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販促効果測定とは?|代表的な指標・具体的な測定方法などを解説

販促効果測定とは、広告デザインの変更などの施策に対する成果を、定量的に集計して分析することです。販促効果の測定は、自社の課題や問題点を発見し、販促方法や広告を改善するために必要です。この記事では、販促効果測定の概要や代表的な指標、アンケート・QRコードなどの効果の具体的な測定方法を解説します。自社施策に役立てるために、販促効果測定の基礎知識を知っておきましょう。

 

目次
1.効果測定とは
2.測定方法
4.まとめ

 

1.効果測定とは

精度の高い販促効果測定を行うには、効果測定とはどのようなものか理解しておくことが重要です。正しい効果測定を継続することで、チラシや広告、Webサイトなどの内容を改善し、成果を高めていけます。ここでは、効果測定の概要と代表的な指標について解説します。

◼効果測定は施策に対する成果を定量的に分析すること
販促に対する効果測定は、例えばチラシやDMの配布などに対する来客数や売上の増加などを分析することです。効果測定で重要な点は、主観や経験による判断を極力なくし、客観的な指標で分析することです。例えば、特定のエリアにクーポン券付きのチラシを配布した場合、受け取ったクーポン券から、いつ、どこに配ったチラシに対する効果なのか測定できる識別情報を付けます。また、DMではターゲット層ごとに誘導するWebサイトのURLを変更することもあります。いずれにしても、統計的に信頼できる判断を得るためには、ある程度のサンプル数が必要です。そのため、収集できるデータ量に応じて効果測定の期間を決めましょう。

◼販促効果測定の目的
販促効果測定の対象は、自社の目的によって変わります。例えば、集客率向上が目的なら、配ったチラシに対して来店してくれた人の数を数えます。また、リピート率向上が目的なら、リピーターに配布するDMに優待券を入れるなどして、その利用率を調べるでしょう。このように、効果測定に使われるデータは、基本的に目標とする成果に関係するデータです。そのため、効果測定を実施する前には、まず目的を明確にしなければなりません。

◼販促効果測定の基準は2つある
販促効果測定の基準は、コミュニケーション効果と売上効果に大きく分けられます。コミュニケーション効果とは、販促に対して望ましいアクションを見込み客が起こすことです。例えば、ポスターに印刷したQRコードから自社のWebサイトにアクセスすることや、DMに反応して問い合わせの電話を入れるなどです。また、売上効果とは販促活動が購入・契約に至ることを指します。例えば、デザイン性の高いパンフレットがきっかけになって購入に至れば、売上効果があったとみなして集計します。この考え方は、アメリカの著名な経営学者フィリップ・コトラーによって提唱された効果測定の方法です。

◼販促効果測定によく使われる指標
販促効果測定によく使われる指標の一例を以下に示します。先にも紹介したように、目的によって注目する指標は変わります。また、オフライン施策なのかオンライン施策なのかなどの販促方法によっても、収集・分析できる指標が異なることに注意しましょう。

 

反応率:販促によって反応した人の割合のこと。計算式は「反応率(%)=反応数÷販促数×100」。

例えばチラシの場合、「反応率=チラシを見て来店した人の数÷チラシ配布数×100」になる

クリック率:Web広告を見た人のうち、広告をクリックした人の割合

コンバージョン率:広告やDMなどを見た人のうち、購入・資料請求などの具体的な成果に結びついた割合

売上:チラシや広告を出した日の売上など

 

反応率やクリック率はコミュニケーション効果に相当します。コンバージョン率はコミュニケーション効果または売上効果になり、売上は売上効果です。一般的に、コミュニケーション効果よりも売上効果のほうが、さまざまな要因が関係するため、効果測定が難しくなります。

 

 

2.測定方法

◼クーポン券・割引券に識別情報を追加する
クーポン券や割引券の配布先や配布時期によって、色やデザインを変えたり識別コードを入れたりすることで、後から効果測定ができます。この方法のメリットは、チラシやDMなどの販促に対する成果を正確に判断できることです。何度も施策を実施すれば、来客者や売上にどれぐらいの影響が出るのか、事前にシミュレーションできることもあるでしょう。このような施策は、従来、紙媒体のチラシやDMではコストがかかるものでした。しかし、現在はデジタル印刷機やインクジェットプリンターの進歩によって、ロット数が少ない場合でもコストは下がってきています。

◼QRコード・URL
クーポン券や割引券を実店舗で集計することがスタッフの負担になるなら、QRコードやURLを変える方法もあります。この方法なら、見込み客は一度WebサイトやLINEなどのアプリにアクセスするため、集計の自動化ができます。ただし、アクセス解析ツールやSNSのプラットフォームのレポート機能などについての知識が必要です。なお、高額商品で問い合わせ件数が少ないと予想される場合は、専用の電話番号を割り当てている企業もあります。広告に掲載された電話番号宛てに連絡があれば、販促に対する効果として測定できます。

◼ABテストを実施する
ABテストとは、内容の一部を変えた2パターン以上の広告を作り、成果を比較する手法です。例えば、キャッチコピーや色使いなどを変えた2種類のチラシを作って2つのエリアに同時に配布し、効果測定を行います。成果が出たほうの広告のバージョンを採用すれば、広告をブラッシュアップできるというわけです。また、仮に失敗したとしても、全面的に広告をリニューアルしたときより、被害を少なくできます。

この効果測定の方法は、パターンの差し替えが容易なWeb広告やSNS広告でよく用いられている方法です。その理由は、どちらの広告に反応したのか集計したり、配信先を分割したりすることが容易だからです。しかし、ポスターやDMにおいても、QRコードやURLを変えることで、同じように効果測定ができます。

ABテストを実施する場合は、変更点を1~2点程度に絞りましょう。そうしないと、何が成果につながったのか分析できなくなってしまいます。また、消費者心理に立った内容を意識することも重要です。自社がアピールしたいことと消費者のニーズは必ずしも一致するとは限りません。思うような効果が出ていないなら、訴求ポイントを変えてみることも大切です。この際、マーケティングのポイントを押さえた根拠のあるデザインを提供できる業者に相談してみるのもよいでしょう。現在の広告デザインに的確な修正を加えてもらうことで、効率的にABテストを実施できるケースがあります。

 

 

3.今回のまとめ_販促効果測定を実施して販促方法や広告デザインを改善しよう

販促効果測定とは、目的に応じて定量的な指標で効果を集計・分析することです。そのため、目的によって効果測定で注目するデータは変わり、測定方法も異なります。顧客へのヒアリングやWebアクセスの集計など、さまざまな測定方法があるので、自社に合った方法を選びましょう。測定結果を広告に反映する際には、マーケティングのポイントを的確に反映したデザインにすることが重要です。