優れたパッケージデザインとは何か?

今回のコラムは、商業デザインにおいて「優れたパッケージデザインとは何か?」「売れるパッケージデザインとは何か?」など、デザイナーやディレクターといったクリエイティブに携わる者にとって永遠のテーマとも言えるこの内容について、私たちなりの考え方を例え話など交えながら少しだけお話していきたいと思います。

目次
1. デザインのもつチカラ
2. 正しいだけではちっとも面白くない
3. 今回のまとめ

 

パッケージデザインのもつチカラ

あるビールメーカーが行った「パッケージを隠した数社のビールを試飲し、最も美味しいと思ったものを選んでもらう」という調査によると、「パッケージあり」の状態では自分がいつも飲んでいるブランドを選ぶ人が大半だったのに対し、「パッケージなし」の状態では、まったく違うブランドを選ぶ人が何人もいたそうです。この調査からもわかるように「パっと見の印象」 が人に与える影響は大きく、時にそれは中身の印象までも変えてしまうことがあります。我々は、この「パっと見の印象」をつくることが大切だと考えます。よって優れたデザインを持ち合わせた商品は、ファーストインプレッションで人の心をつかみ、好感を持たせるというアドバンテージを手に入れることができます。優れた商品であっても見た目で心をつかめなければ手にとってもらえない可能性だってあります。しかし一方で、商品が優れているならデザイン力で、市場が何倍にも増える可能性も含んでいるとも言えます。

正しいだけではちっとも面白くない

例えばビールならば「シズル感」、病院や歯科医院は「清潔感」が大事であるとか、いわゆるセオリーのようなもので、間違いのない基本的な方向性というものがあります。しかしこの正しいやり方は、すでに多くの同業他社が行っています。正しさに忠実なものは「その他大勢」の中に紛れてしまい、やがて消費者の目に留まらなくなってしまいます。正しさが間違っているというわけではありませんが、差別化を図っていくことはブランディングの観点からも非常に重要です。また、人がモノを買う際の直接的な動機は「心が動くとき」であると言われています。「興味」「共感」「驚き」「発見」「感動」これら5つの感情感覚が揺さぶられることで、人はその商品やサービスの購入を決定し、やがてファンになっていく。つまりそういった感情のフックがないものは、理論的、またはマーケティング的にどれだけ正しかろうと人は魅力を感じないということです。

今回のまとめ

人は、商品やサービスそのものはもちろん、それを購入したことによって得られる満足感や「これを買ったらこんな楽しいことがあるだろう」といった予感や期待させるストーリーといった目には見えない無形の価値にお金を払います。そういった価値をしっかりと提示できていれば、値段が高くても豊かなモノ、本当によいモノに人が集まります。つまり「優れたパッケージデザインとは何か?」という問いの答えは、「デザインが優れていると何がどう変わるのか?」を徹底的にイメージし尽くした先にあるのではないでしょうか。