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ネット印刷でコストダウン|印刷入稿の基礎知識

ネット印刷を利用したことありますか? プリントパックやラクスルはTVCMでも見かけるようになり、ネット印刷が幅広く認知されるようになりました。手軽に発注できる上に価格も安いのが魅力的ですよね。しかし手軽でお得な半面、印刷の基本的な知識がないと正しく発注・納品できないことも。ここでは、販促担当者に知ってもらいたい印刷入稿の基礎知識をお伝えします。

1.ネット印刷のメリット・デメリット
2.印刷発注の基礎知識
3.入稿データの基礎知識
4.PDFでの入稿がおすすめ

 

1.ネット印刷のメリット・デメリット

手軽で安くメリットの多いネット印刷ですが、トラブルを未然に防ぐためにもデメリットも理解した上で利用しましょう。

メリット
1 価格が安い
2 納期が選べる
3 24時間いつでも発注できる
4 価格がすぐに分かる

デメリット
1 印刷会社による校正がないため、ミスがあってもそのまま印刷される
2 価格交渉ができない
3 発注部数が細かく指定できない(1050部というように刻めない)
4 入稿に不足があると納期が遅れる
5 特殊な仕様を受け付けてもらえない
6 基本的に色校正がない

 

2.印刷発注の基礎知識

発注先のネット印刷会社が決めたら、まずはサイトの使い方に慣れましょう。どの会社もサイトの左側に媒体の一覧があるので、そこから発注するのが分かりやすいかと思います。慣れるためにも「カートに入れる」までやってみましょう。発注手順は各社さまざまなので、ここでは発注に必要な情報を解説します。

①媒体

作りたい媒体を選択します。チラシ、パンフレット、ポスター、冊子…と分類され、「商品」と呼ぶ印刷会社が多いようです。

②サイズ

完成サイズを選択します。チラシやポスターは1枚なので、そのままのサイズを選択します。パンフレットや冊子は折られたサイズが仕上がりサイズです。A3を2つ折りした冊子なら仕上がりサイズは「A4」になります。

③紙質

紙の質を選択します。紙見本帳を元に選びましょう。お持ちでない場合は、各社紙見本帳を用意しているので取り寄せてみてください。以下の3種類が安価でよく使われています。

コート紙
チラシや雑誌でよく使われる紙で、表面がツルツルとしています。発色がよいため、写真を多く使う印刷物に向いています。

マットコート紙
コート紙とは逆に、しっとりとした手触りです。発色がよく光沢は抑えめなので、コート紙に比べ落ち着きのある印象です。

上質紙
コピー用紙やノートで使われるツヤのない紙で、書き込みする用途がある印刷物に適しています。発色は上の2つに比べて沈んだ色味になりますが、落ち着きや味を求める媒体であれば上質紙の風合いを活かせるはずです。

④紙厚

紙の厚さを選択します。ほとんどの紙厚は「kg」で表示されていますが、これは原紙(断裁する前の紙)を1000枚重ねたときの重さが紙厚の単位として用いられています。紙厚90kgなら、原紙1000枚の重量が90kgということです。同じ90kgでも、実際の厚さは紙質によって異なり、紙厚が厚いほど価格も上がります。以下は厚み別の一般的な用途の例です。

55kg…折込チラシ、雑誌の本紙
70kg…チラシ、冊子の本紙
90kg…チラシ、フライヤー
110kg…パンフレット、チケット、ポスター
130kg…パンフレット、会社案内
180kg…はがき、名刺

⑤色数

カラーかモノクロのどちらかを選択します。印刷は4つの色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を重ねて表現することからカラーを「4色」、モノクロを「1色」と呼ぶこともあります。チラシの場合は表裏で色数を変えることができ、モノクロのほうが費用を抑えられます。

⑥日数

納品希望日に合わせて印刷の所要日数を選択します。この所要日数のカウントは、入稿日の翌日から発送日までの日数です。入稿当日から納品日ではありませんので注意しましょう。

以上を理解したら、発注先のサイトを試しに使ってみましょう。間違いがないためにも、事前に慣れておくと安心です。

 

3.入稿データの基礎知識

校正のPDFで四隅に線があるのを見たことありますか? データを印刷に出す前に、入稿データの必要事項と役割を理解しましょう。

①トンボ

完成サイズの紙に印刷するのではなく、一回り大きい紙に印刷され、その後完成サイズに断裁されます。その断裁する目印となるのが「トンボ」です。上図の青線で断裁され、指定のサイズになります。

②塗り足し

紙の端までデザインや写真がある場合は「塗り足し」が必要です。上図黄部分のように、トンボの枠に沿って完成サイズよりも上下左右3mm大きくします。断裁機で数百枚まとめて断裁する際にわずかなズレが発生することがあります。塗り足しがないとズレによって紙の白い部分が見えるので、これを防ぐために必要です。外側3mmを余分に確保するのに対し、内側もズレによって欠けてしまう可能性があるため、内側3mm(上図ピンク部分)に文字などの情報を配置しないようにましょう。

③ページ番号・加工指示

冊子や折加工などがある場合は、正しく伝わるよう余白に指示を書きましょう。入稿データのファイル名にページ番号や表裏を表記することに加え、データにも表記するとミスを防げます。デザインを外注している場合は、デザイナーにページ番号や加工指示も載せてもらうと安心です。また、6ページ以上の冊子は紙を綴る「ノド」と呼ばれる箇所付近には注意が必要です。断裁や折加工の段階でもズレは起こりうるので、人物の顔や文字は中央に配置しないようにしましょう。

 

[冊子の注意点]
・表紙・ページ番号を明記
・右綴じ・左綴じと表紙位置が一致しているか確認
・ノド付近にデザイン要素がないか確認

[折加工の注意点]
・折りの位置と山折・谷折を明記
・巻折りやZ折りは表にくる箇所を明記

 

4.PDFでの入稿がおすすめ

今まではIllustratorデータでの入稿が主流でしたが、最近ではPDF入稿に対応する印刷会社が増えています。Illustratorデータの入稿は確認事項もトラブルも多い上に、データ容量も重いため時間がかかっていました。PDF入稿ならデータチェックが簡単で、Illustratorデータに比べて容量も軽いので、アップデートの時間も圧倒的に節約できオススメです。入稿用のPDF設定は各社の入稿方法をご確認ください。

[PDF入稿対応のおすすめネット印刷会社]
●プリントパック https://www.printpac.co.jp/
とにかく安い。短納期にも対応しています。日中は電話がつながりにくいのでご注意。

●graphic https://www.graphic.jp/
比較的安く、品質が高いのが魅力です。紙質を多く取り揃えています。サイトにない仕様は問い合わせれば見積もり・発注が可能です。

●WAVE https://www.wave-inc.co.jp/
品質が高く安定しています。サイトも使いやすく、問い合わせの電話にも丁寧に対応してくれるので、初めてネット印刷を利用する人にもおすすめです。

ネット印刷はコストダウンの強い味方です。メリット・デメリットを理解して、上手く活用してみてください。販促デザインを得意とするスズキモダンは、デザインはもちろん、印刷に関する知識も豊富です。印刷やデザインに関することはぜひ弊社にご相談ください。

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