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販促企画立案|企画立案で陥りやすい3つの病気と治療法

先日、「グランプリなし」と発表された「第13回販促コンペ」。審査委員長からは、「過去の受賞者が活躍するなか、ここでグランプリのハードルを下げたくない。大きな変化の中にある今だからこそ、「販促コンペ」では、新たなコマースや販促の形が出てくる場であってほしい(一部抜粋)」とのコメントがありました。このコロナ禍の時期だからこその企画を考えていかなければいけない、ということですね。
しかし、企画を立案するのは、本当に難しいですよね。私自身、今回の販促コンペでは随分頭を悩ませました。皆さんも、企画を立てる際、「この企画でいいかな?」「これ本当におもしろいかな?」というように、悩んだ経験があるのではないでしょうか?
今回は、そんな企画立案で陥りやすい悩みを3つの「病気」と称し、またその治療法をご紹介します。

1.  何がおもしろい企画かわからない病
2. 寝る間も惜しんで考えちゃう病
3.  オリジナル信仰病
4.  まとめ

1.何がおもしろい企画かわからない病

別名、「アイディア出しまくり病」です。クライアントを喜ばせるため、アイディアをとにかくたくさん考えて、「この中から好きなものを選んでください」的な企画の仕方をしてしまい、自分のイチオシとは異なる企画が選ばれたりすることで、どんどん「何が面白くて何が面白くないのかわからない」となってしまう病気です。判断の基準が他人にあるというのは、自分の中に正解が無いということ。自分の中に正解が無いと、「このパターンが選ばれるかも」「あの人なら、あのパターンの方がいいかも」と、ただ闇雲に選択肢を増やしてしまうことになります。

治療法:他人の企画で、客観視する目を鍛える

たとえば、世の中にある広告の長所と短所を見つけてみてください。とあるクリエイティブディレクターはこれを「広告警察」と呼んでいましたが、その広告を見た際に、「これでは売れないな」と感じたら、それがなぜなのか考えます。それは「コピーが商品の特徴を捉えていないから」かもしれないし、「この商品のイメージとタレントが合っていないから」かもしれません。そう思ったら、次は「自分だったらこんなコピーでこんなタレントを起用する」や、「そもそもタレントは使わずアニメーションで」など、自分がこの仕事を依頼されたらこんな表現にする、というように思考してみましょう。他人の企画は長所も短所もよく見えませんか?それは冷静に、客観的に表現を見れているからです。同じように、自分の企画も冷静に見ることができれば、この病気は治ります。

 

. 寝る間も惜しんで考えちゃう病

そのままですが、徹夜してでもとにかく長時間企画を考えてしまう病気です。よくアイディアが「降りてくる」と言いますが、その「降りてくる」ためには条件があるようです。「アイディアがまだ降りてこないからもうちょっと頑張ってみよう」とひたすら思考してしまう人も多いのでは無いでしょうか?実はそれは逆効果なのです。

治療法:脳を休ませ、リラックスさせる

これは脳の研究が進むにつれて分かってきたことですが、脳がクリエイティブな思考をするために適した状態は「リラックス」している時、とのこと。十分に睡眠を取った翌朝、コーヒーを飲んでいる時、お風呂に入っている時、ベッドに入った時、など突然良いアイディアが浮んだ経験はありませんか?脳の働きの特徴として、「目先のことを優先的に考える」というのがあります。それは「今晩何食べよう?」のように目下の課題の方が生物の生存にとって大切なので、脳の力はまずそちらに注がれてしまいます。だから睡眠不足の時、いくら企画を考えたくても眠ることしか考えられなくなってしまうのです。そのため、十分な睡眠と休息を取り、脳に余裕を持たせてあげることで良いアイディアが浮かぶのだとか。そんな脳の仕組みから、世界のトップクリエイター達は、「努力してでもよく寝る」ようにしているのだそうです。

 

. オリジナル信仰病

「新発想」とか「新規性」に囚われすぎる病気です。もちろん、「誰もやったことのないこと」は魅力的ですよね。しかし、オリジナリティこそが良い企画だと思うあまり、企画脳が凝り固まってしまう危険性があります。「新しさ」だけに目を向けていては、誰の心にも響かないものになりかねません。映画監督ジム・ジャームッシュ氏の、「オリジナリティなどこの世に存在しない」という言葉があるように、この世に存在するものは、何かしらの影響を受けているものも多いのです。

治療法:いっそ良いものはどんどん盗んでみる

「コピーライターの神様」といわれる仲畑貴志氏は、とあるトークショーで「世の中でウケてるやつ見たらいいじゃない」と、仰っていましたが、それはそのまま真似をするのではなく、世の中で売れているものを見て、リサーチすることで、何が受け入れられるかわかるでしょ。ということです。すでに世の中にあるものの中からエッセンスをもらい、発想を飛躍させたりすることで、逆に新しい企画を生み出すことができるかもしれません。

 

.  まとめ

いかがでしたか?発症したことのある「病気」があったのではないでしょうか。企画を立案するのは本当に難しいことですよね。ですが、同じくらい面白いことのはずです。企画の立案者自身が、「やってみたい!楽しそう!面白そう!」と思える企画であることが大切なのです。なかなか良い企画が思いつかないとついつい気持ちが落ち込んでしまい、「病気」にかかってしまうことがありますが、一旦、たっぷり睡眠を取り、脳を休めてみましょう。一息ついた時にこそアイディアが降りてくるものです。

「もう少し具体例が欲しい」と思った方におすすめの本をご紹介します。コピーライター講座の講師である著者が、生徒に「何が面白いのかわからない」と言われ、実体験を振り返りながら「面白いとは何か」の答えにたどり着くまでをつづったエッセイ風ビジネス書です。

■ 面白いって何なんすか!?問題――センスは「考え方」より「選び方」で身につく(井村 光明 著)
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