オリエンテーション|広告に求められる「企画」の重要性
皆さんは「良い広告」と聞くと多くの方は「見栄えのよいオシャレなもの」を思い浮かべるのではないでしょうか?
もちろんデザイナーが見栄えを大切にするのは当然のことですが、見え方以前に一番重要視しなければならないことがあります。それが「企画」です。「企画」がしっかり立っていると、デザイナー・クライアント側双方の仕事の効率がグッと上がります。今回はそんな「企画」の重要性について、お話していきます。
1.「企画」とは?
2.「企画」を立てるメリット
3.オリエンテーションが企画立案のキモ!
4.デザイナーもどんどん発言しよう
5.まとめ
1.「企画」とは?
そもそも「企画」とは一体何でしょう?辞書で調べると、「ある事を行うために計画をたてること。また、その計画。くわだて。」と記載されていますが、今回語る「企画」における計画とは、商品やサービスを売るために、商品の種類やターゲットの顧客層・予算などに関する情報を収集し、ひとつの広告を作る一筋の道しるべを作ることを指します。
2.「企画」を立てるメリット
その道しるべが明確であればあるほど、早い段階からデザインのテイスト・強く伝えたいこと・出来上がりのイメージをお客様と共有しやすくなります。クライアント側も一体どんなデザインに仕上がるのだろう?という不安を払拭することができますし、方向性が見えているとお互い時間的・精神的余裕ができ、どんなデザインにするのがベストかをより深く探ったり、新たな意見が生まれブラッシュアップされていき双方が納得のいく広告が出来上がります。その時、「広告を打つ意味」の価値やメリットを見出すことができ、胸を張って世に広告を送り出すことができるでしょう。
3.オリエンテーションが「企画」立案のキモ!
そこで欠かせないのがクライアントによるオリエンテーションです。クライアント側に立つ方々は、このオリエンテーションの前にセクション2で述べた「広告を打つ意味」をしっかり考えておく必要があります。現状の課題・ターゲット・どの媒体に打ち出したいか などがそれに当てはまります。それを伝えた上で、発注を受けたデザイン会社内で「企画」立案がはじまります。デザイナー陣がオリエンテーションの内容を踏まえて大きい「企画」という柱を構築し制作を進めていくので、要望がキチンと伝えられていないとデザイナーが舵を取ることができなくなり、与件の整理にばかり時間を要しデザインが上がってくるのが遅くなる。そのうえ、要望とズレたものが上がってくるなどの問題が発生しかねません。「企画」の軸がしっかりと定まるよう、オリエンテーションでは明確に要望やお悩みを漏れなくお伝えするように心がけましょう。
4.デザイナーもどんどん発言しよう
また、デザイナーはクライアントに提示された要望に応えるのみではなく、今までの経験で得られたアイデアを共有しましょう。そうすることでより深い意思疎通を図ることができ、デザインの案出しの際に方向性がイメージしやすくなったり、デザインバリエーションの幅が広がったりすることで、アウトプットの質が上がるメリットがあります。デザイナー側からすると、オリエンテーションはクライアントの商品・サービスの新しい魅力を引き出すチャンスです。積極的に自分の意見を述べ、クライアントのことをよく知る有意義な時間にしなければなりません。そうすることで、企画にマッチしたトンマナが明確になったり、どうレイアウトすれば伝わる紙面になるか?などが考えやすくなり、よりスムーズに制作を進めることができるようになります。
5.まとめ
今回は「企画」の重要性についてお話しました。広告制作はどうしても見栄え重視な思考に陥りがちです。どんなにおしゃれな広告でも「企画」が曖昧で内容がカラッポな広告だと受け手に全く刺さらないものになってしまいます。デザインは感覚的に作るものではなくアタマを働かせて、クライアントの課題解決に向けてどう情報を組んでいけば一番魅力を感じるデザインになるのかをしっかりと考えることが重要です。そこに見栄えをトッピングすることでより良いものとなり、より多くの人の目に留まることで広告としての効果を発揮するでしょう。「企画」を立てるためにクライアントもしっかり情報を伝えなければならないし、デザイナーもそれを噛み砕いてデザインに落とし込む。お互いの意思疎通が、制作フローを円滑に進めていく重要なポイントとなるのです。