良質な議事録の書き方のコツ
新人社員がよく任される仕事の一つに「議事録作成」があります。会議に参加しても、話を理解するだけで精一杯なことが多い新人にとって、同時に議事録を取ることは大変ですよね…。
記録漏れを恐れ、内容を全て書き起こす方もいるかもしれません。私もその一人でした。まとめる際に、結局何が重要なのかわからなくなり、なくても良い情報を記載するなど、残念な議事録を作成してしまったことがあります。
「何を書けば良いのか?」「どうまとめれば良いのか?」といった具体的なノウハウを上司から教わることはあまりありません。
議事録は、文書作成の基本であり、ビジネスを加速させるうえで非常に重要な作業です。この記事では、議事録の書き方のコツをご紹介します。
議事録とは?
議事録とは、会議や打ち合わせなどで行われた議論や決定事項を記録し、後で参照できるようにまとめた文書です。議事録の主な目的は、会議で決まったことや次に取るべき行動を簡潔に整理し、関係者が共有することにあります。議事録で陥りがちなミスの一つは、会議中のすべての発言を記録してしまうことです。発言を一字一句記録することは、ビジネス会議ではあまり求められません。
ビジネスにおける議事録の主な目的は、その会議で決定された事項を明確に記録することです。議事録は、後日「それを決めたのか、決めていないのか」といったトラブルを防ぐための「証拠」であり、会議の核心を簡潔にまとめることが求められます。
まず、残念な議事録の特徴をご紹介します。
・内容がわかりにくい
・重要な情報が不足している
・無駄に長く、要点がわかりにくい
・会議の目的に沿っていない記録
・フォーマットや構成が不統一
・配布・共有が遅い
・誤字脱字が多い
次に残念な議事録にならないための、8つのコツをご紹介します。
議事録作成の8つのコツ
1. 事前準備をしっかり行う
会議の前に、どのような議題が話し合われるのかを確認し、議事録に記載する項目を予め準備しておくとスムーズに記録できます。また、会議名・日時・場所・参加者(氏名と役職、社外の場合は会社名も)・議題」などの基本項目は事前に記載しておくとさらに◎
2. 話の要点をリアルタイムで把握する
会議中に議論される内容の中で、最も重要なのは決定事項です。話の流れに惑わされず、何が決定されたのかを見極めて記録します。曖昧な発言や確認が必要な事項が出た場合は、その場で質問するか、議事録に「要確認」としてメモを残しておきます。
3.簡潔かつ明確に記録する
長々と文章にするのではなく、箇条書きでポイントを整理すると、見やすくなり、後での確認も容易です。また、議論の詳細な流れや発言者の言葉を逐一記録するのではなく、決定事項や次のアクションに直結する内容だけを簡潔に記述します。
4.TO DOリストを用意する
次回までに、誰がいつまでに行うのかを具体的に記載します。5W1Hを意識すると◎
5.早めに見直し・配布する
記憶が鮮明なうちに議事録を見直し、必要に応じて修正を加えます。会議後すぐに議事録を完成させることで、記憶の曖昧さや記録漏れを防ぐことができます。
6.フィードバックを受ける
作成した議事録を上司や同僚に確認してもらい、改善点や抜けがないかをチェックしてもらいます。これにより、次回以降の議事録作成がさらにスムーズになります。
7. 会議を録音する
会議中にリアルタイムで記録するのが難しい場合、録音を活用することで、後から重要な発言や決定事項を確認できます。特に、会議が長時間にわたる場合や、内容が複雑な場合に有効です。ただし、録音を行う際は、参加者に事前に許可を得ることが重要です。また、録音に頼りすぎるとリアルタイムでの記録力が低下する可能性があるため、補助的なツールとして活用しましょう。
8.議事録作成ツールやソフトを活用する
議事録専用ソフトやアプリ: Trello、Google Docs、OneNoteなど、リアルタイムでメモを取るためのツールや議事録専用のソフトウェアを活用すると、チーム全員で議事録を共有しながら編集でき、効率が上がります。これらのコツを意識しながら議事録を作成することで、誰でも読みやすく、後から振り返りやすい議事録を作成できるようになります。
まとめ
新人が議事録作成を任されるのには、しっかりとした理由があります。議事録作成を通じて、文書作成の基本やルールを学び、他の文書作成にも応用できるスキルが身につきます。また、議事録作成を習慣化することで、会議中に重要なポイントを捉えるスキルも磨かれます。ビジネスを加速させるためにも、質の高い議事録作成を心がけてみてください。