コストではなく、投資で考える販促デザイン
広告・販促のデザインを「投資」の観点で考えたことはありますか? コストと捉えられて費用が削減されがちな企業は、一度立ち止まって考えてみたほうがいいかもしれません。広告・販促のデザインを作ることは、購買までの仕組みづくりともいえます。リリースして短期で終わるものであっても、決して単なる消耗品ではありません。投資の観点で取り組めば、長期的な売上に繋がっていくはずです!
1.何者か理解してもらうための投資
2.購買につなげる仕組みづくりのための投資
3.継続した関係づくりのための投資
4.働く人のための投資
1.何者か理解してもらうための投資
商品、サービス、ブランド、企業といった、ターゲットへアピールするために広告や販促を行うわけですが、アピールするものがどんなに秀逸であってもデザインがないがしろにされてしまっては本末転倒。それらの実体をわかりやすく的確に伝えるのが、デザインの役割です。内容が複雑なものや競合が多いほど、その効果を発揮します。例えば、2014年に開始した「NISA」。少額で資産運用を始められる制度ですが、やはり資産運用となると馴染みのない人にとっては抵抗を感じてしまうものです。その壁を取り払いターゲットへ理解してもらうために、わかりやすい言葉や図を用い、親しみやすいデザインに仕上げています。銀行のウェブやパンフレットを見てみてください。もしこれがデザインされていない、報告書のような文書だったらどうでしょう? 多くの人の興味を引くことができず、始めようと思う人が圧倒的に減るのではないでしょうか。(参考:三井住友銀行)
アピールするものをターゲットが理解できる言葉とビジュアルで伝えること。そのための投資と考えてみましょう。
2.購買につなげる仕組みづくりのための投資
店舗やECサイトの「売場」のデザイン費と、「売場にたどり着くまで」のデザイン費は、購買につなげる仕組みづくりのための投資と考えてみてください。まずは「売場」のデザイン。実店舗・EC共にコンセプトやターゲットを軸に、売場のデザインが決まってきます。その上で、お客さんが心地よく買い物するための動線づくりが最も重要です。価格の見せ方や商品説明も購買動機に大きく関わってきます。お客さんが欲しいものを見つけ出しストレスなく納得して購入するためにも、売場のデザインはきちんと投資すべき項目です。
一方の「売場にたどり着くまで」のデザイン費は、広告や看板などお店の存在を知ってもらうためのものです。オンラインでもリアルでも、見つけてもらわないと立ち寄ることができません。広告選びで大切なのは、適切なツール・適切な媒体を活用すること。ターゲットの行動を分析した上で決定しましょう。広告の出稿料はコストで見ると割りに合わない場合もありますが、広報活動や新規客と長いお付き合いにつながるための投資と捉えれば、決して高いものではありません。デジタル広告であれば、ターゲットを設定して届けられます。
3.継続した関係づくりのための投資
リピート客を獲得したいなら、リピートしたくなる関係づくりが必須です。2021年度の大手企業各社の広告の動きとして、大半が「継続した関係づくりのために顧客とのコミュニケーションに注力する」と答えています。一度購入してもらったら終わり、広告を一度実施したら終わりではなく、継続して存在を示し、継続して選ばれる活動をしていくのです。直接的なものを挙げると、DMやメルマガを送ること、SNSでフォロワーを獲得し情報発信し続けることが代表されます。上位客をイベントに招待することや、アンケートや意見・感想を募ることもコミュニケーションの一環です。いずれもクリエティブ面を怠ってしまうと「質が下がった」と思われて顧客が離れかねないので、継続してデザインのクオリティを保っていきましょう。
4.働く人のための投資
自信を持って商品やサービスをお客さんに勧めるには、現場で売る働く人が自信を持てるデザインを提供しなければなりません。先述の売場デザイン、商品パッケージ、サービスを説明する案内、売場を彩るポスターなど全てが意図に基づくデザインであれば、働く人自身の快適さや自信につながるはずです。先程の「NISA」のように、説明が分かりやすくデザインされているからこそ、自信を持ってお客さんに勧められるのです。機会損失にならないためにも、デザイン投資すべきなのです。
日本でもデザイン投資を進める企業が増えています。企業とターゲットの双方を理解するデザイン会社をパートナーに選びましょう。投資の観点で考えることで、未来が明るくなるかもしれませんね。