投稿日:|更新日:

センスだけじゃない?売り上げを左右するネーミングの重要性

企業名から商品名まで、あらゆる環境でネーミングは重要となります。一度決めてしまったネーミングは何度も変更しづらいので、よく吟味して納得できるものを考える必要があります。しかし、良いネーミングが思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか?ネーミングにはセンスが必要だといわれても抽象的すぎて何をすればよいかわかりません。今回はセンスに自信のない方にも、ネーミングを決める際に参考になる方法を紹介します。

 

1.優れたネーミングに隠された共通点と注意点
2.ネーミングを決める際に使える5つの方法
3.参考になるネーミングの事例紹介
4.今回のまとめ

 

1.優れたネーミングに隠された共通点と注意点

優れたネーミングにおける成功の共通点を一言でいえば、「記憶に残るネーミング」です。もちろんインパクトのあるネーミングは大切ですが、実はインパクトだけではなく、特徴やイメージが端的に伝わること、耳に残りやすいリズムであること、商品背景が想像できること、これらすべての要素が「記憶に残るネーミング」につながります。逆にネーミングを決める際の注意点もあります。まず一番注意しなければならないのは、商標権です。商標登録されている場合、商標権が発生しているため、登録者以外が同一の名前を使用するのは違反となります。商標登録は、カテゴリーに分かれていて、同一のカテゴリーであると、全文一致でなくても類似の時点でそのネーミングが使えないことがあるので注意しましょう。ちなみに商標登録は申請した順番なので、商品発売時期とは関係ありません。下記のサイトでは、商標的に問題はないか、またネーミングの評価も無料で診断してくれます。さらに、特許庁の審査から商標取得までワンストップで完了できる便利なサイトです。

nomyne(ノミネ)
https://www.nomyne.com/

 

2.ネーミングを決める際に使える5つの方法

□ 単語の組み合わせ
2つ以上の単語を組み合わせて造語を作るシンプルな発想です。ネーミングに使えそうな単語を洗い出し、選別してから組み合わせましょう。
例:カロリー+メイト→カロリーメイト

□ 単語の一部を変換
単語を部分的に変えて使うという発想です。単語のインパクトが弱い時や、発音がしにくい時に試してみると有効です。まずは基本となるキーワードを選んだら、その一部を削除したり置き換えたりします。
例:プレッツェル→プリッツ

□ 語呂あわせ
特徴やイメージを表す単語を語呂合わせする発想です。分かりやすくて親しみやすいネーミングですが、聞いただけでは伝わりづらく、少し軽い印象となるので商品とのギャップがないか確認が大切です。
例:明日来る→アスクル

□ 単語の省略
ケータイ(携帯電話)のように時代に限らず、長い単語を省略する発想です。略語はハマればとても親しまれる傾向にありますが、元の単語が分かりづらいので、消費者が見たときに商品のイメージ一致しない可能性があります。
例:酵母入りビスケット→コービス→ビスコ

□ 様々な国の言語に翻訳
日本語→英語だけでなく、日本語→フランス語、イタリア語、ドイツ語のようにあらゆる言語に翻訳してみることによって、音やリズムが日本語よりも商品のイメージに合致している可能性があります。
例:ヨーグルト→エスペラント語「ヤフルト(jahurto)」→ヤクルト

 

3.参考になるネーミングの事例紹介

日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」 https://www.i-lohas.jp/
lifestyles of health and sustainability(LOHAS)の健康で持続可能なライフスタイルと、いろは歌の最初の「いろは」掛け合わせた商品名です。国産の天然水であること、お客様に対して環境への配慮が具体的な行動になる「きっかけ」になるように、と名付けられたそうです。い・ろ・は・すはネーミングだけでなく、限りなく薄くしたペットボトルでも有名です。

ハウス「ククレカレー」 https://housefoods.jp/data/retortcurry/kukure/
「ククレ」の語源は「Cookless(クックレス)」で調理いらずという意味と「カレー」を組み合わせた商品名です。
50年を超えるロングセラーの商品で、ゴシック体の力強いパッケージは、印象を残しながら少しずつマイナーチェンジしています。

株式会社ジーユー「GU」 https://www.gu-global.com/jp/ja/
「GU」の語源は、ブランドのコンセプトである「もっと『自由』に着よう」というメッセージが込められています。
ブランドマークの色は、ユニクロのメインカラーである赤と対比する色として、青をベースカラーとしており、海外展開時にユニクロとの同時出店を行うことを想定し、両ブランドのロゴマークのデザインが対になるようにデザインされています。

カルビー「じゃがりこ」 https://www.calbee.co.jp/jagarico/
「じゃが」は想像通り「じゃがいも」で、「りこ」は、開発担当者の友人「りかこ」さんが、この新しいお菓子をとても美味しそうに食べている姿を見て商品名を思いついたそうです。じゃがいも+りかこ→じゃがりかこ→「じゃがりこ」なかなか攻めたネーミングですが、新しいパッケージの形状提案や販促、CMなどの影響でメジャーな商品になりました。

湖池屋「カラムーチョ」 https://mucho.koikeya.co.jp/himitsu.html
「カラ」は、辛い、「ムーチョ」はスペイン語でもっとの意味を合わせて「辛いものをもっと楽しんでほしい」という思いを込めてカラムーチョと名付けられたそうです。今ではたくさんある辛い味のポテトチップスですが、当時は他になかったそうです。この背景を知るとムーチョの意味がぐっと引き立ちます。

 

4.今回のまとめ

デザインと同じように、ネーミングはセンスだけでは成り立ちません。今回書いたようなネーミングを考えるコツや他社の商品背景を知ることで、ネーミングアイデアに広がりができ、ネタの引き出しが増えます。まずはネーミングに興味を持つきっかけとして気になる商品や企業名の由来や背景を調べることをオススメします。自分にはセンスがないからと諦めずに、できることから始めてみましょう。