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名古屋で集客!販促やエリアマーケティングのコツを紹介

効果的な販促方法はターゲットとなる人の性別や世代の他に、住んでいる地域によっても異なります。地域の特徴をよく考えたマーケティングを行えば、老若男女の対象に関わらずその地域の人が興味を持ってくれる可能性が高まり、効率の良い販促効果が期待できます。この記事では、名古屋を拠点とする会社や店舗の広告担当者向けに、名古屋人の特徴や名古屋人を集客するためのコツを紹介します。

1.名古屋人の特徴
2.名古屋人を集客するには
3.エリアマーケティングの考え方
4.まとめ

 

名古屋人の特徴

名古屋の特徴として特筆すべきものは、なんといっても喫茶店文化です。名古屋では全飲食店中の喫茶店の割合が41.5%で、全国平均の24%を大きく上回っています。年間1人あたりの喫茶店代を地域別に見ると、名古屋は1万4016円で1位です。全国平均の5181円だけでなく、8039円の東京都23区にも大きく差をつけている点から、名古屋人と喫茶店が切っても切れない関係にあることがうかがえます。名古屋の喫茶店では「モーニング」と称してコーヒーのみの金額でトーストやサラダ、ゆで卵などがつきます。なかには、ビュッフェ形式の食べ放題だったり、鉄板ナポリタンが付くお店も。紹介しだしたらきりがないほど(笑)他の地域にはない独特のサービスが展開されています。

名古屋で喫茶店文化が根付いた背景や、名古屋の喫茶店が提供しているサービスの本質を考察すると、名古屋人の特徴が見えてきます。都市部の中では比較的土地代が安かった名古屋周辺では、昭和30~50年代にかけて喫茶店の開業ラッシュとなりました。その中で生き残るために、モーニングの内容を豪華にしたり雑誌やソファなどで居心地のいい空間を用意したりして、顧客の定着を図ったのです。その結果、今日の名古屋では家族揃ってモーニングを楽しんだり、そのために駐車場が埋まり渋滞が起こったりするなど、他地域とは比べ物にならないほど喫茶店が親しまれるようになりました。

そもそも名古屋では、尾張徳川家の時代から茶の湯として茶を楽しむ文化があります。名古屋は海や山、平野が揃った生産性が高い土地であるため庶民の生活にもゆとりがあり、農民も農作業の休憩に茶を点てていました。古くから茶の文化が根付いていたことも、戦後に個人の喫茶店が数多く開業された要因の一つとして挙げられています。

このような点から、名古屋人は価値の高さやサービスの充実度を重視する傾向にあることがうかがえます。また、喫茶店のコンセプトとして洗練されすぎていない、昔ながらの落ち着いた雰囲気を大切にしている安心感ある店が多いことから、考え方としては保守的な人が多いと考えられます。そのため、ビジネスを進める面でも新しいアイデアを重視するのではなく、まず人とのつながりを大切にして体制を整えるのが重要です。名古屋人は家族や友人間とのひと時だけでなく、商談の場としても喫茶店をよく利用します。そこでお客様との関係性を構築することが、名古屋でビジネスを進める第一歩です。

 

 

名古屋人を集客するには

お得なものが好きな名古屋人は、特に「おまけ」が好きな傾向があります。喫茶店が充実したモーニングで集客を図ったのも、コーヒーにおまけという付加価値やその店だけの価値を付ける発想に至ったのが始まりです。現在では名古屋の多くの喫茶店が豪華なモーニングサービスを行うようになったのも、それが評判を呼び、各店舗が取り入れ、競争が激化したからに他なりません。名古屋発の喫茶店で、現在では全国に出店しているコメダ珈琲店は、その典型です。コメダ珈琲店では現在でも名古屋式のモーニングサービスを午前11時まで全国の店舗で提供しており、その時間外でもドリンクには豆菓子などのお茶菓子がおまけでついてきます。

お得なものが好きという観点では、フリーペーパーや機関誌も効果的です。情報満載でありながら無料で受け取れるものも多いこれらの媒体も、おまけに近い存在として名古屋人に愛されています。その一例である名古屋咲楽(Sakura)やフリも(FURIMO)は、老舗のフリーペーパーです。対象地区への戸別配布とその広域への街頭設置など、多くの名古屋人が手に取っていることがわかります。これら媒体で効果的なデザインの広告を載せられれば、良い宣伝となるでしょう。

また、名古屋人の特徴として、自家用車と公共交通機関の両方を使う人が多いという点があります。一般的に都市部では公共交通機関、郊外では自家用車を移動手段とする人が多くなるため、名古屋はどちらも使える移動に便利な街といえるでしょう。多くの人が公共交通機関を使うため、駅構内のポスターや中吊りなどの交通広告も効果的です。地下鉄はその中でも特に多くの人が利用しており、名鉄名古屋駅の中央コンコースは平日約32万人が往来しています。ここで広告を出せば、多くの名古屋人の目に留まるでしょう。

名古屋人は派手なものを好む傾向にありながらも、日常やビジネスでは倹約思考が強いという特徴があります。そのため、おまけやフリーペーパーなど、手軽に受け取れるものが販促として効果的です。身近に手に入ったり繰り返し目にしたりなど、日常の中に馴染む販促を意識するとよいでしょう。

 

エリアマーケティングの考え方

エリアマーケティングとは、地域の特徴を押さえて行うマーケティング手法のことです。市町村レベルでターゲットとなるエリアを決め、その地域の土地柄や主力産業、特徴的な生活スタイルなどを考慮してマーケティングを行います。対象地域の特性を分析し、売れるための仕組みをエリアに合わせて構築することから、地域密着型マーケティングとも呼ばれています。地域の属性を考えた販促計画を立てれば対象エリアの集客を一気に狙えるため、同じエリアに同業他社がある場合は特に効果的な手法です。

エリアマーケティングの特徴は、マーケティングを行う商圏(Market Area)を定める点にあります。商圏とは、当該企業や店舗における潜在的顧客が生活する範囲です。商圏は店舗や商品の性質によって異なり、スーパーやコンビニなど身近なものの場合は小さく、反対にデパートなどでは大きくなります。また、商圏分析を行うとエリアの地域特性や世代構成などから、大まかな顧客の属性も見えてきます。地域を分析することは、そこに住む人々の具体的な特性を分析することでもあるのです。そこまで分析できれば、より効果的な販促ができるでしょう。

中古車の小売や買取を行う全国チェーンのカーセブンでは、新聞折込広告やポスティングの配布エリアを地域の顧客分析を通じて選定しています。ファミリー層の多いエリアにはミニバン、若い女性の多いエリアには軽自動車など、エリアに沿った車種の広告が出せるよう内容を最適化しています。車は家族構成や年代によって求められるものが大きく異なるうえ、高額な買い物にもなるため、広告によるアプローチが重要となる商品です。エリアマーケティングを通して地域ごとのニーズを把握しておけば、効率のよい販促につなげられます。

福島県のスパリゾートハワイアンズは、エリアマーケティングによってターゲットとしていた関東圏からの来店客数を前年比121%に増加させた成功例の代表です。関東圏のヤングファミリー層をターゲットとして分析をしたところ、その世代は新聞を読まない人も多いため、折込みチラシだけでは情報が行き届きにくいことがわかりました。そこで関東圏にエリアを絞ってweb広告を配信したことで、効率的な情報発信による来店客増加を実現させたのです。このように、エリアマーケティングによって地域やその住民の特徴を理解すれば、販促がより効果的になります。

 

名古屋人の特徴を捉えて効果的なデザインで販促しよう!

名古屋人は派手なものを好む傾向にありながらも、日常やビジネスでは倹約思考が強いという特徴があります。このエリアには「お値打ち」という方言があります。安かろう悪かろうではなく、「値段以上の価値がある」というニュアンスです。そのような「お得」を好む習慣があるため、おまけやフリーペーパーなど、手軽に受け取れるものが販促として効果的です。今居合ご紹介したコツをヒントに、身近に手に入ったり繰り返し目にしたりするものの中に効果的なデザインを組み込み、名古屋人の心を掴む販促を目指してみてはいかがでしょうか。

 

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