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Z世代に響く広告・販促戦略|日本国内の事例から学ぶ次世代マーケティング

前回はZ世代に効果的な広告・販促の概要を記事にまとめましたので、今回は日本でZ世代をターゲットに成功した広告・販促戦略の事例を紹介したいと思います。本記事では、日本国内でZ世代向けに展開された広告や販促活動の中から、特に成功した事例を取り上げ、どのような要素がZ世代の心を捉えるのかを探りたいと思います。

 

 

1. ソーシャルメディアキャンペーン

Z世代にとってソーシャルメディアは情報収集の主要手段であり、友人やフォロワーとのコミュニケーションに対して積極的で、X(旧Twitter)、Instagram、スナップチャット、TikTokなどのプラットフォームで多くの時間を過ごしています。これらのプラットフォームで目を引くキャンペーンを展開することで、Z世代の注目を集め、拡散につながります。

 

例:アネッサの「#アネッサは強いだけだと思ってた」キャンペーン
アネッサは日焼け止めの効果だけでなく、保湿力もアピールするためのハッシュタグキャンペーンをX(旧Twitter)で実施。フォロー&リツイートでインスタントウィン形式の抽選に参加でき、1万人に当選のチャンスがあることで、多くのユーザーが参加しました。

https://www.shiseido.co.jp/anessa/

 

 

 

2. インフルエンサーマーケティングを活用したリアルなストーリーテリング

Z世代は広告に対する抵抗感が強く、ソーシャルメディアを通じたインフルエンサーの影響を受けやすく、彼らが推奨する商品やサービスに対して高い信頼を寄せています。

 

例:カネボウ化粧品「#ゼロダンス」
カネボウ化粧品は、TikTokで人気のインフルエンサー「ひかりんちょ」を起用し、「#ゼロダンス」というハッシュタグチャレンジを展開しました。かわいい振り付けと歌を通じて、商品のカバー力を楽しく効果的に訴求し、多くのユーザーにリーチしました

https://www.tiktok.com/tag/%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9

 

 

3.動画コンテンツを利用した商品広告

動画コンテンツは、Z世代にとって学習、エンターテインメント、コミュニケーションの主要な手段となっており、彼らの生活様式や消費行動に大きな影響を与えています。動画は情報を迅速かつ効率的に伝える手段なので、テキストベースの情報よりも短時間で多くの情報を摂取できます。

 

例:日清食品とSorotaniのコラボ
日本で有名なYouTubeチャンネル「Sorotani」は、ユーモアたっぷりのアニメーションを通じて、日清の「UFO焼きそば」をプロモーションしました。このキャンペーンでは、2か月間で200万回以上の視聴を達成し、大成功を収めました。

https://www.nissin.com/jp/products/cm/394

 

 

4.個性を尊重するカスタマイズオプション

Z世代は自分の個性を表現することに価値を感じます。彼らの好みやニーズに応じてコンテンツやサービスを調整することで、ユーザーとの関係を強化し、ポジティブな体験を提供します。

 

例:Nike By You
スニーカーブランド「ナイキ」は、オンラインで顧客自身がデザインできるカスタマイズサービスを提供しています。厳選されたカラーパレットやプレミアムな素材から自由に選べるため、Z世代の間で「自分だけの一足」を作ることが流行っています。このサービスは、彼らの創造性を刺激し、スニーカーへの愛着を深める効果があります。

https://www.nike.com/jp/nike-by-you

 

 

5.ゲーミフィケーションを利用したセールスプロモーション

ゲーミフィケーションは、ゲームの要素や原理を非ゲームのコンテキストに適用することで、エンゲージメントを高め、モチベーションを向上させる手法です。

 

例:ハッピーセット「みんなで!パーティーゲーム」
日本マクドナルド株式会社は、「人生ゲーム」や「黒ひげ危機一発」、「はぁって言うゲーム」などの人気や話題のパーティーゲームをマクドナルドオリジナルのルールやデザインに変え、ハッピーセットにて販売しました。ルールを守って楽しむパーティーゲームを通じて、社会性や感情を育むのが目的です。

https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2023/1110a/

 

6.直接的なコミュニケーションとフィードバックの機会

デジタル技術に精通しているZ世代には、新しい技術を使用した体験が特に魅力的です。直接的なコミュニケーションは、Z世代のエンゲージメントを高め、彼らのニーズに応えることにつながります。

 

例:teamLab Borderless
東京の渋谷に位置する「teamLab Borderless」は、デジタルアートと物理空間が融合したインタラクティブな展示を提供しており、若者たちを中心に大きな人気を博しています。訪れた人々は、自分たちの動きに反応して変化する光のアート作品に触れながら、その体験をソーシャルメディアで共有することが目的とされています。このような体験は、参加者に強い印象を与え、自然と話題を呼ぶことにつながっています。

https://www.teamlab.art/jp/e/tokyo/

 

 

これらの事例から明らかなように、Z世代にアピールするには、彼らの価値観に合った革新的なアプローチが求められます。デジタル技術の活用、個性の尊重など、意識を高く持ち彼らの期待に応えることが成功の鍵となるでしょう。