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伝える力|プレゼンで陥りやすい3つの病気と治療法

みなさんは「プレゼン」得意ですか?私は大の苦手です。芸大生時代、講評会といういわゆるプレゼンの時から、それはもう大嫌いでした。大勢の人の前に出ると頭が真っ白になってしまう、あの独特の緊張感。社会人になってからも何度かプレゼンを経験しましたが、一生慣れることは無いだろうな、なんて思います。「この内容、ちゃんと伝わってる?」「ていうか、みんな話聞いてる?」「もしかして寝てる?」などなど、プレゼンに集中したいのに、最中に相手の顔色ばかり伺ってしまう…そんな経験はありませんか?病気シリーズ第二弾、今回は「プレゼンテーションで陥りやすい3つの病気とその治療法」をご紹介します。

第一弾 「販促企画立案|企画立案で陥りやすい3つの病気と治療法」

1. ベラベラ話しすぎ病
2. カッコつけ病
3. モジモジ病・能面病
4. プレゼンのゴールは「相手を動かすこと」

1.ベラベラ話しすぎ病

長々ととにかくたくさんしゃべってしまう病気です。プレゼンは、打ち合わせなどと違い、相手はいますが、対話ではありません。こちらから一方的に情報を伝達するため、自分が話すのを止めれば当然沈黙が生まれます。「とにかく何か話さないと!」と、沈黙を恐れるあまり、商品の特徴の紹介はもちろんですが、余談で笑いを取ろうとしてみたり、リサーチに半年の時間を費やしました…というような頑張りエピソードを話してみたりと、人前で話すことが得意な人ほど発症しやすい病気です。この患者のプレゼンは、その場では一見成立しているように見えます。しかし、プレゼンの聞き手は「はい…はい…なるほど。理解しました。…それで?」のように、結局何が一番伝えたかったのか、肝心のプレゼンの目的が印象に残りません

治療法:「1分で結論を話す」特訓をする

そもそもプレゼンの目的とは、“相手にどう動いてほしいのかを伝えること”です。よく勘違いされますが、例えば、商品化したい商材をプレゼンする際「この商品はこんなところが優れています」というように、“この商品はこんなものです”を伝えることに重きを置いてしまいがちですが、本当に言いたいことは、「この商品は売れます。だからやりましょう」ということですよね。それをプレゼンの冒頭1分で言う特訓をしましょう。
そのためにまず前提として、人は相手の話の80%は聞いていない、と思ってください。「いやいや、私はちゃんと話を聞いてますよ」という方もいるかもしれませんが、どんなに相手が好意的に話を聞いてくれていたとしても、自分が伝えたかったことの半分も伝わらない、と思ってプレゼンを行ってください。8割の話を聞いておらず、理解もしてくれない、という前提で少しでも相手に印象を残すプレゼンの構成、それが「1分で結論を話す」です。1分で伝わらない話は結局何時間かけようとも伝わらない、と思って話を組み立てましょう。

 

. カッコつけ

別名、「カタカナ病」です。それっぽい“横文字”を多用してしまう病気です。WEB業界など、専門的な業界で多く見られる病気です。
たとえば、

 【A】「今後の方向性についてはクライアントにコンセンサスを取り、慎重に進めたく、一旦ペンディングにさせてください」

 【B】「今後の方向性はお客様にも同意を得てから慎重に進めたいので、一度保留にさせてください」

これは極端な例ですが、【A】と【B】なら後者の方が意味がスッと入ってきますよね。
もともと日本語は外来語を取り入れやすい言語と言われていますが、「かっこいいから」とむやみに横文字を多用することはプレゼンでは避けましょう。協力会社や社内など、カタカナ語で表現した方が手っ取り早く意味が伝わる、という場合に使用する分には構いませんが、プレゼンの場合、聞き手の「カタカナ語レベル」が一人一人違うことが考えられます。カタカナ語レベルが違うと、聞き手側はカタカナ語をいちいち脳内で翻訳して聞き取らなければならず、「コンセンサス…?どんな意味だったっけ」と考えている間にもプレゼンは進んでしまうため、「あれ?もう別の話になってるぞ」と聞き手が迷子になってしまうことが多々あります。

治療法:中学生でもわかる言葉しか使わない

プレゼンでは、カタカナでしか表現しようがない言葉以外は極力、中学生でもわかるレベルの言葉のみで構成しましょう。【A】と【B】の例文で伝えたいことは「今後の方向性は保留にしたい」ということであって、「コンセンサスの意味について」ではないですよね。肝心の“伝えたいこと”以外を相手に思考させてはいけません。また、「カタカナ語」だけでなく、社内や業界で当たり前に使っている言葉が実は一般的でないことも考えられます。プレゼンの本番までに、一度業界に関係のない第三者に向けて模擬プレゼンを行い、意味がわからない言葉はなかったか確認してみても良いでしょう。聞き手が迷子にならないよう、相手が確実に理解できるやさしい言葉を選ぶことが大切です。

 

. モジモジ病・能面病

日本は、人前で何かをする機会が諸外国と比べ幼少期からとても少なく、自己表現が苦手な人が多いといわれています。近年は学校教育でもプレゼンテーションを取り入れようとする動きもあるようですが、まだまだ機会が多いとは言えません。そんな環境で育った結果、自信なさげに、恥ずかしそうにモジモジしたり、ボソボソと俯きながら話す「モジモジ病」や、抑揚の無い淡々とした口調で、能面のように無表情でプレゼンを行う「能面病」になっている人が多く見られます。いくらプレゼンの内容や資料が素晴らしくとも、話し手が「モジモジ病」や「能面病」になっていると、聞き手は「本当に大丈夫なのか?」と途端に不安な気持ちになってしまいます。

治療法:大ゲサくらいの熱量で、役を演じるように話す

そうは言っても、海外のドラマでよく見る欧米のビジネスパーソンが行うようなドラマチックなプレゼンは、日本人がやってもサムイだけ…と思ってしまっている人も多いのではないでしょうか。
ですが、こんな経験はありませんか?友人が何か(韓国ドラマやアーティストなど)にドハマりして、それについて熱く語り、「このドラマ、見てみてよ!」や「来月このアーティストのライブがあるんだけど、一緒に行ってみない?今オススメの曲のリストLINEに送ったから聞いてみてよ、youtubeにあるから!」というように、キラキラとした表情で、かつ身振り手振りを交えておすすめされたとします。想像してみてください。「そこまで言うなら試しに聞いてみようかな…」となりませんか?この友人の行為が、“理想的なプレゼンの立ち振る舞い”であると考えます。あなたは友人の熱量に感化され、ドラマを見てみるかもしれません。またそのアーティストのライブに行くことで自分もファンになるかもしれません。そうなれば、この友人はあなたに行動を起こさせたことになります。つまり、プレゼンにおいて、“話し手の熱量”はとても重要ということです。人に何かを主張し、理解してもらい、さらに人を動かすためには、そのための「立ち方」「表情」「視線」「発声の仕方」「口調」「身振り手振り」など、聞き手に主張が一番刺さるよう立ち振る舞いを表現すべきなのです。
とはいえ、この「モジモジ病」「能面病」には、なかなか一朝一夕で効く薬がありません。模擬プレゼンの回数をこなし、徐々に治療していきましょう。

 

.  プレゼンのゴールは「相手を動かすこと」

いかがでしたか?発症したことのある、もしくは発症している「病気」があったのではないでしょうか。冒頭でも言ったように、そもそもプレゼンの目的とは、“相手にどう動いてほしいのかを伝えること”です。そのためには、

・一番主張したいこと=結論を、1分で話す
・中学生でも理解できる言葉で簡単かつ簡潔に
・話し手の熱量が伝わるような立ち振る舞いで聞き手の心をつかむ

この3つがとても大切です。この3つをおさえたプレゼンを目指し、「伝える力」を磨きましょう。

治療法の参考にしたおすすめの本をご紹介します。起業家からビジネスパーソンまで年間300人以上のプレゼンを指導した著者が、プレゼンに限らず、人前に立って話をする、指示をする、伝える、ということが苦手な方に向け、「相手を動かす伝え方」を紹介したビジネス書です。

■ 1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術(伊藤 羊一 著)
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