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売上を上げたい!3つの視点と効果的な施策例

2021年3月期の決算発表が各社出揃いました。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が低迷しているものの、国からの緊急融資や給付金などの支援策によって倒産件数は抑制され、2020年の倒産件数は20年ぶりの低い水準となったそうです。しかしながら、コロナ禍でプロモーションが思い通りにできない企業やメーカー、店舗にとっては売上が思うように上がらず、今後、プロモーションを加速することで巻き返しを図りたい思いが強いのではないでしょうか。売上を上げる方法はとてもシンプルで、「顧客数」「客単価」「購入頻度」の3つを改善すれば良いわけです。ではどのような点に注意して改善していけば良いのかを順に見ていきましょう。今回のコラムが御社が取り組んでいる販促活動をワンランクアップさせるヒントになれば幸いです。

1.顧客数アップのための視点
2.購入単価アップのための視点
3.購入頻度アップのための視点
4.今回のまとめ

 

顧客数アップのための視点

まず、企業の顧客には既に売上を上げている既存顧客の他に「潜在顧客」「顕在顧客」が存在します。その両者に上手くアプローチして新たな購入につなげましょう。

①潜在顧客:自社の商品やサービスを知らない。興味を示さないわけではなく、存在を知れば購入の可能性がある。商品やサービスの存在を知ってもらうことが必要。
▶効果的な施策:SEO対策、コンテンツマーケティング、SNS、イベント、展示会、セミナー、店頭POP、TVCM、プレスリリース、折込チラシ、交通広告、屋外広告、ポスティング、DH、サンプリング など

②顕在顧客:自社の商品やサービスを認知している。興味関心度が高く、検索→比較→検討を経て購入の可能性がある。
▶効果的な施策:SEO対策、コンテンツマーケティング、WEB広告、テレアポ、DM、メルマガ、無料トライアル など

 

潜在顧客は、自身のニーズを認識していない場合があり、きっかけを与えれば商品に振り向いてもらえる可能性があります。TVCMや雑誌の特集記事、イベントや店頭のPOPなどこちらから積極的に働きかけ接点を持つことで購入につながることが期待できます。そのようなタッチポイントを作るためにペルソナを踏まえて販促計画が練りましょう。そこで重要になるのが消費者の本音を捉えた施策かどうかという点です。消費者の本音を探るにはグループインタビューやSNS調査を行います。その結果をもとにどのような広告が効果的か決めていきます。これまでのマーケティングの調査結果が効果的に販促物に落とし込まれているかをチェックし、アウトプットのクオリティを見直しましょう。

次に、顕在顧客に対してはインターネット施策を中心にオウンドメディアの運営やSNSでの発信が有効です。商品の認知は既にありますので、メリットの部分を魅力に感じてもらい購入につなげます。インターネットの発達により、購買方法は大きく変わりました。購入までの過程に情報収集のための検索→比較→検討が加わりさらに複雑になっています。一度接点をもったターゲットに継続的にアプローチするためには、リターゲティング広告や検索広告向けリマーケティング(RLSA:Remarketing Lists for Search Ads)などのWEB広告を細かく設定し顧客を顕在化していきましょう。しかし顧客ターゲットがシニアの場合は当然アプローチ方法が異なります。顧客層に応じて販促計画を練りましょう。

 

購入単価アップのための視点

購入単価とは1回の購入に対して顧客1人が支払う総額のことです。リアルでの販売でもECサイトでの販売においても購入単価のアップは大きな売上を作るためには大切な要素です。そこでポイントとなるのが「クロスセル」と「アップセル」です。

①クロスセル:商品Aの購入を検討している顧客に対して関連する商品Bの追加購入も促す販売手法。アマゾンのおすすめ機能(よく一緒に購入されている商品)によるセット売りが有名。顧客が購入を決めた後に実施される。
▶効果的な施策:まとめ買い、交換・修理サポートなど付加サービスの拡充 など

②アップセル:商品Aの購入を検討している顧客に対してより高機能・高単価の上位商品Bを薦める販売手法。顧客が購入を決める前に実施される。
▶効果的な施策:価値を伝える、開発ストーリーを伝えるなどの商品価値のPR、新規性、ロイヤリティ、オプションの追加、長期契約割引 など

 

クロスセル、アップセルが上手くいくと効率よく購入単価を上げることができます。売上=「顧客数」✕「客単価」✕「購入頻度」で算出されますが、なかでも「客単価」のアップについてはコスト不要で真っ先に取り組み易い要素です。大切なのは一方的な売り込みではなく「お得感」です。顧客にお得感を感じてもらえるように知恵を絞り売上アップに繋げましょう。意外かも知れませんが「買い物のしやすさ」を工夫することでも売上アップに繋がります。とある事例では、コンビニのPOSデータや来店客調査を調べたところ、1〜2点の品物を購入して店舗を出る人が全体の25%を占めたそうです。客単価を上げたいと考えた店長が行った改善はとてもシンプルで、入り口の目に留まりやすい場所に買い物かごを置くというものでした。インサイトはこうです。客は商品を2点持つと両手がふさがってしまい、そのまま買い物を終えるケースが多いのではないか?ということでした。その点に気づいた結果、1人あたりの購買点数も客単価もアップしました。お金も労力も時間もかけずに改善できた素晴らしい事例ですね。 これは店頭での事例ですが、ECサイトでも同じことが言えます。ECサイト運営者はユーザビリティ(使いやすさ)テストを行い、効果的なWEB集客を行いましょう。

 

購入頻度アップのための視点

既存顧客は過去に御社のサービスを利用したことがあり既にファンであったり、リピーターかも知れません。インターネットの普及で一度切りのモノ売りビジネスではなく、顧客との継続的な関係を前提としたサービス提供へとビジネスモデルが変化しています。SNSやアプリを利用して直接的な繋がりを持つことで、一度リピーターになってもらえれば継続的な購入を期待できます。メールアドレスなどの個人情報を使って新商品の告知やファン交流などのコミュニケーションもスムーズに行えます。そのためには御社の商品・サービスが忘れられないように定期的なアプローチが必要です。例えば来店頻度によって郵送するDMの内容を変えたり(バリュアブル印刷)、VIPには特別な特典を用意するなど、顧客との関係性に合わせて益々細かな対応が必要となっています。

①リピーター獲得:新規顧客だけでは売上が頭打ちになってしまう。質の高いサービスので継続的な購入を促す。
▶効果的な施策:誕生日カード、サンキューレター、ポイントカード、会員割引、クーポン、メルマガ など

 

また、購入頻度が上がればリピート購入が期待できます。LTV(ライフタイムバリュー※顧客生涯価値)は「購入単価」×「購入頻度」×「契約継続期間」で求められます。生涯で幾らお金を使ってくれるかを表すこの計算式からも分かるように、売上を積み上げるためにも前述の「購入単価」のUPが欠かせない要素となっているのも見逃せません。

 

 

今回のまとめ

今回は売上げをさらに上げるために見直すポイントと効果的な施策例を紹介しました。冒頭の「1.顧客数アップのための視点」の章では「潜在顧客」「顕在顧客」にスポットを当てましたが、御社には既に「既存顧客」が存在しているはずです。既存顧客は既に御社の商品・サービスを体験していることから、購入後の「口コミ」や「紹介」も期待できますので今後ロイヤルカスタマーとして次の売上アップに繋げるための施策についても考えたいところです。販促の目的は「売上を上げること」に尽きます。今回のコラムが新しい期を迎えた御社の新たな販促計画の参考になれば幸いです。

 

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