自社を知るためのマーケティング分析⑤|4P/4C分析
弊社のホームページにて、「販促ノウハウブック」という、初心者に向けた販売促進のハウツー資料の提供をしています。本書は、販促のノウハウを一冊に分かりやすくまとめており、「自社にあった戦略で販促を強化したい人」や、「市場や競合他社の状況を知り、差別化を図りたい人」、「店舗の集客に役立つ情報を得たい人」のような方々に役立つ一冊です。ぜひダウンロードしてみてください。
さて、この「販促ノウハウブック」でも紹介している、販促の“基盤”となるマーケティング分析のフレームワークの方法を、事例を交えてより詳しくご説明していきます。すでに資料をダウンロードしている人で、「分析のやり方が難しくてよくわからなかった」と、断念してしまったという人は、こちらをご覧いただき、再度チャレンジしてみてください。
またフレームワークのテンプレートは、資料からダウンロードできますので、マーケティング分析に興味のある人は、まずは「販促ノウハウブック」をダウンロードしてみてください。
前回は分析手法のSTEP4、「STP分析」の方法を紹介しました。
>自社を知るためのマーケティング分析④|STP分析
今回はマーケティング分析 最終回、「4P/4C分析」をご紹介します。
1.4P/4C分析とは?
2.4P/4C分析のやり方 3STEP
3.まとめ
1.4P/4C分析とは?
4P分析とは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取ったもので、4C分析も、Customer Value(顧客価値)、Cost(経費)、Convenience(顧客利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字から取った、販促施策立案の過程で用いられるフレームワークです。
4P分析は、「何を」「いくらで」「どこで」「どのようにして」売るか、自社商材の情報を整理するために行います。次に4C分析は、前回のSTP分析で決めたターゲット層の視点から、商材に対して顧客が「恩恵を感じるか?」「適正な対価であるか?」「入手/利用しやすいか?」「企業(販売元)とコミュニケーションが取れるか?」の4つの要素を書き出し、商材の改善点を発見することが目的の分析です。
2.4P/4C分析のやり方 3STEP
4P/4C分析は、自社商材の改善点の発見のために行います。事例に沿ってフレームを埋めていきましょう。
【企業例】スズキチキンフーズ株式会社(仮称)
愛知県の創業100年を超える、鶏肉を使った商品専門の老舗お土産メーカー。手羽先を甘辛く煮た「手羽煮込み」が看板商品。【STP分析で決めたターゲット層】
出張で頻繁に名古屋を訪れる県外在住の20〜40代の働き盛りの男性。晩酌好きの上司や同僚にいつもより上質な土産を渡したいと思っている。地方色のあるものを探している。
STEP1 4P分析
4P分析は、自社の商材の情報を整理します。すでにある商材、またこれから販売する商材いずれでも分析が可能です。4つのPをそれぞれ解説していきます。
Product(製品)何を売るか?
ここでは、販売している、またはこれから販売予定の商材の特徴やコンセプトを書き出します。
どのような品質であるか、デザインはどうか、どのように使用する商品なのか、また購入後の保証はあるか、など
Price(価格)いくらで売るか?
価格の設定をします。
Place(流通)どう届けるか?
商材をターゲットに届ける流通の経路を設定します。既に販売されている場合は現在の販売経路を書き出します。実店舗での販売か、ECサイトなどのネット販売か、など
Promotion(販促)どのように売るか?
商材をターゲットに知ってもらい、購入してもらうためのPR方法を決めます。既にある商材の場合は、これまでに実施した販促施策を書き出しましょう。テレビCM、WEB広告、折込チラシ、など
これらの4つの要素を、フレームに書き出していきましょう。
STEP2 4C分析
次に4C分析を行います。STP分析で決めたターゲットの視点から下記の4つの要素を書き出していきます。それぞれの要素を解説します。
Customer Value(顧客価値)恩恵を感じるか?
Customer Valueは4PのProductと対になる要素で、ターゲット視点でニーズに合っているか、ターゲットにとって価値の高いものであるか?を考えます。
Cost(経費)適正な対価であるか?
ターゲットが自社の商材によって得る価値に支払う費用。ターゲットはその価値にいくら支払えるか、企業視点の価格はターゲットにとって適正であるかを検討します。
Convenience(顧客利便性)入手/利用しやすいか?
4PのPlace(流通)の対となる要素。商材の入手方法はターゲットに適しているか、店舗のアクセスの良さ、ネットショップの見やすさ・購入しやすさ、決済方法など
Communication(コミュニケーション)企業とターゲットはコミュニケーションできるか?
店舗やイベント、SNSなど、どのようなツールやシーン、場所でターゲットと接点を持つのか、企業とターゲットとの最適な距離感をターゲット視点で分析します。
理想はターゲットに近い人物が分析を行うことですが、ターゲットになり切って分析しても構いません。重要なのは、企業側の主観を反映しないこと。企業視点が入ると、4C分析を行っていたはずがいつの間にかまた4P分析になっていた、ということになり兼ねません。ターゲット視点から離れないように注意して、フレームを埋めていきましょう。
STEP3 改善点の発見・改善策の立案
最後に、4P→4Cの分析によって見えてきた改善点とその解決策を書き出していきます。
商材が新商品・サービスの場合には、それぞれの要素でターゲットにもたらす影響がわかることで、販売前の商材をターゲットにとってより魅力的な商品とするために必要な点が分かります。また、既存商品・サービスの場合にも、この商材がターゲット層にフィットしているか、ニーズとかけ離れてしまっていないかの確認にも活用できます。ロングセラーの商材であればあるほど、時代や社会の変化などによりターゲットのニーズからズレてきてしまうことがあります。定期的に分析を行い、改善点を洗い出すことでよりターゲットが満足する商材や、販促施策が生まれるはずです。
3.まとめ
ビジネスが複雑化した近年の市場において、4P/4C分析は、欠かせない分析手法です。一方通行の商材や販促策では誰も振り向いてくれません。ターゲット視点から商材の開発、販促施策の立案を行うことで、自社の魅力や課題が見えてきます。
以上がスズキモダンが推奨するマーケティング分析手法でした。全5項目の分析手法、いかがでしたか?
①「3C分析」で内部環境と外部環境の事実を知ることができ、②③の「PEST分析」「クロスSWOT分析」で自社の強み・弱みを洗い出すことで販促施策のベースがわかりました。④の「STP分析」では、具体的なターゲットの設定と商材や販促策の方向性が明確になりました。そして今回の⑤「4P/4C分析」では、ターゲット視点で客観視することで商材の改善点を発見できました。
このように、マーケティング分析を行うことで自社や自社商材についてより深く知ることができます。自社分析は販促の基盤となる重要な工程です。この基盤をしっかりと定め、手当たり次第の販促施策から脱却しましょう。