クラファンページデザイン|ひのきのうつわ(自社事業)

自社事業(山本木工所様との共同出資事業)

クラファンページデザイン(デザイン・撮影・コピーライティング・実験動画撮影など)


背景

当社では、前期の会社利益の20%を上限に自主的な学びや研究開発活動に投資する「8:2の文化」を採用しています。クライアントワーク約80%、自社事業約20%の比率で運営し、外部案件では得られないノウハウや市場感覚を蓄積し、最終的にクライアントワークへ還元することが狙いです。こうした取り組みの一環として生まれた自社プロジェクト「ひのきのうつわ」では、キャンプギアとしての商品コンセプトの策定から販売計画、さらにインフルエンサーへの働きかけやクラファンによる販促活動までを一貫して行い、新たな手法やマーケットの反応をダイレクトに体験しています。国産ヒノキにこだわった木製食器「ひのきのうつわ」は、多治見に工房を構える「山本木工所」様との共同出資プロジェクトで、これまで培ってきた木工技術を活かしつつ、アウトドアシーンやキャンプ飯でも気軽に使えるようにするため、試作と改良を重ねて完成したオリジナルプロダクトです。
より多くの方に「ひのきのうつわ」の魅力を伝え、応援いただく機会を作りたいと考え、クラウドファンディングサイトMakuakeにてプロジェクトを立ち上げました。今回、ページデザインから文章構成に至るまで自社で一貫して行い、商品のコンセプトや開発ストーリーをわかりやすく整理しながら公開することを目指しました。

課題

木製食器特有の弱点克服をどのように伝えるか
木製食器は「水に弱い」「ニオイがつきやすい」「汚れが落ちにくい」といったイメージがつきまとうため、「アウトドアでも気軽に使える丈夫な木製食器」をどう説得力を持って紹介するかが課題でした。特に、液体ガラス塗料のメリットを、初めて聞く方にも直感的に理解してもらうことが求められました。
ストーリー性を高め、共感を得る
「ひのきのうつわ」は、単なる商品開発ではなく、地元木材の活用や職人技術の継承といった想いも込められています。この背景をしっかりと伝えないと、支援者が「なぜこのプロダクトに出資する価値があるのか」を理解しづらいという問題がありました。
クラファン特有の情報整理
Makuakeのプロジェクトページでは、支援コースやリターン内容、さらには開発エピソードや写真・動画を豊富に掲載する必要があります。テキスト量が増えがちな分、ページ構成やデザインで読みやすくする工夫が必須でした。

解決

液体ガラス塗料のメリットをわかりやすく可視化
ページの中盤で、「木の弱点を克服したのは特殊塗料【液体ガラス】」と大きく見出しを設置。 「水に強い」「汚れ・色移りに強い」「メンテナンスがしやすい」といった機能面を、アイコンや写真付きの図解でシンプルに紹介。 使用シーンの写真を数多く並べることで、実際に洗っているイメージや油汚れも落ちる様子を具体的に想像できるようにしています。
開発ストーリーの挿入による共感アップ
「弱点を克服しようと考えたきっかけ」「木工職人たちとの試行錯誤」「特殊加工を採用する決断」など、具体的なエピソードを章立てして掲載。文章内で、担当者のイラストやコメントを挟むことで、親しみやすく読み進められる構成に。 地域産業との関わりや、“100年先の森づくり”へ想いを巡らせる姿勢も示し、支援の意義をストーリーとして共感してもらえるようにしました。
クラファン特有のインセンティブ設計をデザインに落とし込む
リターンコースには「単品購入」から「セット割引」「数量限定の早割」などを設定し、視覚的にわかりやすい表を作成。 購入を検討している支援者が迷わないよう、「どのコースを選べばいいか?」を写真付きで比較。 目標金額の達成度やストレッチゴールなどもページ内の目立つ場所に配置し、支援したくなるワクワク感を高めました。
支援総額1,295,305円、目標金額の129%を達成
最終的に88名の支援者から多くの応援が寄せられ、Makuake内で目標金額を大幅に超える資金を集めることに成功。木製食器のイメージを一新し、アウトドアユーザーや料理好きの方など、多彩な層から共感をいただきました。
商品改良と新展開へのフィードバック
支援者から寄せられたコメントや使用感の要望を検証し、今後の製品ラインナップや企画開発に反映。木工職人とのコラボがさらに広がる可能性も見え、新たな商品開発へのモチベーションを高めています。
クラファン経験をクライアントワークに還元
自社でのクラファン運営・デザイン実践を通じて、ページ構成やユーザー心理、SNS・メディアとの連携のノウハウを蓄積。今後はクライアントのクラウドファンディング案件でも、より実践的かつ成果につながるサポートを提供できるようになりました。

自社事業として挑戦した「ひのきのうつわ」クラウドファンディングは、木工職人の技術や地域資源を活かしながら新たな価値を生み出す好事例となりました。ページデザインや文章構成を丁寧に組み立てたことで、多くの支援者に商品の魅力と想いが伝わり、見事プロジェクト成功へと導くことができました。今後もこのクラファンで得た経験を活かし、より多くの方々に独自性あるプロダクトとストーリーを届けていきたいと考えています。当社が大切にする「8:2の文化」に基づく自社事業の運営は、新たなアイデアの創出や市場トレンドの把握、さらにはメディア対応・販促のノウハウ蓄積にもつながり、当社が提供するクライアントワークを一段高いレベルへと導いています。今後も「ひのきのうつわ」の活動をはじめとした様々な挑戦を通じて、マーケットで求められる価値を創造し続けてまいります。

■ Makuakeプロジェクトサイト https://www.makuake.com/project/suzukimodern_product/