感」がブランディングにとってもっとも重要なことと言えます。

ブランドコンセプトは、ブランドの戦略的な方向性を決定し、それに基づいてマーケティング戦略やプロモーションなどを策定するための基盤となります。商品やサービスが混在している市場では、似たような商品やサービスがあらゆるブランドから販売されているため、商品やサービスの魅力のみでヒットさせることが難しくなっています。消費者に自社ブランドの商品やサービスを選んでもらうために、「共感」できるメッセージやイメージを具現化していきましょう。

 

 

2.ブランドコンセプトの考え方

1.でも話したようにブランドコンセプトに欠かせないのは「共感」です。様々な人の考えや思いがある中で、より多くの共感を得るためには何が必要になるのか?それは顧客なら誰もが持っている潜在意識を揺さぶることです。顧客は潜在意識を揺さぶられることで、商品やサービスに対して深く知ろうとし、背景やストーリーを知った上で共感します。ブランドコンセプトを考えていく中で、どんな背景でどんなストーリーを作っていくのか。それではブランドコンセプトを考える上でのポイントを3つを紹介します。

 

ものづくりのきっかけ
まずは作りたいと思ったきっかけを掘り下げていきましょう。だれでも行動するには理由があり、意思がなければ始まりません。逆になんとなく売れると思ったからと言う理由に誰が共感してくれるでしょうか?ヒットさせたい思いには何かしらの意思と理由があるはずです。思い当たらないのであれば、ちゃんと考えましょう。感情は数値で表せないですが、心のない商品やサービスに人々は感情は動かないのです。

 

ルーツを探る
これだけ世の中に溢れている商品やサービスには必ずと言っていいほど、ルーツ=起源が存在します。そこから派生していき、AとBが組み合わされ、新たなCが発明されるので、今までにないものが商品やサービスになることは限りなくゼロに近いです。どんなに複雑な商品やサービスでも、ルーツを辿れは本質が見えてきて、目指すゴールがわかりやすくなります。

 

地域の歴史を探る
地域に根付いた商品やサービスには、必ず歴史があります。気候や環境によってその地域ならではの独自性が生まれ、その環境で育った人々の手により作り出される。お酒や醤油、味噌などの調味料がいい見本です。地域の歴史や文化を探ることで、ブランドコンセプトのヒントが隠されている可能性があります。

 

 

4.今回のまとめ

何もないところからストーリーは始まらないのと一緒で、商品やサービスにもストーリーはあります。開発の内容に頭が偏り、開発者は意外と気づかなかったりします。一度立ち止まり、消費者目線で、どんなストーリーだったら共感してもらえるのか考えてみましょう。次回は、ターゲットの設定についてお話したいと思います。