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デジタルインセンティブで販促施策を加速!

あなたは、物を買う時、どのようなきっかけで購入しますか?「ただいまのお時間から、全品半額!」や「10,000円以上の購入で、今話題の〇〇プレゼント」こんなひとことから、買う予定のなかった物を購入してしまったことがある、という人は多いのではないでしょうか。
こうした「インセンティブ」を活用した販促手法は、昔から行われており、現代でも重要な施策として変わらず取り入れられています。
しかし近年では、スマートフォンの普及に伴い、アプリで使えるクーポンやポイント配布、デジタルスタンプカードなど、従来の施策に加えてデジタルならではのインセンティブ施策も増えてきています。
今回は、購買の動機を生み出すインセンティブ施策の種類や特徴、デジタルインセンティブ施策の活用ポイントについてご紹介します。

1.インセンティブ施策とは

インセンティブ施策とは、商品やサービスそのものを変えずに、プラスアルファの価値を与えることです。
たとえば、商品の割引や、おまけを付けたりすること。キャラクターグッズのおまけが付いたペットボトル飲料や、ミニサイズのサンプルがついた日用品などを購入したことはありませんか?また、「2点以上購入で、10%オフ」などもインセンティブの1種です。
それでは、一般的によく用いられるインセンティブ施策の種類をご紹介します。

●値引・割引:クーポン提示で割引 など
●ポイント付与:会計金額に合わせてポイント付与 など
●総付景品:ノベルティ付きペットボトル飲料 など
●一般懸賞:対象商品お買い上げの方から抽選で賞品が当たる など
●オープン懸賞:クイズに正解した人の中から抽選で賞品が当たる など
●共同懸賞:商業施設内の対象店舗でのお買い上げで福引参加券プレゼント など

 

誰しも一度はこれらのインセンティブによって商品を購入した経験があるのではないでしょうか。「インセンティブ施策」は販促施策の中でも特に古典的な手法ですが、かなり効果の高い手法といえます。

 

. スマホの普及率拡大によって加速するデジタルインセンティブ

デジタルインセンティブとは、文字通りデジタルコンテンツを活用したインセンティブ施策であり、15年ほど前に誕生しました。最初はオリジナルの待ち受け画像や着信メロディーなどを無料で提供するキャンペーンから始まりましたが、スマートフォンの普及率拡大により、現在では様々な種類が展開されています。
それでは、デジタルインセンティブについても、よく用いられる施策の種類をご紹介します。

●電子マネー
PayPay、楽天Payなどのキャッシュレス決済サービスで「20%還元キャンペーン」など、支払い金額に応じて何割かが戻ってくるキャンペーンが代表的。
●デジタルギフト券・商品引換券
オンラインで送ることができるギフト券。Amazonギフト券が代表的ですが、LINEでメッセージと共にギフトを送れるLINEギフトも人気。
●電子クーポン
アプリやビジネスLINEアカウントなどからオンラインで送ることができる特典付クーポンのこと。集計も自動で行われるため、紙媒体のクーポンと違い、正確な効果測定ができます。
●ポイント
ECサイトなどで使えるギフトコードなどでポイントを付与すること。各社独自のポイントは、顧客満足度を高めたり、サービスの乗り換えを防ぐ効果がある。
●デジタルコンテンツ
デジタルコンテンツなどの無形商材を取り扱っている企業が、その一部をデジタルノベルティとして配布を行うこと。教育業界やゲーム業界に多い。また、「公式LINEアカウントを友だち追加でLINEスタンププレゼント!」もデジタルコンテンツの一種です。

 

もうすでに、皆さんの身の回りでもよく目にするようになっていますよね。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、2010年にはわずか4%だったスマートフォンの普及率は、2024年には97%にまで達しました。こうしたスマートフォンの普及に伴いデジタルインセンティブ施策も増加しましたが、さらに2020年の新型コロナウイルス流行を契機に、その活用は一気に加速しました。
当時は外出自粛によって実店舗の売上が落ち込み、オンラインショップの開設が求められたほか、突然のイベント中止でノベルティを配布できず在庫を抱えてしまうケースも相次ぎました。こうした背景から、リアルでのインセンティブ施策にはリスクが伴うと認識され、多くの企業がデジタル施策へとシフトするきっかけとなったのです。
非接触で顧客とコミュニケーションを取れる点は大きな魅力であり、現在ではデジタルインセンティブは一般的な手法として定着しています。

 

. デジタルインセンティブ施策のメリットとデメリット

そんな今の時勢に合った、デジタルインセンティブですが、当然メリットがあればデメリットもあります。デジタルインセンティブの持つ特性を理解し、自社の商品やサービス、またブランドのイメージに合っているか、を見極めて施策を立案しましょう。

メリット

・実物の制作が不要のため、低コスト
・ノベルティの在庫を抱えるリスクがない
・オンラインショップなどで利用ができるため、店舗が近くに無い人でも利用できる
・若い世代に展開しやすい
・スマートフォンで手軽に利用できる
・クーポン利用枚数の集計が正確にできる
・オンラインで発信できるため、「今から1時間限定クーポン」など、時限付きの施策も可能

デメリット

・デジタル機器に不慣れな人・年代には訴求しづらい
・実物があるリアルのインセンティブに比べ、バリエーションが少ない
・割引やポイント付与などが多く品格を重んじるようなブランドには向かない場合がある
・短期に終了してしまうものが多く、キャンペーン終了後も継続して利用してもらうハードルが高い(アプリなど)

 

.  まとめ

インセンティブ施策は、古くから購買意欲を喚起するために用いられてきた代表的な販促手法です。近年はスマートフォンの普及やコロナ禍を経て、デジタルインセンティブが一気に広がり、いまや一般的な施策として定着しました。
デジタルインセンティブは、低コスト・在庫リスクがない・手軽に利用できるといった大きなメリットを持つ一方で、ブランドらしさを表現しにくい、デジタルに不慣れな層には届きにくいなどの課題も抱えています。だからこそ、自社のブランドイメージや顧客層に合った手法を選び、デジタルならではの体験価値をどう設計するかが重要です。
「購買の動機」をつくり出すインセンティブ施策は、今後も形を変えながら進化していくでしょう。リアルとデジタル、それぞれの特性を理解し、最適なバランスを取ることが、これからの販促に求められる視点だといえます。