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2022年のトレンドカラーから推測するデザインの傾向

トレンドカラーとは、一般社団法人 日本流行色協会(JAFCA)とアメリカに本社があるPANTONE社が、毎年12月初旬に発表する翌年のトレンドカラーで、ファッション、美容、インテリアやプロダクト等から社会経済状況まで調べて、新たな影響を与える色を選びます。今回はトレンドカラーの紹介とトレンドカラーから推測するデザインの傾向をお話ししたいと思います。

 

1.JAFCA「ジョリー・コーラル(Jolly Coral)」
2.PANTONE「ベリー・ペリ(Very Peri)」
3.トレンドカラーから推測するデザインの傾向
4.今回のまとめ

 

1.JAFCA「ジョリー・コーラル(Jolly Coral)」

2022年に向けて、日本流行色協会では光満ちるコーラル(コーラルオレンジ)を選びました。蛍光みを帯びた軽く鮮やかなコーラルは、2020年、2021年と暗く長いトンネルを歩いてきた私たちを導き、心身を労わってくれるかのようです。2021年はゼロから始めるタイミングの年として、「ゼロホワイト」を提案しました。その真っ白なキャンバスに初めに描く色は、明るく楽しく、希望に心躍る色。オレンジは一般的にポジティブなイメージを抱きやすく、また、コミュニケーションや、興奮、活動をイメージしやすいと言われています。やや赤みを帯び、優しく発光するようなコーラルオレンジは、前に進む力を与えてくれるかのようです。長く沈み停滞していた心にふわっと光が差すような鮮やかで軽い色、疲れた心身にビタミンと喜びをチャージしてくれる色として、ジョリーコーラルを選定しました。

Key words
前に進む力 / 鮮やかな世界 / 楽しみの再確認 / 瞬発力

カラーコード:#F18D5F
RGB値:241,141,95
HSV値:19,61,95
CMYK:0,41,60,5

 

昨年のゼロホワイトは、リスタートの意味もあり「試運転」的な印象だったのですが、今年のジョリー・コーラルは一気に「トップギア」に入れたポジティブで活動的な印象を受けました。まだまだ不安は消えないですが、蛍光みを帯びた鮮やかなコーラルが気持ちを前に導いてくれているかの様です。

引用元:一般社団法人 日本流行色協会(JAFCA)
https://www.jafca.org

 

2.PANTONE「ベリー・ペリ(Very Peri)」

2022年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーには、活気のある赤紫の色味を帯びたダイナミックで紫がかった淡いブルーの新色、PANTONE® 17-3938 Very Periが選ばれました。私たちは今、変革の時代に生きています。パントン・ファッション、ホーム + インテリアのカラーパレットに新たに追加となった色、PANTONE 17-3938 Very Periは、今のグローバルな時代精神と私たちが経ている変遷の象徴です。孤立していた厳しい時代から抜け出すにつれ、私たちの概念や基準は変わりつつあります。私たちの創造的精神を活気づける、屈託のない自信と大胆な好奇心を示す、探究的で興味をそそるPANTONE 17-3938 Very Periは、私たちがこの変わってしまった可能性の展望を受け入れ、人生を書き換えるような新たなビジョンへと導いてくれます。ブルーの持つ誠実さと不変性、レッドの持つエネルギーと興奮を融合させた、この最も幸せで暖かいブルーの色合いは、元気を与える新しさの素を注入します。ブルーが象徴するいくつかの性質への感謝の気持ちを呼び起こし、今日に響く新しい視点を加えたPANTONE 17-3938 Very Periは、未来を新たな光で照らし出します。

Key words
変遷の象徴 / 屈託のない自信と大胆な好奇心 / 新たなビジョンへと導き / 元気を与える新しさの素

カラーコード:#6667AB
RGB値:102,103,171
HSV値:239,40,67
CMYK:40,39,0,32

 

カラー・オブ・ザ・イヤーのために新色が作られたのは、実は初めてのことで、ベリー・ペリの変遷の象徴や人生を書き換えるような新たなビジョンなどの意味にも通じるものを感じます。また、パントンストア・ジャパンでベリー・ペリを使ったカラーパレットを紹介しています。

引用元:パントンストア・ジャパン
https://www.pantone.jp

 

3.トレンドカラーから推測するデザインの傾向

上記の2色のトレンドカラーは、どちらもポジティブでアクティブなメッセージが込められています。2020年、2021年と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、なかなか前進できない状況だったので、2022年は心のモヤモヤを打ち破る強い決意を感じ、気持ちを切り替えて前に進まなければならない。そんな気持ちにさせられました。また、2022年のファッションやグラフィックデザインのトレンドでは、「90年代レトロ」等がキーワードになっています。90年代というとバブル崩壊で、日本全体に元気がなくなっていた時期でした。しかし、それに反するようにファッションや広告、TV番組など、ポジティブで明るい印象だったと記憶に残っています。例えば、リゲインのCMで24時間戦えますか?みたいな自分を奮い立たせるような力強いものもありました。今の時代ですとこの表現はアウトですが…。このように2022年のデザインの傾向も、トレンドカラーと華やかなデザインで世の中を明るくするのではないかと思います。

 

4.今回のまとめ

トレンドは20年周期で繰り返すといいますが、全く同じではなく常にバーションアップしていきます。今回はトレンドカラーを紹介しましたが、ファッションやデザインなど様々なものにトレンドがありますので、皆さんも2022年のトレンドをチェックしてみましょう。