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販促企画立案|企画立案で陥りやすい3つの病気と治療法

先月初旬、「第17回販促コンペ」の応募が締め切られました。弊社でも毎年チームを組んで挑戦していますが、企画を立てるのはやはり一筋縄ではいきません。
私自身、今回も頭を抱える日々でした。
「この企画でいいのか?」「果たして面白いと言ってもらえるのか?」——そんな不安に駆られた経験、皆さんにもきっとあるのではないでしょうか。
今回は、企画立案で陥りがちな“3つの病気”と、その処方箋をご紹介します。

1.  何がおもしろい企画かわからない病
2.  寝る間も惜しんで考えちゃう病
3.  オリジナル信仰病
4.  まとめ

1.何がおもしろい企画かわからない病

別名、「アイディア出しまくり病」です。クライアントを喜ばせようと、アイディアをとにかくたくさん考え、「この中から好きなものを選んでください」という企画の進め方をしてしまうことがあります。
すると、自分のイチオシとは別の企画が選ばれたりして、「何が面白くて何が面白くないのかわからない」と迷走してしまうのです。
判断の基準を他人に委ねる状態は、自分の中に正解が無いということ。そうなると、「このパターンが選ばれるかも」「あの人なら、あの案がいいかも」と、ただ闇雲に選択肢を増やしてしまいがちです。

治療法:他人の企画を客観的に観察する

たとえば世の中の広告を見て、その長所や短所を探してみましょう。
あるクリエイティブディレクターは、これを「広告警察」と呼んでいました。
「この広告では売れない」と感じたら、なぜそう思うのかを分析します。
「コピーが商品の特徴を捉えていないから」かもしれませんし、「商品のイメージとタレントが合っていないから」かもしれません。
次に「自分ならこうする」と代案を考えてみるのがおすすめです。
他人の企画は客観的に見やすいもの。同じ視点で自分の企画も見られるようになれば、この病気は治ります。

 

. 寝る間も惜しんで考えちゃう病

その名の通り、徹夜してでも長時間企画を練り続けてしまう病気です。
よくアイディアが「降りてくる」と言いますが、その「降りてくる」ためには条件があるようです。「アイディアがまだ降りてこないから、もう少し頑張ろう」と思い詰めてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、実はそれが逆効果なのです。

治療法:脳を休めてリラックスさせる

脳科学の研究で、脳がクリエイティブな思考をするためには「リラックス状態」が大事だとわかっています。
十分な睡眠を取った翌朝、コーヒーを飲んでいる時、お風呂に入っている時、ベッドに入った時など、ふとした瞬間に良いアイディアが浮かんだ経験はありませんか?
脳は「目先のことを優先する」習性があり、眠気や空腹といった生存に直結する課題に集中してしまいます。
だから睡眠不足では、いくら企画を考えたくても脳は休息を求めてしまうのです。
世界のトップクリエイターたちも、「努力してでもよく寝る」ことを大切にしているそうです。
まずはしっかり眠り、脳に余白を作ること。それが良いアイディアを生む近道です。

 

. オリジナル信仰病

「誰もやったことのない新しいことをやりたい」と思うあまり、発想が凝り固まってしまう病気です。
もちろんオリジナリティは魅力的ですが、「新しさ」だけにとらわれすぎると、誰の心にも響かない企画になりかねません。
映画監督ジム・ジャームッシュ氏は「オリジナリティなどこの世に存在しない」と語っています。
実際、この世のほとんどのものは、何かしら過去の影響を受けています。

治療法:良いものは遠慮なく参考にする

「コピーライターの神様」と呼ばれる仲畑貴志氏は、あるトークショーでこう語っていました。
「世の中でウケてるやつを見たらいいじゃない。」
これは単に真似をするという意味ではありません。
世の中でヒットしているものを研究することで、どんな表現が受け入れられるのかが見えてきます。
既存のものからヒントをもらい、アイディアを飛躍させることで、むしろ新しい企画が生まれることもあるのです。

 

.  まとめ

いかがでしたか?
発症したことのある「病気」があったのではないでしょうか。
企画立案は本当に難しい作業です。しかし同時に、とても面白い仕事でもあります。
大切なのは、企画を考える本人が「やってみたい!楽しそう!面白そう!」と思えるかどうかです。うまくいかず落ち込んでしまう時もありますが、まずはしっかり眠り、脳を休ませてみてください。一息ついたときこそ、アイディアはふと降りてくるものです。

「もう少し具体例が欲しい」と思った方におすすめの本をご紹介します。コピーライター講座の講師である著者が、生徒に「何が面白いのかわからない」と言われ、実体験を振り返りながら「面白いとは何か」の答えにたどり着くまでをつづったエッセイ風ビジネス書です。

■ 面白いって何なんすか!?問題――センスは「考え方」より「選び方」で身につく(井村 光明 著)
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