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ビジネスメールの注意点|ビジネス文章で気をつけたい3つのポイント

リモートワークの機会が増えた昨今、ビジネスメール、社内・社外のチャットのやり取りなど、文章でやり取りする機会も増えたように思います。ビジネスにおいて文章のやり取りはコミュニケーションの手段の一つとしてとても重要です。たとえば、こんな経験のある人はいませんか?「得意先へのメール、失礼のないよう丁寧に書いていたらかなり時間がかかってしまった」「伝えたいことがうまく伝わらず、支離滅裂になってしまう」「いつも自動返信のようなそっけない文章になってしまう」「社内チャットのやり取りで怒ってる?と言われる」など。今回は、これらに思い当たる人にぜひ知ってもらいたい、ビジネス文章で気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。

1.敬語を意識しすぎない
2.自分目線での具体的な一文を入れる
3.「文章のみで伝える怖さ」を意識する
4.まとめ

1.敬語を意識しすぎない

メールで陥りやすいのが、丁寧すぎる文章を書こうとしてしまうことです。「お客様には丁寧に返信しないと」と、敬語に悩み筆が進まず、時間がかかってしまいがちです。「うまく書かないと」や「恥ずかしくない表現をしないようにしないと」また「何か気の利いた一文を入れないと」など、完璧を目指すあまり細部が気になって書いては消し、書いては消し、を繰り返すうちに何を書こうとしていたのかを見失い、支離滅裂な文章が出来上がってしまうことがよくあります。

感謝の気持ちを表す4つの言葉を意識してみる

お客様だから、得意先だからと過度に丁寧な敬語を使う必要はありません。敬語を意識するあまり、まどろっこしい文章になりかねません。どの程度の敬語を使っていいかわからない場合は、以下の4つの言葉を使って文章を構成してみましょう。

・メールにて失礼いたします
・お忙しい中(ご多忙の中)
・恐れ入りますが(恐縮ながら)
・幸いです

これらの4つの言葉を使い、「相手の貴重な時間をいただくことへの感謝の気持ち」と「そのことに恐縮する気持ち」を表現すれば、誠意は十分に伝わります。

 

2. 自分目線での具体的な一文を入れる

まずはこの例文を読んでみてください。

お世話になっております。原稿をお送りいただきありがとうございます。確認させていただきました。
とてもいいと思います。それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

こんなメールをもらったらどう思うでしょうか?なんともそっけない感じがしますよね。自動返信のような、「誰にでも言えること」だからです。この文章をこんな風に変えてみたらどうでしょうか。

お世話になっております。原稿をお送りいただきありがとうございます。確認させていただきました。
とてもいいと思います。特にP3からの高校時代のエピソードが素晴らしかったです。わたくしも、学生の頃は部活動に励んでいましたので、青春時代が蘇ってきて、グッときました。次回も楽しみにしております。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

どうでしょうか。たったこれだけの、具体的な感想を添えるだけで印象がガラリと変わったのではないでしょうか。相手の印象に残る文章にしたいからと、特別なことをしなければならないわけではありません。形式的なメールの文面であっても、たった一行「具体的な内容」を入れるだけでいいのです。

 

3. 「文章のみで伝える怖さ」を意識する

文章には表情も声のトーンも加えられない、ということを常に意識するように心がけましょう。送られてきたメールや社内チャットのメッセージを読んでカチンときた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。しかし、ほとんどの場合、そのメールの送り主は相手にそんな思いをさせているという自覚がありません。文章には相手に嫌な思いや不愉快にさせる危険があるということを意識していないと、知らず知らずのうちに相手を傷つけてしまう可能性があります。

まず感謝を伝えること。また必ず敬語を使うこと。

メッセージアプリでは特に、要件だけのような文章が飛んでいってしまいがちです。まずはお礼を伝えることで、文章のそっけない印象を和らげることができます。また、そっけない言葉や、不愉快にさせる言葉の共通点は「相手に敬意が感じられないこと」です。当たり前ですが、どれだけ親しい間柄であっても、ビジネスにおいては必ず敬語で伝えるようにしましょう。また、送ってしまう前に一度「この文章が逆に自分に届いたらどう思うだろう」と相手の立場に立って考えてみましょう。たとえば、取引先の相手と電話で少し言い合いになったとしましょう。その直後は気持ちが昂っていて、メールに感情を乗せてしまいがちです。そんな時はすぐに送るのではなく一旦寝かせましょう。お茶でも飲んで一息ついてからもう一度読み直してみてください。余計な一言や皮肉っぽくなっていないか、注意が必要です。ビジネス文章には余計な感情は載せるべきではありません。直接口頭で伝えるよりも文章になることで言葉は鋭く感じることがあります。

 

4. まとめ

いかがでしたか?ビジネス文章において、この3つがとても大切です。私自身「いつも意識できているだろうか?」と不安になりながら書いていました。「文章は凶器になる」というと大ゲサかもしれませんが、顔の見えない相手だからこそ、相手の気持ちに立って、これまで以上に気を引き締めて文章でのコミュニケーションを大切にしたいと思います。

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