広告における権威付けの手法と利用注意点
みなさん、チラシや広告で「東証上場企業」「顧客満足度No.1」「◯冠達成!」「リピート率◯%」「〇〇アワード最優秀賞」といったフレーズやアイコンが掲載されているのを見たことはないでしょうか?ちなみに私は、認知度が低い商品やネット限定の商品を購入する際、必ずチェックしてしまいます。逆にないと購入までたどりつきません。このブログでは、権威付けの良いところ・注意点について、ご紹介いたします。
「権威付け」って何?
商品やサービスに対して認知度を高め、信頼性を向上させるために行われるマーケティング戦略の一つです。権威付けは、商品やサービスの価値を客観的に示す証拠として機能し、消費者の購買意欲を高めることができます。
権威付けは、受賞した製品や、有名な第三者機関からの推奨は、消費者が商品を試す際の心理的なハードルを下げることができます。新しいブランドや市場に不慣れな消費者にとっては、このような権威付けが重要です。
また、消費者が情報過多の中で素早く意思決定を行う手助けにもなります。多くの選択肢の中から特定の製品を選ぶ際、権威のある認定や評価は、その製品が信頼できる品質であることの証として機能します。
さらに、権威付けはブランドイメージの構築にも寄与します。受賞歴や顧客満足度が高いことをアピールすることで、企業は自社の製品やサービスの優位性を競合他社と比較して強調することができます。単に商品を売るだけでなく、長期的な顧客ロイヤルティを築くうえでも重要となります。
権威付けの方法
有名人・著名人や、専門家など、推薦文やコメント、写真を掲載
【例】
・芸能界のスイーツ女王と名が高い、お笑い芸人「ぼる塾 田辺さん」監修
ネオ和菓子専門店「大三萬年堂HANARE」の『芋ようかんブリュレ〜りんご&シナモン』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000045631.html
→「坂上&指原のつぶれない店」で田辺さんのスイーツコラボの企画を見ていました。シャトレーゼや「赤坂柿山」(あられ・おかき専門店)ともコラボし、ヒット商品になっていましたよね!
・シェ・シバタ監修 ファミリーマートのコンビニスイーツ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001122.000046210.html
→有名なパティシエのシェ・シバタさんが監修だと商品を見るだけで美味しいってわかりますよね!高くてもついつい買ってしまいますよね。
商品やサービスの受賞歴を掲載
【例】
・2023年 グッドデザイン賞金賞
木造4階建て県営住宅 新浜町団地県営住宅2号棟建替事業
https://www.g-mark.org/gallery/winners/20464?years=2023
・2023年 第20回 本屋大賞 大賞
「汝、星のごとく」著者:凪良ゆう (講談社)
https://www.hontai.or.jp/history/hontai2023.html
「人気NO.1」「売上1位」「満足度◯%」など、多くの人が利用していることを数字で掲載
【例】
・SUUMO 2022年 「オリコン顧客満足度ランキング 賃貸情報サイト」全評価項目で第1位の評価
https://business.suumo.jp/topics/oshirase/detail/pr_20221020.html
・アンミカ監修の「MIKA WHITE」
https://item.rakuten.co.jp/excitech/mikawhite-002/
雑誌や新聞、テレビ取材をうけたことを掲載
【例】
●️葬儀会館ティア
https://www.tear.co.jp/features/promotion/media/
●️カインズホーム
https://www.cainz.com/contents/household-supplies/popular_seller.html
さまざまな権威付けの手法をご紹介しましたが、狙うターゲットによって有効な権威付けは異なります。ターゲットをしっかり決めて、権威付けを行う必要があります。権威付けは、良いところがたくさんありますが、方法を間違えると、ブランドや商品の信頼を失ってしまう可能性があるため、注意が必要です。権威付けを行う際は、下記の注意点を守りましょう。
権威付けの注意点
① 調査をせずに、嘘の内容を謳ってはいけません。
② 調査会社に依頼した場合、必ず調査会社の情報を載せましょう。中には、「偽りの高評価」を作り出す調査会社もあるため、注意が必要です。
③ チラシやホームページなどに掲載する際は、載せすぎないようにしましょう。権威付けの情報が多すぎると、消費者に混乱を与える可能性があるため、重要な情報を選び、わかり やすく提示する必要があります。
④ 他社製品と比較する際は、校正で正確な情報に基づいた比較を行うことが重要です。不正確な比較や誤解を招く表現は、法的な問題を引き起こす可能性があります。
⑤ 市場や競合の状況が変わることがあるため、権威付けの情報は定期的に更新し、最新の情報を反映させることが必要です。これらのポイントに注意しながら権威付けを行うことで、消費者との信頼関係を築き、長期的にブランド価値を向上させることが期待できます。
しかし、権威付けの注意点を守っていても、下記のような問題がおこってしまうケースもあります。
【記事1】
『楽天モバイルとワイモバイルが満足度No.1をPR 結果が割れた理由』
2022年1月に日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が「非公正な『No.1調査』への講義状」を公開。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00907/
【記事2】
『満足度No. 1」広告 客観的裏付けなく 6社に再発防止命じる』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240301/k10014376311000.html
まとめ
いかがでしたでしょうか?権威付けには多くのメリットがありますが、適切な方法で行うことが何よりも重要です。適切な調査会社に依頼し、正確なデータを消費者に提供することで、信頼されるブランドを築くことができます。最近、不適正な広告が増えている中で、消費者も「ウソを見抜く力」を身につけることが求められますが、このことが市場全体の透明性と誠実さを高める一助となります。
権威付けは、商品認知度と信頼性を向上させるための重要なマーケティング戦略の一つです。そのため、正しい方法で権威付けを行うことは、長期的に見てブランドの価値を高め、消費者との信頼関係を築く上で大きな役割を果たします。より良い権威付けを目指し、素晴らしいブランド体験を提供しましょう。