ネット買いorリアル買いの実情
現代の買い物には欠かせなくなったインターネットショッピング。1990年代後半からネットショップは増加の一途をたどり、さらにSNSの台頭がその拍車をかけ、ネットショッピングの消費額は右肩上がりです。2020年の新型コロナウイルス感染拡大による自粛要請もあったことで、買い物もネットに頼らざるを得ない状況が続きました。自粛が緩和した今、現代の人々はどのように買い物をしているのでしょうか。その傾向を知ることで、販促のカギが見えてきます。
1.ネット買いとリアル買いが両立する時代に
2.なぜ両立が実現?ネット買いとリアル買い 使い分けの理由
3.コストパフォーマンスとタイムパフォーマンス
4.まとめ
1.ネット買いとリアル買いが両立する時代に
ネットショッピングの脅威によりリアル店舗の売上減や撤退が懸念された時代は終わり、ネットとリアルを往来する販促方法・販売方法を実施することでターゲットに選ばれる時代になりました。主に1990年代後半から2012年頃に生まれた「Z世代」と呼ばれる若者たちの購買行動を観察すると、情報収集や買い物がネットに集中しているのではなく、実店舗での購買体験や新たな出会いを楽しんでいることが伺えます。リアルで見つけたものをネットで格安で買うことに賛否両論された時代もありましたが、リアルで見つけたものをネットで買う“ショールーミング“と、ネットで見つけたものをリアルで買う“ウェブルーミング“という言葉で表現されるほど、今ではネットショップと実店舗の行き来が当たり前の時代です。
2.なぜ両立が実現?ネット買いとリアル買い 使い分けの理由
その理由を知ると売り手の戦略が分かるはずです。現代の消費者は単なる「お得」だけで動くことはなく、ネットショップと実店舗どちらの良さも認識し、自分なりの基準で使い分けしています。若者の購買行動を調べてみると、ネット買いとリアル買いの使い分け方に以下のような特徴が見えてきました。
ネット買い リアル買い
・安く手に入る ・その場ですぐ手に入る
・買いに行く手間がかからない ・実店舗の世界観を楽しめる
・多くの情報から自分で選択できる ・自分に合ったものかを店員さんに相談できる
・リコメンド機能で自分に合った商品が知れる ・新たなお気に入りに出会える
上記の特徴が挙げられますが、何をネットで買って何をリアルで買うかは、個人によって異なります。例えば、ボールペン1本をすぐ近くのコンビニで買うかアマゾンで買うか、どちらを選ぶかの基準は人それぞれということです。
この裏には「コストパフォーマンス・タイムパフォーマンス」と「買ったことに対する満足度」をどれくらい重視しているかの心理が働いており、それが行動に表れます。「コストパフォーマンス・タイムパフォーマンス」について解説します。
3.コストパフォーマンスとタイムパフォーマンス
数年前から聞かれるようになった「タイムパフォーマンス」。これを意識すると販促を行っていきたい商材に対して、お金をかけてほしいのか・かけてほしくないのか、時間をかけてほしいのか・かけてほしくないのか、という角度で見ることができます。
コストパフォーマンス
費用対効果を指し、かけた金額以上に満足度の高さを感じた時に「コスパが高い」と言いますよね。いわゆる「お得」で、販促においても分かりやすくアプローチできます。
タイムパフォーマンス
時間対効果を指し、略して「タイパ」。コストパフォーマンスの時間バージョンということです。買い物、食事、勉強、仕事、移動時間に対してタイパを求めることが多いです。コスパ同様、かけた時間以上に満足度の高さを感じた時に「タイパが高い」ということになります。例えば「1円でも安いものを求めてスーパーを何店も廻る」よりも「少し高くても1か所で買い物を済ましたほうが移動の労力も時間もかけなくていい」が結果的に満足度の高さになります。実際のところ同じ買い方・同じ時間の過ごし方をしてもタイパが高いと感じるか低いと感じるかは十人十色です。「かけた時間が短ければタイパが高い」のではないので誤認識に注意を。ネット買いとリアル買いに見るコスパとタイパは、このような考え方で使い分けしています。
4.まとめ
情報過多の時代。モノを買う行動にどれほど時間と労力をかけるかも「価値」として認識されるようになりました。ネットショップ一強という考えは時既に遅し、現代の若者は実店舗での買い物にも価値を感じています。ネットとリアルの境界線がシームレスなりたくさんの正解が存在します。考え方をアップデートし、長期的に選ばれるための販促方法・販売方法で強くなっていきましょう。