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デザインと売上の関連性|見た目の良さだけでは成果は生まれない

業種を問わず、どんな会社でもロゴや会社案内、パンフレットやチラシ、パッケージやウェブサイトなど「デザインされたもの」が身の回りにあります。その中でもパンフレットやチラシ、パッケージなどの販促物は、顧客が触れるため売上を大きく左右するものです。デザイン制作を依頼する際、「いいデザインにしたい」と考えがちですが、果たしてそれだけでいいのでしょうか?

 

1. 「デザイン=見た目を整える」では、成果は生まれない
2. デザインが売上に直結する理由
3. デザインを過信しないこと、「売れる構造」とのバランスが重要
4. デザインが成果を生むための条件
5. 売上を生むデザインに共通する“考え方”
6. まとめ

 

1. 「デザイン=見た目を整える」では、成果は生まれない

多くの企業が「いいデザインを作れば売上が伸びる」と考えています。
しかし現実には、どれほど美しいビジュアルを作っても、成果につながらないことが少なくありません。なぜでしょうか。それは、多くの人が「デザイン=見た目を整えること」と捉えてしまっているからです。
しかし、本来のデザインとは“目的達成のための設計”であり、売上や行動変容を導くための戦略そのものです。
デザインとは、言い換えれば「売れる仕組みを形にすること」。そのため、単に表層を美しく整えるだけではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」を意図的に構築する必要があります。
 
 
 

2. デザインが売上に直結する理由

デザインが売上を左右する理由は、感覚的な好印象にとどまりません。
人の購買行動には“無意識の判断”が多く含まれており、その判断にデザインが強く作用するからです。
 

第一印象が“信頼”を左右する

Webサイト、パッケージ、チラシ、店舗など、どんな接点においても人は3秒以内に印象を決めるといわれます。
デザインが整っていれば「しっかりした会社」「信頼できそう」と感じ、逆に雑であれば「不安」「安っぽい」と判断されてしまいます。
この信頼の第一印象が、購入や問い合わせなどの“行動”に影響を与えます。
 

情報の伝達効率が上がる

デザインは「見やすさ」や「理解のしやすさ」にも直結します。どれほど良い商品でも、文字情報が多すぎたり、導線が複雑だったりすると伝わりません。
レイアウトや配色、余白、アイコンなどの工夫で、情報が整理され、伝わりやすくなれば購買率は上がります。
 

感情を動かす“共感設計”ができる

売上につながるデザインは、単に目を惹くものではなく、感情を刺激し「欲しい」と思わせるものです。
ターゲットの生活や悩みを理解し、その人の“気持ち”をデザインで表現できれば、購買意欲は自然と高まります。
 
 
 

3. デザインを過信しないこと、「売れる構造」とのバランスが重要

デザインが売上を後押しすることは確かですが、万能ではありません。デザインだけで成果が出ないのは、以下のような理由があるからです。
 

ターゲットが明確でない

「幅広い層に届けたい」という要望は、結局「誰にも響かないデザイン」を生みます。デザインは特定の相手を想定してこそ機能します。誰に、どんな課題を解決してほしいのか、その軸がなければ、どんなに美しいデザインも空回りします。
 

プロモーション戦略が欠けている

完成したデザインを“どこで、どんな形で見せるか”という戦略がなければ、見てもらう機会すら生まれません。媒体選定、広告配信、タイミング設計など、マーケティングの流れとセットで考える必要があります。
 

UX(体験設計)を無視している

特にWebサイトでは、デザインがどれほど綺麗でも「探しにくい」「重い」「ボタンがわかりにくい」といった体験上のストレスがあると離脱します。UI・UXを無視したデザインは、表面の美しさがかえって機能を損なうケースも多いのです。
 

効果検証がされていない

デザインの良し悪しは、主観ではなく数字で判断すべきです。A/Bテストやクリック率、離脱率などのデータを分析し、継続的に改善するサイクルを持つことで、デザインは“結果を生む資産”に変わります。
 
 
 

4. デザインが成果を生むための条件

では、売上につながる「成果を生むデザイン」とは何でしょうか。
それは、“見た目の良さ”にとどまらず、「目的」「一貫性」「行動導線」「検証」という4つの条件を満たしたデザインです。
 

目的が明確である

目的が“認知拡大”なのか、“問い合わせ促進”なのかで、構成もメッセージも変わります。目的に合わせてデザインを設計することで、初めて“成果を測定できる”形になります。
 

ブランド全体で一貫している

色・フォント・トーンなどの統一は、信頼感を生み出します。異なる媒体で印象がバラバラだと、企業としての軸が見えず、結果的に信頼を損ないます。
 

行動導線が明確である

デザインは感情を動かすだけでなく、行動を促すためのものです。ボタンの位置、問い合わせの言葉、レイアウトの流れ、これらすべてが“次の一歩”を後押しするように設計されていることが重要です。
 

検証と改善の仕組みがある

デザインは“完成”した瞬間がゴールではありません。市場や顧客の反応を踏まえ、継続的に改善を重ねることで、はじめて「売れるデザイン」へと育ちます。
 
 
 

5. 売上を生むデザインに共通する“考え方”

売上に結びつくデザインをつくるには、感覚やセンスではなく「構造的な思考」が必要です。
ここでは、私たちが現場で実践している基本的な考え方を3つ紹介します。
 

「誰に届けるか」を最初に決める

すべての表現は“ターゲット”がいなければ成立しません。性別・年齢・価値観・生活時間など、できる限り具体的に描くことが重要です。
 

「相手がどう感じるか」で判断する

“かっこいい”ではなく、“伝わる”、“行動したくなる”が基準です。自分たちの好みではなく、相手の心理に立脚することが成果を左右します。
 

「伝わる仕組み」をデザインする

文章・写真・余白・導線。それぞれが有機的に連動し、「理解しやすい」「信頼できる」「行動しやすい」状態を生み出すことが本質です。
このように、デザインを“感覚の世界”から“仕組みの世界”へ引き上げることで、はじめてビジネスにおける価値が最大化します。
 
 
 

6. まとめ

デザインは、売上を生む魔法ではありません。しかし、戦略と目的に沿って設計されたデザインは、確実に成果を後押しします。
視覚的な印象は人の判断を左右し、行動を変える力を持っています。その力を正しく理解し、戦略の中で機能させることができれば、デザインは“コスト”ではなく“投資”になります。
つまり、「デザインと売上の関連性」は、センスではなく設計で決まる。デザインを単なる装飾ではなく、“成果を導く仕組みづくり”として捉える。その意識の変化こそが、企業の成長を加速させる最初の一歩になるのです。
設計からデザインを考えたい方、お悩み事やご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。