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ブランディングに欠かせない「トンマナ」って?

会社向けの販促物を制作したり、ブランディングを検討している際に、「トンマナ」について気を遣ったことはありますか?デザインを依頼する際、頭の中で自分の好みだけを考えて、デザインテイストを希望してしまったことがあるという方もいるのではないでしょうか。しかし、好みだけを尊重してデザインをしてしまい、自社のブランドと出来上がったデザインのイメージがちぐはぐだと、狙っていたターゲット層に刺さらなかったり、自社ブランドの立ち位置が曖昧になってしまったりと良いことがありません。そこで、デザインを作っていく上では「トンマナ」を意識することが必要不可欠です。今回はポイントを押さえるだけで簡単に「トンマナ」を統一させる方法をご紹介していきます。  

 1.「トンマナ」とは
 2.「トンマナ」のここを意識しよう
 3.「トンマナ」を意識することによって得られるメリット
 4.まとめ

1.「トンマナ」とは

「トンマナ」とは「トーン&マナー」を略した呼び方です。「トーン」は調子や色調、「マナー」には様式や作風という意味があります。トンマナとは色調や様式、つまりデザインやスタイルなどに一貫性をもたせるルールを指します。これらを正しく設定してコンテンツを制作することで、商品やサービス・企業ブランド価値を高める効果があります。

2.「トンマナ」のここを意識しよう

トンマナは大きく分けて 「色」「フォント」「レイアウト」 の3つに分類できるといえます。この中で一番手っ取り早くトンマナを取り入れることができるのは「色」です。色は人間にイメージを強く与え、目にも飛び込みやすいので、ユーザーの印象をいち早く決定づける項目です。例えばコーポレートカラーを設定している企業などは、制作物にその色をふんだんに使用するだけでブランドイメージを強く訴求することができます。
色が与える影響について記載したコラムもございますので、ぜひ併せてご覧ください。

参考コラム:売れる色|カラーマーケティングとは
https://s-modern.com/column/1812/

 

次に、「フォント」もトンマナを語るうえで欠かせない項目となります。この世には明朝体・ゴシック体・丸みを帯びたポップ体やペンや筆で書いた手書き文字など、たくさんの種類のフォントが存在しています。デザインを作る上で、どのフォントを使うかで制作物の印象はガラリと変わります。分かりやすい例を挙げると、和菓子屋さんのロゴに下記の2種類のロゴが使用されていたらどちらが違和感なく受け入れられるでしょうか?

大多数の方が、明朝体を使用している右の方が和菓子屋さんのイメージに合っていると感じたことでしょう。イメージに合ったフォントを使用することは、トンマナを語る上でとても重要となってきます。ただ、先ほどの和菓子のイレギュラーな例として、最近では和とモダンを融合してブランディングしている企業も多くなっている傾向にあるので、一概に和=明朝体と使用すればいいというわけでもありません。大切なのは、自分たちの作りたいものは何かと立ち返り、沿ったフォントはどれか考えて選定することです。また、文字に関しては行間や字間、大きさなどでも印象が変わってきます。ものを売る際に安く物を買ってほしいことを訴求したい場合は下図の左のような袋文字を使用してインパクトを与えて大きく配置して目立たせることが重要になってきますし、高級感を出して特定のターゲットに絞り訴求したい場合は、下図の右のように少し文字間を空けたり、スッキリとした印象のフォントを使用することで簡単に伝えたいイメージを演出することができます。

最後は「レイアウト」。特にレイアウトでは余白を意識することが重要となってきます。ポップなイメージを植え付けたり、安さの訴求をする広告はたくさんの要素を詰め込んだり、スタイリッシュな印象を与えたい場合は余白を多めに取ったりと、与えられた紙面の中でいかに余白を作るかでも印象は左右されます。とはいえ、文字や画像がぎっしり詰められすぎたデザインや無駄に余白の多いデザインは見づらいので、情報を精査し、コンテンツの内容がしっかり伝えるためにユーザーに訴求したい情報が目に入りやすいよう“やりすぎ“には注意しましょう。さらに細分化すると、「言葉まわり」もトンマナに関わってきます。例えば使用してはいけない表現を設けたり、文末を敬体にするか常体にするかなど設定することで制作物のイメージや世界観をさらに強めていく材料になるでしょう。

このように、デザインの“ルール決め“をし、意識して制作するだけで簡単に「トンマナ」を整えることが可能です。

3.「トンマナ」を意識することによって得られるメリット

「トンマナ」をしっかり設定することで、制作側にも受け手側にもたくさんのメリットが発生します。

制作側のメリット
デザインを発注する際に何もイメージを伝えていないと、デザイナーは探り探りデザインを作っていかなければならず、イメージと違ったものが上がってきて、双方のやりとりの回数が増えたり、無駄な作業が発生するなど良いことはひとつもありません。あらかじめトンマナを決めておくことで、ターゲット層が明確になったり、企業の表現したい世界観がイメージしやすくなりデザインの道筋も見え、時間やコスト面において軽減することが期待できるでしょう。

受け手側のメリット
トンマナを設定することで、いざ取りかかろうとなるとなかなか難しいブランディングが手っ取り早く可能で、共通のイメージを浸透させやすくなります。ユーザー目線で見ても、トンマナが守られていることで、どこの企業のものか明確にわかり、そこにデザインされている情報を違和感なく受け入れることができるのです。トンマナを設定することで双方にメリットがあり、とても重要な事柄であることがお分かりになったかと思います。

4.まとめ

トンマナについて解説していくと、たびたび現れる「ブランドイメージ」や「企業ブランド価値」というワード。要するにブランディングをする上でまずはじめに考えなければならない項目がトンマナを決めることというわけです。自分たちの目指すブランド像を理解することで、訴求したいターゲット層や自社の現状の立ち位置なども明確になり、今後のプロモーション戦略などの話題にも展開していくこともできるので、現在抱えている課題の改善策の糸口が見つかるかもしれません。ブランディングに力を入れていきたい企業の方は、ぜひ今一度「トンマナ」を決め、制作ツールには積極的に全て適用し、一貫性を図ることで確固たるブランド像を完成させていきましょう!