投稿日:|更新日:

広告の印象を変える!写真加工(レタッチ)の重要性

デザインを構成する上で欠かせないもののひとつとして写真があります。人は情報の8割を視覚で捉えるといわれています。制作物に訴求したいものがある場合、文字だけの情報ではなく写真もどんどん活用していきましょう。写真に、加筆・修正を施すことをレタッチと言います。何の加工も加えていないただ撮っただけのものと、レタッチを加えたものでは印象がグッと変わります。この世に無数に存在する成果物に、何もいじらずそのまま写真を使っているものが見受けられ、もったいないなと感じることがあります。写真に一手間加えることは制作物の質を高める手っ取り早い方法ですので、今回はレタッチの種類とどのような効果があるか例を交えてご紹介いたします。

1.コントラストの調整
2.色味の調整
3.ゴミや非対象物などを消去・合成など
4.まとめ


1.コントラストの調整

1つ目に紹介するのは写真のコントラストを調整する方法です。写真全体が明るく、陰影があまりないものをハイキー、写真全体が暗く沈んだ印象のものをローキーと呼称し、どちらに加工するかで与えたい印象が変わります。ハイキーな写真は【柔らかい・明るい・爽やか・幻想的】などの印象を与えます。料理の写真やお花の写真、日中の風景などと相性が良いです。ローキーな写真は【スタイリッシュ・重厚感・暗い・渋い・静けさ】などの印象を与えます。人物やプロダクトなどをかっこよく撮影したい場合や、モノクロ写真などと相性が良いです。例えば会社案内を制作する場合、同じ写真でも明るい社風を訴求したい場合はハイキーに、堅実な印象を訴求したい場合はローキーに加工するとパッと見るだけで大まかな社風が伝わります。

2.色味の調整
写真の色味は見る人に大きく印象を与えます。写真を撮影する際、環境光によって赤みや青みが強くなってしまう「色かぶり」が発生する場合があるので実際に見える色に調整したり、伝えたい印象に合わせた色味に調整する必要があります。例えば、赤みや黄みなど暖色が強い写真は【暖かい・優しい】などの印象を与え、青や紫みなど寒色が強い写真は【スタイリッシュ・知的・落ち着き】などの印象を与えます。料理の写真などは赤みや黄みの強い写真と相性が良く、おいしそうな写真は暖色寄りに色味を補正してあることが多いです。青みのある写真はプロダクトをかっこよく見せたい場合などに引き立ちます。

3.ゴミや非対象物などを消去・合成など
手を加えていない写真にはゴミが写っていたり、見せたいもの以外の要素が写り込んだりします。レタッチで余分なものを取り除くことも写真のクオリティを一段とアップすることができる方法です。食品の写真は形を整えたり、合成で少し照りを強くしたりすることでより美味しく見せることができ、ユーザーの購買意欲を促進にも繋がります。人物の写真は肌を整えることはマストで、モデルの魅力が大幅にアップします。近年の写真編集ソフトの機能は随分進歩しているので、合成で何かを足したり、非対象物を消したりすることがとても簡単にできるようになりました。それにより表現の幅が広がったので、できるかな?と思ったことでも、良いと思ったことは提案してみましょう。

また、食品に多いですがやりすぎのレタッチは「誇大広告」を生み出す危険性があり、クレームに繋がりかねませんので注意しましょう。下記のブログ 事例2:「誇大広告」に詳細が載っているのでぜひ併せてご覧ください。

事業者もデザイナーも気をつけたい|景品表示法について

4.まとめ
いかがだったでしょうか?今回ご紹介した1 〜3の調整は全ての要素を併用することで、より雰囲気のある写真に仕上げることができますので合わせて活用してみてください。デザイナーの方は自分でレタッチができる方も多いと思うので、メインビジュアルで使用するような大きな写真から、バナーなどの比較的小さい写真まで取り扱いに手を抜かずクオリティアップを目指しましょう。制作物を発注する側の方は、オリエンテーションの際にどんなイメージを訴求したいかを共有しておくと、制作側がそれに即した写真を使いデザインしてくれるでしょう。今回紹介したレタッチの基本を頭に入れておくことで、自社の成果物がより良いものになるので参考にしてみてください。