投稿日:|更新日:

DECAX|現代の購買行動モデル

「DECAX(デキャックス)」をご存じですか? スマホ世代の購買行動モデルで、2015年に電通の内藤氏が提唱しました。マーケティング分野やWEB分野では広く知れ渡っているようです。これまでも「AIDMA」や「AISAS」など多くの購買行動モデルが提唱されてきましたが、インターネットが普及し、SNSが普及し、消費者が買い物する場所や求めることが時代と共に新しくなっています。「DECAX」を知っておくと、販促を継続する大切さが見えてきますよ!

1.スマホ世代の購買行動モデル「DECAX」
2.実際のDECAXで、たくさんのコンテンツに触れてたことが分かった
3.良好な関係構築が選ばれる要因に

1.スマホ世代の購買行動モデル「DECAX」

①Discover(発見)
AIDMAやAISASでは「Attention」=企業が消費者へ向けて注意を引くことから始まっていましたが、スマホ世代の購買行動は「Discover」=自ら発見することから始まります。ネットの発達に伴ってウェブサイトが増え、検索エンジンでワードを入力すれば知りたい情報が即座に得られるだけでなく、SNSの台頭はユーザーの居場所といえるほど盛大なものになりました。情報が手軽に得られる半面、情報が多すぎることから、かつて主流であった企業から注意を引くことの効果も変化しています。現代の消費者は主にWEBを駆使して「自ら情報を発見しにいく」という行動に移り変わっています。

②Engage(関係構築)
ここでの関係構築は、企業が消費者へ向けて有益な情報を提供し、信用してもらうことで企業と消費者の関係を築くことです。有益な情報の提供とは、消費者がWEB記事の閲覧、メルマガ登録、SNS投稿のいいね・シェアや、気になった商品を繰り返し調べることです。企業のコンテンツに継続して触れることで、また消費者が反応することで、関係を深めていきます。

③Check(確認)
関係構築の過程で、消費者はコンテンツや商品、企業が本当に信用できるかを確かめます。情報が溢れるウェブの世界で目立とうと、誇張表現やステルスマーケティングなど偽ってまで購入を促す企業が現れた背景から、消費者は情報の信憑性や企業の誠実さを求めるようになりました。コンテンツや商品説明は、信憑性が高く誠実な内容でなければなりません。

④Action(行動)
関係構築・確認で企業や商品を信用し、必要と確信したら行動=購入します。ECなら購入手続きしやすいインターフェイスである必要がありますし、店舗なら商品の見つけやすさも大切です。

⑤Experience(体験&共有)
商品を購入し実際に使うことを体験といいます。体験のあとは、感想を共有します。SNS、ブログ、商品レビューのオンライン上での共有も、友達や家族とのおしゃべりで話題に上がるオフラインでの共有も、ここでの共有に含まれます。いい体験であればいい言葉で共有され、また新たな消費者との接点が生まれる可能性が広がります。第三者からの情報は、信憑性や信頼感が増す「ウィンザー効果」という心理効果があるようです。

[メモ]
今までの主な購買行動モデル
AIDMA…マスメディア時代の購買行動モデル。1920年代に提唱。
AISAS…インターネットが普及された時代の購買行動モデル。1995年に提唱。
SIPS…SNSが発達した時代の購買行動モデル。2011年に提唱。
DECAX…コンテンツマーケティングに対応した購買行動モデル。2015年に提唱。

 

2.実際のDECAXで、たくさんのコンテンツに触れていたことが分かった

実際のDECAXを見てみましょう。筆者が3年前に掃除機を買い替えたときのエピソードです。

[ニーズ]
吸引力が下がってきた。子どもが食べこぼした米粒も吸わない。2年毎に安価な掃除機を買ってたけど、しっかり吸って長く使えるのがいいなぁ。うちは2階建てだし、コンセントの差し直しが面倒だからコードレスタイプが欲しい。

①Discover(発見)
ざっくりと「掃除機」と検索。D社の商品を見つけ「吸引力が変わらない…」のキャッチコピーを思い出す。友達がD社の掃除機使ってたことも思い出す。
⇒検索で改めてD社商品を発見し、テレビCMのキャッチコピーとニーズがマッチした。
[タッチポイント]検索エンジン、広告(テレビCM)、友人

②Engage(関係構築)
ラインナップをウェブ検索。価格ドットコムで金額、口コミ、他社製品との違いを調べる。メーカーサイトではアタッチメントの使い方や保証期間を調べる。
⇒使用者の感想を知れたことでD社商品の魅力を感じる。
タッチポイント⇒価格ドットコム、メーカーサイト

③Check(確認)
ボーナスが入ったので購入前の最終確認。ショッピングサイトで値段を比較。今まで買った掃除機の中でいちばん高価だったので、ショッピングサイトのレビュー欄でもメリット・デメリットを把握した上で購入を決意。
⇒口コミで買ってよかったという声は後押しとなった。
[タッチポイント]ショッピングサイト

④Action(行動)
よく使うショッピングサイトの最安値のショップで購入。
⇒ポイントがたくさん還元されることから、いつものショッピングサイトを利用。
[タッチポイント]ショッピングサイト

⑤Experience(体験&共有)
しっかり吸ってくれて最高!購入から3年経った今も本当に「吸引力が変わらない…」を実感。友達や家族にこの掃除機の良さを教えた。
⇒CMのキャッチコピーが嘘でなかったことに、メーカーの質の高さと誠実さを感じた。レビュー投稿に特典があれば投稿していたかも。
[タッチポイント]商品、友人・家族

体験を書き出してみると、自発的に情報収集し買い物していたことが分かりました。情報を得るために多くのコンテンツに触れていることも判明。コンテンツの正確性を求めて、利用者が多い3つのウェブサイトを閲覧していたように思います。マスメディアであるテレビCMは、商品を知るきっかけとしての効果も感じました。

 

3.良好な関係構築が選ばれる要因に

売り込み型のセールスが限界を迎え、消費者が知りたい情報を提供するコンテンツマーケティングが主流になっています。広告においても、商品そのものの強みを主張する表現から、個人のベネフィットを伝えることが重要視されています。消費者が買いたい気持ち・買いたいタイミングになるまで、コンテンツによるコミュニケーションで継続的な関係構築が大切です。むやみに販促ツールを作るのではなく、DECAXに沿った販促で消費者との良好な関係を築いていきましょう。