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自社を知るためのマーケティング分析②|PEST分析

弊社のホームページにて、「販促ノウハウブック」という、初心者に向けた販売促進のハウツー資料の提供をはじめました。本書は、販促のノウハウを一冊に分かりやすくまとめており、「自社にあった戦略で販促を強化したい人」や、「市場や競合他社の状況を知り、差別化を図りたい人」、「店舗の集客に役立つ情報を得たい人」のような方々に役立つ一冊です。ぜひダウンロードしてみてください。

さて、この「販促ノウハウブック」でも紹介している、販促の“基盤”となるマーケティング分析のフレームワークの方法を、事例を交えてより詳しくご説明していきます。すでに資料をダウンロードしている人で、「分析のやり方が難しくてよくわからなかった」と、断念してしまったという人は、こちらをご覧いただき、再度チャレンジしてみてください。またフレームワークのテンプレートは、資料からダウンロードできますので、マーケティング分析に興味のある人は、まずは「販促ノウハウブック」をダウンロードしてみてください。

前回は分析手法のSTEP1、「3C分析」の方法を紹介しました。自社を知るためのマーケティング分析①|3C分析
今回はマーケティング分析STEP2「PEST分析」の方法をご紹介します。

 

1.PEST分析とは?
2.PEST分析のやり方 4STEP
3.まとめ

1.PEST分析とは?

PEST分析とは、「Politics(政治動向)」、「Economy(経済動向)」、「Society(社会動向)」、「Technology(技術動向)」の4つの観点で外部環境を把握し、自社が受ける影響を知るための分析手法です。世の中の流れを4つの切り口から分析し、事業戦略やマーケティング戦略上の機会と課題を発見できます。

 

2.PEST分析のやり方 4STEP

PEST分析は、「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの視点で行います。順番にフレームワークを埋めてみましょう。

企業例:スズキチキンフーズ株式会社(仮称)
愛知県の創業100年を超える、鶏肉を使った商品専門の老舗お土産メーカー。手羽先を甘辛く煮た「手羽煮込み」が看板商品。

STEP1 政治・法律・業界動向(Politics)

STEP1は、次のような視点で、自社を取り巻く政治・法律・業界動向を洗い出します。

・法改正による規制強化で脅威がないか?
・法改正による緩和で新たな事業機会はないか?
・政権交代で自社に及ぶ脅威はないか?
・業界構造の変化で新たな機会・脅威はないか?
・税制動向で自社の利益に脅威がないか?
・補助金・助成金制度により新たな機会はないか?

これらの要因はいずれも国や地方自治体レベルでの決定事項であり、一企業の力の及ぶところではありません。事実に基づく情報のみ書き出しましょう。企業は、法律や税制の動向を常に注視し、改正や動きがあった際に自社へどのような影響が生じるのか、驚異に対してどのように対処すべきか、事前にシミュレーションしておくことが大切です。

 

STEP2 景気・賃金・経済動向(Economy)

STEP2は、以下のような、自社を取り巻く景気・賃金・経済動向を洗い出します。

・景気・経済成長率などの動向で自社に及ぶ脅威はないか?
・物価・原油価格・金利などの動向で自社に及ぶ機会・脅威はないか?
・消費動向で自社に及ぶ機会・脅威はないか?
・為替・賃金動向で自社に及ぶ機会・脅威はないか?

為替市場は毎日変動しますが、業界によっては相場の変動で売り上げや利益が大きく変わります。経済面からの外部環境の分析を行うことで、リスクヘッジの手段を講じることができます。また直接輸出入の取引などの関与がない業界も、為替動向で国内物価が上昇する可能性があるため、どの業界も経済動向は探っておくに越したことはありません。

 

STEP3 人口・社会変化の動向(Society)

STEP3は、以下のような、自社を取り巻く人口・社会変化の動向を洗い出します。

・少子高齢化など人口動態変化の動向で自社に及ぶ機会・脅威はないか?
・流行や世論、宗教や教育、言語の動向で自社に及ぶ脅威・機会はないか?
・消費スタイルなど社会変化の動向で自社に及ぶ脅威・機会はないか?

これらの動向は長期に渡り影響を及ぼすものであり、これらの変化が自社に与える影響を中長期に洗い出す必要があります。日本では20年以上前から少子高齢化が社会問題となっていますが、シルバービジネスで成功した企業がたくさんあるように、事前に社会環境の変化を分析しておくことで、新たなビジネスチャンスを得られる可能性があります。

 

STEP4 技術の進展・革新動向(Technology)

STEP4は、以下のような、自社を取り巻く技術の進展・革新の動向を洗い出します。

・技術の進展・革新により自社に及ぶ脅威・機会はないか?
【例】
・固定電話→PHS・ポケベル→携帯電話→スマートフォン
・ビデオテープ→DVD→Blu-ray Disk→Netflixなどのサブスクリプション
上記のように新技術や新サービスの開発によって人々の生活そのものが変わるような業界の新技術や新商品などを書き出しましょう。

最新技術を自社でどう取り込んでいくのか、その場合どんな影響があるのかなどを調査して、戦略に組み込んでいく必要があります。技術の進展・革新に対応できないと、事業の存続が危ぶまれることもあります。いくら老舗ブランド力の高い企業であっても、SNSを活用して若者の支持を集めたり、様々な工夫をこらしてあの手この手で生き残る術を探す時代です。時代に合った、正しい方向に企業を導くために、技術的動向の分析は必要不可欠です。

 

3.まとめ

外部環境は細分化するとマクロ環境とミクロ環境の2つに分けられます。PEST分析はそのうちのマクロ環境の調査分析をします。例えば、現在日本では、ウクライナ情勢によってさまざまな商品が値上げしていますよね。中でも小麦はロシアとウクライナで世界の25%あまりの出荷量の割合を占めているそうです。パンや麺類の価格の高騰は避けられないでしょう。このように、自社でコントロールできない外部環境がマクロ環境です。世の中の流れや業界動向を把握・分析することで環境の変化や事業活動に影響を与える要因を探ることがPEST分析の目的です。

また、PEST分析は、単なる情報収集や情報整理で終わる分析ではありません。さまざまな機会や課題の仮説を立て、次のマーケティング分析STEP3「クロスSWOT(スウォット)分析」の重要な要素となるため、しっかりとおさえておきましょう。

次回「クロスSWOT分析」をレクチャーします。

 

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