パッケージデザインとは?|消費者が買いたくなる仕掛け

商品を店頭やネットショップに並べた瞬間から、他の商品との競争は始まっています。多くの選択肢の中で、消費者に「これにしよう」と選んでもらうためには、まず目に留まることが欠かせません。
そこで重要になるのが パッケージデザイン です。
今回は、これからパッケージ制作を検討する企業の方に向けて、パッケージデザインの役割や制作の流れ、注意点、成功事例までわかりやすく整理してお伝えします。
1.パッケージデザインとは?
2.パッケージデザインが大切な理由
3.消費者はパッケージのここを見ている
4.パッケージデザイン制作の流れ
5.制作時に注意すべきポイント
6.成功しているパッケージ事例
7.まとめ
1.パッケージデザインとは?
パッケージデザインとは、商品の外側をデザインすること——ですが、単に見た目を整えるだけではありません。
・商品の魅力を伝える
・ブランドの世界観を表現する
・消費者が手に取りやすくする
・選ぶ理由をわかりやすく伝える
こうした役割を果たす、販売促進のための「無言の営業ツール」と言えます。
店頭やネット上で、営業担当が横にいなくても、パッケージが商品の魅力をしっかり代弁してくれるのです。
2.パッケージデザインが大切な理由
パッケージデザインには、大きく分けていくつかの重要な役割があります。ここではその主なポイントを見ていきます。
①第一印象で選ばれる
売場では多くの類似商品が並んでいます。消費者は短ければ数秒で「買う・買わない」を判断します。パッケージが与える第一印象は非常に重要です。
②ブランドのイメージを作る
パッケージは企業やブランドの顔でもあります。 高級感、安心感、親しみやすさ、環境配慮など、ブランドの価値観を視覚で伝えることができます。
③購入後の満足感にもつながる
開封時のワクワク感、使いやすさ、保管しやすさなど、パッケージは購入後の満足感にも大きく関わります。こうした体験はリピート購入やクチコミにもつながっていきます。
3.消費者はパッケージのここを見ている
パッケージが消費者にどのように受け止められているのかを理解することも大切です。
消費者は、デザインの「見た目」だけを見ているわけではありません。無意識に次のような点を確認しています。
安心感
「安全そう」「信頼できそう」という印象があるかどうか。清潔感のある色使いや、わかりやすい情報整理が大切です。
自分に合うかどうか
ブランドの世界観や雰囲気が「自分らしい」と感じられると、購入に結びつきやすくなります。
他の商品との違い
たくさんの商品が並ぶ中で、ひと目で「他と違う」と感じさせるポイントがあると選ばれやすくなります。
4.パッケージデザイン制作の流れ
実際にパッケージデザインを進める際は、次のような流れで検討を進めていきます。
①ヒアリング・情報整理
・商品の特徴やターゲットを整理
・どんな売場でどんな競合と並ぶのか確認
・購入してほしいお客様像を明確にする②コンセプト設計
・商品の強みや魅力を一言で表現
・誰に何をどう伝えるかを設計③デザイン制作
・ロゴ・色・文字・写真・イラストなどを組み合わせ
・開けやすさ、持ち運びやすさなどの使いやすさも考慮④試作・検証
・モックアップを作成し、実際に手に取った印象を確認
・店頭での並び方や目立ち方もチェック⑤最終調整・印刷データ作成
・法律に基づく表示内容を確認
・印刷・生産へ
5.制作時に注意すべきポイント
パッケージ制作では見落としがちな注意点もいくつかあります。事前に押さえておくと安心です。
情報を詰め込みすぎない
説明を盛り込みたくなる気持ちはありますが、多すぎる情報は逆に伝わりにくくなります。ポイントを絞って整理しましょう。
法律・ルールの確認
食品表示法、薬機法、景品表示法など、商品によって必要な表示が異なります。事前に確認することが大切です。
流通や現場を考慮する
・積み重ねやすい形状か?
・壊れにくいか?
・保管しやすいか?
こうした流通現場の視点も忘れずに。
環境配慮
近年はリサイクルしやすさや過剰包装の削減など、環境への配慮も重視されます。
6.成功しているパッケージ事例
実際に成功しているパッケージの事例からも、ポイントを学ぶことができます。
キットカット(受験応援版)
「きっと勝つ」という語呂合わせを活かし、受験生向け応援パッケージを展開。季節ごとの需要を上手く作り出しています。
▶︎ ネスレ公式サイト(キットカット)
スターバックス ヴィア
高級感のある個包装スティックで「手軽さ」と「本格派の味」を両立。ブランドイメージを守りながら新たな利用シーンを提案。
▶︎ スターバックス公式オンラインストア(ヴィア)
ヤッホーブルーイング(クラフトビール)
味や商品ごとに個性的なデザインを採用し、ビジュアルから商品特徴や世界観を伝える工夫がされています。
「よなよなエール」「水曜日のネコ」「インドの青鬼」など、各商品に合ったキャラクター性のあるデザインがブランドの認知向上とファン獲得に貢献しています。
▶︎ ヤッホーブルーイング公式サイト
7.まとめ
パッケージデザインは「見た目を整える作業」ではなく、商品を売る力を生み出す重要なマーケティングツールです。
お客様の目にとまる理由、手に取る理由、買いたくなる理由をしっかり形にすることが、良いパッケージの第一歩です。
これからパッケージ制作を検討される際は、ぜひ「誰に、何を、どう伝えたいか」を整理するところから始めてみてください。