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グラフィックデザインとは?|デザインを構成する要素 -3-

みなさんは写真を撮るとき、どんなことを考えますか?何も考えていない気がする、なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな事はありません。実は私たちは無意識に、はたまた意図的にいろいろなことを考えて撮影しています。例えば、どんな雰囲気の写真にしたいか、何をメインに撮影するか、どの位置から撮ろうか、どこまでを画角に収めるかなど、目に見えている景色から感じた印象やその場の空気感をよりリアルに切り撮るために、さまざまな考えを巡らせ、工夫しています。このように1枚の写真には、見た人に伝えたいメッセージ(情報)が隅々まで散りばめられています。だからこそグラフィックデザインにおいても写真の重要性は大きく、写真次第でデザインの良し悪しが左右されてしまうこともあると言っても過言ではないほどに、デザインと写真は密接な関係にあります。今回はそんなデザインの視点から考える、写真の見方や選び方、配置方法についてお伝えしていきます。

1. 写真の構図
2. 写真の選び方
3. 写真の配置
4.今回のまとめ

1.写真の構図

私たちが日頃目にしている写真には、必ず「構図」が存在しています。そもそも構図とは何なのか?それは、「写真を通して見せたいもの」をより伝えやすくする撮影テクニックになります。構図を理解することは、「写真がどのような意図で撮影されたのか」を理解することに繋がります。例えば下の写真を見てみましょう。

ピンク色の丸で囲んだところがこの写真の主役(主題)です。主役となる部分=メッセージ性の強い部分(最も注目してほしい部分)と考えると、どの部分が主役なのか、どんな意図で撮影された写真なのかが見えてきます。デザインを行う際に、主役と背景のバランスや、どこに主役を配置しているか、写真全体の雰囲気はどんなトーンでまとめられているかなどの意図を感じ取り、それらをさえぎらないように意識することで、より説得力のあるデザインを作ることができます。日頃写真を見るときに主役は何処なのかを少し意識して見てみると、実際に制作する際に役に立つかもしれません。

 

2.写真の選び方

写真を選ぶことはメッセージを決めることに等しいです。伝えたいことが伝わるよう、まずはイメージに合う写真を妥協せずに選ぶこと、必要であれば加工やトリミングによってイメージに近づける工夫を施すことが、よりメッセージ性を強め、デザインの質を高めるポイントとなってきます。例えば、解像度が低い、明度が低くて暗い印象に見える、不必要な情報が写り込んでしまっている、表情やトーンが内容からずれてしまっている、などの不安要素がある場合は可能な限り全て取り除きましょう。自己判断だけで写真を決めるのが不安なときは、雑誌やWEBサイトなどの写真をメインとする媒体でどんな写真が使用されているのかを見てみたり、自分の選んだ写真を周りの人に見てもらうことで、客観的にどんな印象に捉えられるのかを知るとなお良いです。このように、デザインにおいて「印象」の部分に大きな影響を与える写真を慎重に丁寧に選ぶことで、デザインを損なうことなく、さらに写真の良さを引き立たせ、魅力的なビジュアルを作り出すことができます。写真をメインにしたデザインを行う際はぜひ意識してみてください。

写真の活用方法ついて下記の記事でも詳しくご紹介しておりますので、参考にしてみてください。

〈人物の写真を活用して訴求力の高い販促を〉
https://s-modern.com/column/3038/

 

3.写真の配置

写真をどのように配置するか、これは見る人に「どのような印象を与えたいか」がポイントになってきます。写真の配置方法は大きく分けて2種類、①画面に対し写真を大きく配置することで主観的に写真に入り込ませる方法と、②余白をとって配置することで全体の要素の中の1つとして、客観的に写真を見せる方法があります。例えば、雑誌を例に見てみましょう。

Aのページでは写真を大きく配置する①の方法が使用されています。2ページに渡って写真を大きく見せることで、扉を開いたかのような景色を目に飛び込ませることができ、写真に対して奥行きを感じることができます。対してBは余白をとって写真を配置する②の方法が使用されています。写真の周囲にホワイトスペースがあることによって、「誌面に写真が置かれている」ことがハッキリとし、冷静に写真を観察できるようなレイアウトになっていることがわかります。このように、写真と見る人の距離感を考えながらデザインをすることで、情報を心地良く伝え、さらに内容の魅力を引き出すことができます。

 

4.今回のまとめ

今回はグラフィックデザインと写真の関係性についてご紹介させていただきました。写真とデザインの結びつきを強めることは、デザインに説得力を持たせる需要なポイントになります。写真の意図を理解し、見る人にどんな気持ちで見てほしいのかを意識しながら、心に残るビジュアルづくりを目指していきたいですね。

 

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参考書籍
なるほどデザイン