企業に求められるサステナビリティとは?|事例

近年、世界的にサステナブルな社会を目指す動きが強くなり、企業にもサステナブルな取り組みが求められています。今回は、企業に求められるサステナビリティとは何か、事例を交えてご紹介します。
サスティナブルとは
企業に求められるサステナビリティとは
企業の取り組み事例
まとめ
サステナブルとは
すでにご存知の方も多いと思いますが、「サステナブル」とは、日本語で「持続可能」という意味を持ちます。地球の環境を大切にし、自分の子どもの、そのまた子どもも、ずっとこの地球で生きていける社会を実現していこう、という取り組みのことをいいます。近年では、企業や多くの団体においてもサステナビリティは注目されており、地球環境の保護に対する取り組みや、社会貢献活動なども当てはまります。
企業に求められるサステナビリティとは
企業に求められるサステナビリティとして、特に重要な3つをご紹介します。
環境に配慮した商品・サービスの開発
資源は有限であるということから、「持続可能」な商品を開発すること。またサステナブル商品の開発は、新たな層の消費者を取り込むことにもつながります。
ワークライフバランスの取れた働き方であること
社員の健康のために、長時間の労働を抑制し、私生活との調和が取れる環境を整えること。従業員の満足度の向上や、業務の効率UPにもつながります。
環境保護・社会貢献を推進する
環境保護や社会貢献を推進することは、企業のイメージアップにつながるだけでなく、サステナブルな活動から新たなビジネスが生まれ、事業拡大の可能性もあります。
日本の企業の取り組み事例
それでは、企業のサステナブルな取り組みの事例を見てみましょう。
SONY 「ソニーが紙を開発」
日本の大手電機メーカー「SONY」は 環境に配慮したサステナブルな「紙」を開発。この紙は、竹、サトウキビ、回収したリサイクルペーパーから作られており、耐久性や強度が高く、リサイクル可能な紙素材で、プラスチックは一切使用されていません。原料の竹は短期間で成長する植物であり、必要な分のみを選定して伐採するため、持続可能な育成サイクルで環境への影響を最小限にしています。また、サトウキビも砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使用。SONYはこの素材をヘッドホンなどのパッケージに採用しています。
資生堂 BAUM 「家具ブランドの端材をパッケージに」
資生堂から生まれたスキンケアブランド「BAUM」は“樹木との共生”をテーマに掲げ、商品パッケージの木材は、木製家具メーカーのカリモク家具株式会社とのコラボレーションにより、家具の製造工程で発生した小さい木材を再生利用しています。他にも、プラスチックは植物由来のバイオPET素材を使用したり、ガラス容器はリサイクルガラスを採用したりと、サステナブル素材を使用することを徹底しています。また、BAUMの商品はユニセックスであり、年齢、性別を問わず使用できる点もサステナブルなブランドであるといえます。
象印 「ペットボトルゼロカンパニー」
マホービンで知られる象印は、国内のペットボトル使用量が年間200億本であることを問題視し、マイボトルの使用を促進するキャンペーン「MY BOTTLE IS A BATON」を実施。“ペットボトルゼロカンパニー”として、2019年より社内のペットボトル使用を全面的に禁止。社内の自販機からもペットボトル飲料を撤廃し、代わりに給水器が設置されています。また社外の取り組みとして、国内最大級の音楽フェスである「FUJI ROCK FESTIVAL」に協賛し、会場で無料給茶スポットを設置。マイボトルの啓蒙活動を行っています。
UNIQLO 「全商品をリサイクル、リユースする」
服から服へのリサイクルを目指し、ユニクロは全商品をリサイクルする取り組み「RE.UNIQLO」を実施。その第一歩として、世界中でクローゼットに眠るユニクロのダウン商品を回収し、最新のアイテムに作り変える「ダウンリサイクル」や、水の使用量を従来に比べ最大99%削減した、よりサステナブルなジーンズを作る取り組みなどを行なっています。
花王 「ボトルに100%リサイクルPETを使用」
花王株式会社は、環境保護活動、教育支援、地域社会への貢献、従業員参加型の活動、芸術支援、子ども向けの国際環境絵画コンテストなど、多岐にわたるコーポレートシチズンシップ活動を展開しています。また、製品の開発から廃棄までの各段階において、環境に配慮した活動を行っています。特に、洗剤ブランド「アタックZERO」や「キュキュット」のボトルに100%リサイクルPETを使用するなど、家庭用品とパーソナルケア製品のパッケージングにおいてリサイクル素材の利用を進めています。
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2021/20210317-002/
ネスレ日本株式会社「紙パッケージで872トンのプラスチックを削減」
ネスレ日本株式会社は、2019年から主力商品である「キットカット」の外装パッケージを、従来のプラスチックから紙素材に変更する取り組みを始めました。
これにより、2024年までに累積で約872トンのプラスチックを削減したそうです。
さらに、紙パッケージには折り紙として遊べる工夫が施されており、食べた後も楽しめる仕様となっています。これは、ただの素材変更にとどまらず、ユーザー参加型のサステナブルな体験を提供するものとなっており、環境への配慮とブランド価値向上を両立しています。
https://www.nestle.co.jp/csv/impact/waste-reduction/packaging-strategy
amu株式会社「廃漁網由来のマテリアルの開発」
Amu株式会社は、宮城県気仙沼市を拠点に、漁具の再資源化を中心とした事業を行う会社です。
この企業では、全国の漁港から廃漁具を買取・回収し、それらをアパレル製品の生地や糸、プラスチック製品用のペレット、建築現場で使われるタイルなど、さまざまな製品へと再資源化しています。
現在、年間800万トンのプラスチックゴミが海洋に流出しており、同社の取り組みはその深刻な環境問題の解決に貢献しています。また、大量の廃漁具の処分に困っている漁師の方々にとっても、持続可能な解決策となっています。
まとめ
自らの利益を追求する企業と、地球環境と社会全体の幸福を追求するサステナブルは一見相反するものとして考えられます。両立なんてできるの?そう思うかもしれません。しかし、世界中で環境破壊による問題は深刻化しており、これまで搾取し続けてきた資源が有限であることはもう目を背けられない事実です。逆に言えば、サステナブルな企業でないともう生き残れない、ということです。そして、そんなサステナブルな企業の商品を人々が生活に取り入れることで、理想とする社会に一歩ずつ近づいていくのではないでしょうか。