投稿日:|更新日:

ロゴデザイン|相場と価値を正しく知る

2025年現在、企業やブランドの顔とも言えるロゴデザインの重要性はますます高まっています。
特にデジタルメディアの進化により、ロゴは多様な媒体での使用が求められ、その設計には高度な専門性が必要とされています。
しかし、ロゴ制作の費用については「高すぎるのでは?」と感じる方も少なくありません。
この記事では、ロゴデザインにかかる費用の相場感や、その背景にある価値について、2025年現在の視点で解説します。

 

 

ロゴデザインの一般的な相場

ロゴデザインの費用は、依頼する相手やプロジェクトの規模により大きく異なります。以下はあくまで目安ですが、参考になる金額感です。

フリーランス(駆け出し)
価格帯の目安:3〜10万円
安価に依頼できる一方で、経験や提案力にばらつきがある場合があります。

フリーランス(中堅〜ベテラン)
価格帯の目安:10〜30万円
これまでの実績やヒアリング力を活かし、より具体的で納得感のある提案が期待できます。

デザイン事務所・制作会社
価格帯の目安:20〜80万円
ロゴ単体だけでなく、ブランド戦略まで踏み込んだ提案が可能です。

ブランディング専門企業
価格帯の目安:100〜300万円以上
CI(コーポレート・アイデンティティ)を含めたブランド体系全体の設計に対応しており、中長期的な視点でブランドを構築したい企業に適しています。

 
価格が高くなるほど、「ヒアリングや戦略設計の丁寧さ」「用途に応じたロゴ展開の幅」「ブランド構築との一体性」などが求められ、単なる“見た目の良さ”以上の付加価値が含まれてきます。

 

 

高額ロゴの事例

たとえば、グローバル企業のロゴ刷新には高額が投じられたと言われています。

Most Expensive Logos In The World − 世界で最も高価なロゴ
https://thelogocreative.medium.com/most-expensive-logos-in-the-world-d5aa757fba61

 
1400億のSymantecのロゴ、110億のアクセンチュアのロゴ…一つのマークにとんでもない費用がかかっていますね。一見シンプルで、思いつきそうな形状のマークがどうしてこんな金額に?と思われた方もいるかもしれません。

これは単なるデザイン料ではなく、
・ブランド戦略の再構築
・世界各国への展開準備
・法務面でのチェック
・社内外の告知キャンペーン

など、企業全体のイメージ刷新にかかる包括的な費用が含まれています。

 

 

ロゴはどのようにしてデザインされる?

デザイナーがロゴを制作するにあたって、重要視している事は、大きく分けてこの2つです。

機能面
文字は読みやすいか、記憶してもらいやすいデザインになっているか、再現性は高いか、どのような媒体で使用されることが多くなるのか…などがキーになってきます。最近はスマートフォンファーストで、画面が小さくても見やすいシンプル&フラットなロゴが主流です。

感覚面
ブランドや企業の雰囲気にあったデザインや色味であるか、サービスによっては信頼感や安心感を与えられる印象のデザインか、ターゲットにマッチングしたデザインになっているか…依頼主の好みなどを反映させたりもします。

 
以上の基礎を念頭に置きながら、膨大な量のラフスケッチを描き、データに起こし、検証してさらにブラッシュアップします。
単純にマークのデザインをするだけならばデザイナーでなくても誰でも出来ますが、デザインは目に見える部分の要素であり、この部分に至るまでのパートに実際、一番多くの時間を費やします。それだけ、デザインの前段階の下ごしらえがとても重要ということです。

 

 

ロゴにとっては”見えない部分”が一番重要

ロゴの制作ではじめに行うことはまず、依頼主への入念なヒアリングです。

・企業理念などの基本情報
・今後の展開・計画
・製品の誕生秘話
・価格帯
・サービスのメインターゲット像
・ロゴを作る目的や用途

…など、関係するありとあらゆる情報を聞き取ります。制作側が一方的にヒアリングするだけでなく、依頼主側も積極的にストーリーを伝えていくことが大切で、そうすれば具現化した際には愛着が沸くようなロゴが生まれやすくなります。
ここでのヒアリングの内容を俯瞰的に分析し、さらに業界全体や競合他社などにも焦点を当てて調査を行っていきます。そのため、企業やサービスの規模が世間に与える影響が大きければ大きいほど、関わってくる情報の量も増えていきますし、調査しなければならない事柄も多くなっていきます。ロゴ制作にかかる費用が膨らんでいくのも当然ですよね。ただグラフィックを起こすだけがロゴデザイン制作ではないのです。
また、場合によっては商標登録や既存のロゴデザインとの重複がないか調査することも必要になってきます。簡易的ですが似ている商標がないかを簡単にチェックできる無料のサイトもあるので、ぜひ一度試してみてください。

Toreru商標検索
https://search.toreru.jp/
日本国内で登録されている商標を検索できます。画像をアップロードするだけで、AIが自動的に類似する商標を探し出してくれます。

 

 

安く抑えるのはNG?

「とりあえず安く仕上げたい」と思う気持ちは自然ですが、ロゴは長く使うものです。名刺・チラシ・看板・Webサイト・SNSアイコン…使う場面は広範囲にわたります。
また、後からロゴを変更すると、再印刷・再制作・顧客への浸透などに多大なコストが発生します。

 

 

まとめ

今回の記事でロゴ1つを完成させるために何が必要になってくるか、何に費用がかかってくるのか、ご理解いただけたでしょうか。
予算に合わせつつも、どこに価値があるのかを見極め、納得して依頼することが、後悔しないロゴ制作の第一歩になります。
ブランドをイメージ付け、グラフィックひとつでも顔となり広告となり機能しているロゴ。身の回りにあふれているロゴも、どういうストーリーで作られたのか、意味や歴史を調べてみると、今まで見えていなかったものが新たに見えてくるかもしれません。
ロゴを制作する際にも、的確に具現化していくためには、情報に重きを置いて思考していく事がとても大切になります。