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デザインを依頼するときのポイント|設計図を考えてみよう

デザイナーにデザインの依頼をするとき、どのようにしてより具体的なイメージを伝えたらいいでしょうか。出来上がったデザインを見てみたら、想像していたものとかなりかけ離れている・・・なんて結果になるのは極力避けたいですよね。
そんな時に作ると役立つのが”デザインの設計図”です。ラフや、サムネイルという用語で言われています。今回は、デザイナーにイメージを正しく伝えるためのラフ、またはサムネイルについてご紹介します。

 

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デザインの制作は、制作会社や広告代理店との打ち合わせから始まります。しかし、依頼者側が何を望み、どんな表現をイメージしているかは、言葉だけでは伝わりにくいのです。そこで、ラフやサムネイルを書き、お互いがそれを確認していくことで具体的なイメージを共有することができます。「自分には絵心がないのでうまく書けないのでは?」「専用のソフトが使えなくても大丈夫?」などという心配は必要ありません。ラフやサムネイルを作る際に重要なのは「上手く書く事」「綺麗に作る事」ではなく、「何を伝えたいかがはっきりと分かる」ことです。制作するグラフィックで、エンドユーザーに何を伝えたいかがデザイナーに判るようになっていれば手書きでも十分。

ラフ…ラフ(rough)は乱雑、大まか、細部に工夫を凝らさずシンプルで大雑把という意味で使われますが、デザインの用語で用いられる場合も、精密でなく大まかにざっくりと図化したものを言います。打ち合わせの段階でデザイナーがささっとラフスケッチを起こす事もありますし、具体的な考えを伝えるために依頼者側が書くこともあります。

サムネイル…サムネイル(thumbnail)は、親指の爪ほど非常に小さいものという意味。ラフより前の段階で、より小さく大まかにスケッチしたものを言います。アイデア出しでサムネイルをいくつかざっと書き出していき、その中から良いと思ったものを選んでラフに起こしていくこともあります。また、依頼者側がサムネイルを書き、それを元にデザイナーがラフを起こすパターンもあります。サムネイルを起こさずにラフだけ書く事も多いです。

rough上は筆者が過去に冊子ものを制作した際に書いたサムネイル(上)とラフ(下)です。紙面全体の流れを把握するためや、一冊を通してのメリハリを確認するために、全ページのサムネイルをおおまかに書き出しています。そこから、情報が多く細かいページに関してはさらに内容を整理してラフを書き、担当者に共有しています。丁寧ではありませんが、内容が伝われば本当にこんな感じで大丈夫です。このようにして図化すれば、早い段階で方向性のすり合わせができ、やり直しなどのリスクも低減できます。

 

設計図を書いていく流れ一例

❶情報整理
まず、手元にある情報を整理整頓し、どのようなシチュエーションで使用される媒体であるか、一番訴求したい事は何か、他に足りない情報は無いかなどを確認していきましょう。5W1Hなどのフレームワークにあてはめて、漏れがないかチェックするのも手です。
次に、それをもとにグラフィック上に必要な要素を洗い出していきます。
企業や製品のロゴ・キャッチコピー・文章・写真・イラストなど…デザイナーにどんな素材を提供すればいいかもここで把握しておけます。

❷かなりざっくり書く
下書きの下書きとしてサムネイルを書きます。自分だけが理解できるレベルで問題ないので、かなり大まかなスケッチで書き出していきます。パターンが出せるのであればいくつか書いてみるのもいいでしょう。

❸②で書いたものを清書する
サムネイルの中から選んだスケッチを、もう少し詳しく清書していきます。自分以外の人が見たときに、説明がなくてもどんな情報が載っているかを判別できるレベルで書きます。絵が苦手な方は文字で補足しても構いません。①で整理した、「シチュエーション・媒体に則ったレイアウトになっているか(視線の流れや可読性の確保など問題ないか)」「一番訴求したい内容が訴求できるようになっているか」といった視点も忘れずに。自分で判断できない場合は、基礎の部分だけ大まかに書いてデザイナーに委ねても大丈夫です。デザイナーもラフを見て、さらに最適で、より良いアイデアを盛り込んだデザインを提出してくれるはずです。逆に、「○○○○という狙いがあるので、ここの部分は指示通りに作って欲しい」という要望がある場合は、デザイナーに伝えるようにするといいでしょう。

 

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一からデザイナーにおまかせでももちろん構いません。ですが、納得のいく形で最短ルートで完成まで持って行くには、より伝えやすい方法で意思疎通を図るのが一番です。あまり難しく考えずにあなたのイメージを書き出してみましょう。

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