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これからのマーケティングに必要な「女性向けの視点」

時代の流れとともに、女性の生きやすさに目を向けた動きが欠かせなくなっています。女性にフォーカスした商品やサービスが注目され、世の動きとしても女性が働きやすい法整備や女性役員の就任が推進されています。
マーケティングにおいても、ターゲットが女性であれば女性ならではの市場を分析し、取り入れていくことが重要です。
これからの時代に生き残るための『女性向けの視点』、あなたの会社では理解されていますか?

 

1.消費の80%は女性の意思決定によるもの
2.女性は過程や空間を楽しむ
3.年代・ライフステージだけのターゲティングは時代遅れ

 

 

 

1.消費の80%は女性の意思決定によるもの

これを聞いて男性は驚くかもしれません…が揺るぎのない事実です。
なぜなら日常で購入するモノのほとんどが生活必需品や日用品であり、その使用者が割合は圧倒的に女性が多く、彼女たちからニーズが生まれるといえます。油がしっかり落ちる食器洗剤がほしい、軽くて耐久性が高いフライパンがほしい、整理しやすい冷蔵庫がほしい。
これらは実在するものですが、女性の声を吸い上げて実現できたものです。身の回りのものの性能は女性の方がよく知っています。また使い勝手や資金繰りの面から、自動車や住宅の高額購入も女性の意思決定が大きく比重しているといわれています。

最近、時短家電や時短レシピなど「時短家事」がニーズとして高まっているのをご存知ですか?
女性が育児や介護の担い手になることが多く、その女性たちが日常生活の負担軽減を求めているからです。昔も今も、女性視点で開発された商品・サービス、女性に寄り添ったアプローチができる企業は女性から支持されてきました。
つまり、生活必需品においては女性から支持されたものが強し、と言い切ってよいでしょう。

 

2.女性は過程や空間を楽しむ

脳の男女差に、男性は物事の中心を見て結果に重きを置く、女性は物事の周辺を見て過程を楽しむ特徴があるといわれています。
買い物をする時、男性は目当ての物がある売り場に行き、スペックを比較して選ぶ傾向があります。対して女性は、目当ての物を探しながらも他の売り場を見たり店員と会話したり、買うまでの過程を楽しむ傾向があります。選択の基準はスペックよりも自分に合うか・自分が幸せになれるかが多いようです。

日常の買い物に例えて考えてみます。スーパーでひき肉を買うとしましょう。
どの肉を買おうか、何を作ろうか、そんなことを考えながら肉売り場を見ていた時、隅の方に餃子の皮を見つけたので夕飯を餃子に決めました。ひき肉は豚がいいな、今日必要なグラム数はどのくらいだろう、我が家の財布に見合った質と価格はこれだな。それらを考慮して数ある中からその人に合った1パックと、家族が好きなもっちり感が売りの餃子の皮1袋をカゴに入れました。
よくありそうなシーンですが、周辺と過程に重きを置く女性特有の購買行動といえます。買い物の過程で肉売り場に行き、周辺にあった餃子の皮に出会い、今日の夕飯が決まり、自分の家庭に合ったひき肉と餃子の皮を購入しました。きっと家族が喜ぶ夕飯になったでしょうね。

ひき肉のエリアに餃子の皮が置いてあるのは、とても女性視点のマーケティングなのです。買い手にとっては売り場からメニューの提案をしてもらっている、売り手にとっては能動的に購買を促すことができている、そんなウィンウィンな結果を生んでいます。POPがあるとさらに引き立つでしょう。ひき肉ひとつとっても、女性の購買心理は単にひき肉を求めているのではないことが分かります。

 

3.年代・ライフステージだけのターゲティングは時代遅れ

「30代女性・パートタイム・子どもあり」といったターゲット設定は今は昔。現代の女性マーケティングは「年代」「ライフステージ」「ライフコース」「価値観・趣味嗜好」まで検討する必要があります。

年代

20代・30代…といった区切り方は主に美容や食品、健康の分野では有効的。ですが、後述の3項目が重要な場合、年代の区切りに囚われなくてもいいケースもあります。

ライフステージ

就職・結婚・出産・育児・介護と、王道を見ても男性に比べてステージが多くあります。
ここで注意が必要なのが、誰もが全てのライフステージを通るのではないということ。また体や心の変化も多いため、販促の際は言葉選びも重要です。

ライフコース

近年、ようやくこの考え方が取り入れられるようになりました。代表されるのが、ワーキングシングル・DEWKs(共働き&子育て中)・DINKs(子のいない共働き夫婦)・ 専業主婦。
同じ年代でも様々なことが分かります。ここでの注意点は、そのライフコースを意思選択している人がいることと、そうでない人がいることです。また「現時点」でそのライフコースにいるが、未来は別のライフコースを目指している可能性もあります。「この人はこう」という固定概念で捉えないようにしましょう。

価値観・趣味嗜好

キャリアに注力する人、サブカルが好きな人、流行りの場所へ行くのが好きな人、TikTokで注目されたい人などなど、その人の価値観・趣味嗜好によっても見せ方が異なります。

 

従来のステレオタイプなターゲティングは、還って間口を狭めている可能性があります。女性全員がピンクを選ぶわけでもないですし、花束やミルクティーで喜ぶわけではないことを理解しましょう。
たくさんの女性に使って欲しいのであれば単一なプロモーションではなく、ひとつの商品・サービスに対してのプロモーションを多様化させるすべきです。

 

まとめ

多様化への理解が加速する時代。女性視点を持つことが優しい世界をつくっていくのではないでしょうか。
マーケティングに女性向けの視点を取り入れて、指示される仕組み作りにトライしてみてください。